＃２０ 「希望が射す分岐点」
志狼が私のことを憶えてる・・・・？
これは、今までにない分岐点だ・・・
なぜ憶えているのか分からないけど・・・・
もしかしたら、このチャンスは今回限りかもしれない・・・
慎重に行こう・・・。
君たちが来るのは、なんとなく予想していた・・・
・・・・・やはり、あなたには分かっていたんですね？？
まぁ、座りなよ・・・。
最初は、霞ヶ崎さんに話してもらおうか・・・
もとから、そのつもりでした・・・
私は、志狼のことを知っている理由
何度も同じ世界線を行き来していること
そして、志狼の味方でいることを新木さんに全部話した・・・・
話をしてわかったことは、新木さんは完全に私たちの味方だということ。
これで、次に手術の話をしなければならない・・・・
新木さんはどんな反応を見せてくれるのだろうか？？
それで、隣にいるのは志狼の担当医・・・志岐武田光。
この世界が滅ぶ理由は
彼の手術に失敗したら終わってしまうのと
志狼に重度のケガを負わせたら終わるこの２択です。
今回の手術について、志狼の意見を聞きたい・・・・
私が覚悟を決めて、なかなか喋らないドクターの代わりに説明すると
志狼が・・・・・ゆっくりと口を開いた。
わかった・・・手術を受けるよ・・・
ほ、本当に・・・・？？
うん・・・・話してくれてありがとう・・・・
俄かには信じられなかったけど、真剣さが伝わったし
田光先生・・・・手術を、お願いします・・・！！
ほ・・・・本当にいいのかい？俺のプレッシャー・・・・・
ええ・・・・！
じゃあ、手術日を決めよう・・・
あんなに、堅く口を閉ざしていたドクターが志狼の答えを聞いて
目を見張り衝撃のあまり志狼の手を取って手術日の相談までいっていた。
あなたは、いいんですか？新木さん
自分が決めることじゃないっすからねー。
これについては・・・
志狼君本人が決めたのであれば、
自分は全力で応援するのみ
流石は、志狼のお父さんが認めた右腕ですね・・・
・・・・・・君はどこまで知ってるのかな？？
霞ヶ崎さん・・
志狼本人の意思により、手術は約束された。
この日を境に新木家と小恋達は協定を結んだ・・・・。
あの条件守ってくれますよね？田光先生
ああ・・・
手術をすることは決まったが、志狼とドクターしか知らない
約束事のうえで承認されたことだった。
山路家
山路家に小さくノックを数回して本人確認をされたら、
家に入れるように決めた山路家である。
現在、外に映っているのは買い物袋をぶら下げて
笑顔で“コンニチハー”と挨拶をしている女性。
あいつは！！やっときたか！！
亜堂には、心当たりがあり小さく扉を開けると女性を家に入れる。
家の中に入れてもらえると身を震わせて開口一番に・・・
課長、こんな寒いのに買い物なんて・・・
勘弁してくださいよーーー
すまないな・・・芝・・でも、お陰で助かったよ！！
まぁ、ある意味緊急事態ですからねぇ・・・
あのニュースを見ていない人はいないと思いますし・・・
それと、例のコレ・・・・
礼は今度させてもらうよ！！
食料以外に、頼んでいたものを速やかに受け取る亜堂。
そのとき・・・また小さくノックが鳴った………
今度は私が・・・
三佳音が、そっと扉を開けると見覚えのある女の子だったため
スムーズに家に入れた。
庵ちゃん、どうしたの・・・？
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・
三佳音しゃん・・・・亜堂しゃん・・・
いま、学校内で志狼のこと・・・・・噂になってて・・・
おちついて・・・水を飲んで・・ゆっくり話しなさい
庵は、山路家に駆け込み校内で志狼と亜堂の話を人づてにきいて
担任がいるかもしれない！！そう思った庵は自分にもできることはないかと
助っ人にきた。
お、こいつら・・・うまいことやってるじゃねーーか！
モニター越しで、パトロールをしている漣も陽気な様子で
山路家を守っていた。
そして、小恋がもし言葉につまったら自分が言った言葉を
言うようにインカムも常備している。
新木から連絡がきた。
志狼並びに、新木達も無事のようだ！！
だが、志狼の病のことを知っているという人間を２人
家に入れたようで一度全員で話し合わないか？
とのことだが・・・
庵が息切れ状態で、学校内の様子を語り終わったあと
亜堂の携帯がサイレントモードで鳴りメールが来たことを知らせる。
新木くん、人が良すぎるわよ～～！！
怪しいじゃないですか、その人たち・・・
ねー波佐見ちゃん！！
は、は、はい！私もそう思います。大丈夫かなぁ・・・？
わたしは反対だ。
聞けば、その霞ヶ崎ってやつのことを
みなは信頼しているようだが
いまの状況で全員集合できる場所がない。
即、マスコミに捕まって計画が失敗する。
ここは、どうだろう？
各１人ずつ交換してそっちに行って様子を見るというのは
それはいいかも！！
問題は誰が向こうに、いくか・・・・よね？
じゃ、じゃあ私いきます！
お願いできるかね？波佐見くん！！
はい！！
この件について、オレは新木に電話をしてくる。
みんなは少しの間休憩しててくれ・・・
電話をしている最中、全員に小さく指でオッケーのサインを表し
向こうからは担当医が入れ替わりでこっち（山路家）に来ることになった。
移動手段は、紫外の荒い運転で急スピードをかけて
新木家まで道案内した。
つづく
