
宮部みゆき「パーフェクト・ブルー」を読んだ
とある製薬会社が少年アスリートに対して行った薬物実験、もといそれが基となった薬害事件についてのサスペンス小説。真相を知ったら現実に起こらないを祈るしかないな…という気持ちになった。正直読後感はよくないが、話としては面白かった。宮部作品は結構読んだが、大人(に準するキャラクター)が主人公のものとしては一番好きかも。マサが主人公だとすると、犬だからか??
語り手は普通の女の子に飼われている元警察犬のマサ…なのだが、人間ではない者の視点から見る、人間間でしか起こりえない事件がどういうものなのかが垣間見えて面白い。映像化だと三人称視点になっているらしいが、まあそこは映像化でやるとファンタジーになってしまうから仕方ないんだろうな。マサから見る事件の描写、本当容赦ない。三人称視点独特の切り口を一人称視点でやってる感じなのかな。その割には忖度がないというか…
事件の詳細としては、ドーピング関係の検査薬に実は毒が含まれていて、一人の少年がそれで選手生命どころか生命そのものまで失いましたという割と救いがない話。しかも被害者というか被験者は彼以外にも百人以上にいるという…だから彼らの中の希望を守るために公にもしにくいみたいな。
もし現代の現実にこういう事件があったとしたら、企業は即つぶれるだろうなと思った。なんかうやむやになって終わったのは時代性とも言えそう。でも人間の人生を奪いかねないものだからね。しかもこの場合薬害というものが明確に事実としてある。
マサからしてみれば、これらの行いは自分(犬)だったらやらないだろうなという感覚。それは物理的に不可能という意味ではなく、自分ら程度のコミュニティであればやろうとも思わない…という感じ。マサのIQが実質どのくらいかは不明だが(元警察犬ということで普通の犬よりは高いだろうが)、人間がどう思うかくらいは理解できる。だからこそ人間が愚かに思えるんだろうな。飼い主には忠実だが、それはあくまで飼い主だからであって、本来マサにとって人間は不可解なものなのかもしれない。
続編の「心とろかすような」は既読だけど、読み直してみるかな。
近況
「少年の描き方」という本を買った。※表紙は健全ですが、女性向けテイストの絵柄注意
少し前の記事にも書いたが(反映順が忠実になっているかは不明だけど)、自分の推し文学の主人公が特定の映像化では性別が変更されてしまった~という苦々しさから一年近く経っても脱せないため、もうこれは原作イメージ絵を描きまくるしかないな…と思い、じゃあ少年らしさを強調するか…と注文してみた。商品ページを見ると割とBL寄りの本ではあるが、自分にはそういう属性が割とあるので問題は特にない。個人的には古典ヨーロッパ文学に使えそうな衣装の例があったのがよかった。この時代のヨーロッパの少年が着る服の資料がもっと欲しい。
というわけで今回はこの本を読みつつ少年を描いてみました。ほぼオリジナルですが、一応パブリックドメイン文学の少年を想定したファンアートです。パソコンに移動してから遠近がおかしいと気づきました(;´Д`)
