キンモクセイの香りがする季節になりました。今回はキンモクセイについて書いていきます。
キンモクセイは、春のジンチョウゲ(沈丁花)、夏のクチナシ(梔子)と並んで三大香木の一つに数えられる、特徴的な香りを持った樹木です。
「木犀」の部分は、樹皮が動物のサイ(犀)の足に似ていることから名づけられ、「金」の部分は原種であるギンモクセイが白い花をつけるのに対して、オレンジ色の花をつけることから名づけられました。
小さなオレンジの花からは、甘く優しく、どこか懐かしさを感じさせるような香りを放ちます。
一斉に開花し、満開を迎えた後一週間ほどで散ります。通常は一度花が散った後に再度花をつけることはありません。しかし、気候や気温などの条件によっては二度咲きする場合もあるそうです。キンモクセイが二度咲きするメカニズムは、はっきりとは解明されていません。
香りの正体
- β-イオノン(イオノン)スミレなどにも含まれる成分で、甘くて少し切ないフローラル香を作る主役です。ごく微量でも人が感じ取れるほど強い香り成分です。
- リナロール ラベンダーなどにも含まれる成分です。華やかでやわらかい花の香りを与えます。リラックス効果が高いことでも知られています。
- γ-デカラクトン 桃やアプリコットのようなフルーティーな甘さを加える成分です。
この三つを中心に、50種類以上もの揮発性成分が重なって、あの独特の香りが生まれるそうです。
暮らしで楽しむ方法
- 桂花茶
キンモクセイの花びらやつぼみをお茶に混ぜて、甘く上品な香り付けをした中国茶や台湾茶の総称です。中国では古くから親しまれている伝統的な花茶(はなちゃ)の一つです。緑茶(桂花緑茶)をはじめ、烏龍茶(桂花烏龍茶)や紅茶(桂花紅茶)など、様々なお茶と組み合わせて作られるそうです。精神を安定させ、ストレスや不眠を和らげると言われています。また、胃の不調を整え、食後の消化を助ける効果があると親しまれています。
- ポプリ・サシェ
金木犀(キンモクセイ)のポプリやサシェは、秋の甘く上品な香りを季節問わず手軽に楽しめる人気の香り袋です。ポプリとは花やハーブ、スパイス、木の実などの植物素材を混ぜ合わせ、香料屋製油で香りをつけて楽しむ室内用の芳香剤(ルームフレグランス)です。サシェとは、フランス語で「小袋」「小さな包み」を意味し一般的には乾燥させたハーブや花、香料などを小さな袋に入れた「香り袋(匂い袋)」のことです。金木犀の生花を採取して、塩と一緒にビンに詰めて作る「モイストポプリ」など、自宅で手作りして香りを楽しむ方法もあります。開花時期の短い金木犀の香りを長く部屋に閉じ込めておくことができます。
- 入浴剤として花を浮かべる
お茶パックに摘んだキンモクセイの花を詰めそのまま湯船に浮かべます。または、直接きれいに洗った花びらをそのまま浮かべるという方法、華やかになりますが排水溝のつまりや掃除の手間が増えます。また、小さな虫などがついていることもあるためよく洗った方がいいようです。
- ワイン
キンモクセイの花を白ワインに付け込んで作られるお酒で中国の伝統的なお酒であり「桂花陳酒」と呼ばれています。キンモクセイの甘く芳醇な香りと、とろりとした甘みが特徴の口当たりが良いお酒でロックやソーダ割りなどで楽しむのが人気だそうです。中国の唐の時代に、皇妃である楊貴妃も愛飲したという言い伝えがあります。
香りの効果
- 副交感神経を優位にし、心を落ち着かせる、リラックス、安眠効果があります。
- 香りが摂食中枢に作用し、間食を減らす効果があるという研究もあるそうです。
- 記憶を呼び起こし、安心感をもたらすノスタルジー効果があります。

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