土とともに #12(各大陸の説明 1)

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「はイ、じゃあまずはこの大陸の「地域」について説明するネ。この世界は4つの大陸に別れている…というのはもう何度も聞いているよネ?」
「はい。」
「うン。しかし、そうは言っても一つの大陸はとても広イ。この広大な土地を一括りにして管理することは僕たち「神」でも難しいことなんダ。」
「まぁ、そうでしょうね。」
「うン。だから各大陸はそれぞれ「地域」というさらに細かい分け方をしていル。君のいた土地でいうのなら、「県」とか「市」という感じかナ。」
「あぁーなるほど…」
「そして各大陸の各地域にはそれぞれ名前があるんダ。一例を挙げるとここ「ポペラ大陸」には「ヒルク」、「シーク」、「グランク」の3つが存在すル。」
「なるほど…だからここは「ポペラヒルク」と言うんですね。」
「その通リ!!そして、各地域にはそれぞれ「補佐官」という者がいル。その地域の「長」のような存在だネ。」
僕がいた土地でいうところの「県知事」や「市長」にあたるものだろう。
「彼らは僕たち「神」の側近でもあるんダ。だから、「右大臣」「左大臣」「中大臣」の存在や「ディルノ・マハ」が「空人」であることも知っていル。」
「なるほど。」
「まぁ他の大陸も各地域ごとに別れ名前もそれぞれあるけど、それは必要に応じて説明するネ。もっと詳しく知りたい場合は、後で地図で確認するなりなんなりして自分で調べてみテ。」
「分かりました。」
「じゃあ、本格的に大陸の説明に入っていこうカ。まずは僕が担当するこの大陸、「ポペラ大陸」について説明していきまス。」
「はい。」
「あっ、でもその前ニ。この世界には「直道」という海流がぶつかり合う海の分かれ目があるんだけど、そこを中心として各大陸の位置関係を説明していくからネ。それがこの世界での常識だかラ。」
「わかりました。」
「ではでは、ここ「ポペラ大陸」はこの世界の南東に位置していて、「最も住みやすい大陸」と言われていまス。その理由は色々あるけど、根本には「気候」が関係していル。温暖で乾燥しているここの気候は人間にとって一番生活しやすい気候なんダ。だから昔から多くの人で栄え、ここまで発展したとも言えるネ。」
「なるほど。」
「そして生活に必要なものを全て「買うことができる」のも大きなポイントだネ。ここに来るまでに何度も見てもらったと思うけど、「ポペラ大陸」は市場や路上商店、大型スーパーなどが「ヒルク」だけでなく各地域に多く存在するんダ。ここまでお店がそこら中にある光景、他の大陸では見られないネ。」
「そうなんですか。」
「まぁ、それは君が他の大陸に行った時に感じることだろウ。」
「それは…確かにそうですね。」
「じゃあ、次に紹介するのは世界の北東に位置する大陸「ニムレ大陸」。ここ「ポペラ大陸」から見ると北に位置する大陸だネ。」
「あっ。確かこの大陸とのみ交易を行っているっていう大陸ですよね?「右大臣」から聞きました。」
「おっ、そこは聞いているんだネ。じゃあもう少し詳しく話そうカ。「ニムレ大陸」は君の言う通り、「ポペラ大陸」とのみ交易を行っていル。実は、昔は全ての大陸間で交易を行っていたんだけど、200年前に起こった「ある大災害」の影響で物理的に不可能になってしまったんダ…」

「「ある大災害」?」
「うン。これについては後で詳しく話すからそれまで待っててネ。」
「あぁ、そうなんですね。」
「今は「各大陸の紹介」がメインだからネ。ごめんネ。続けるけども、「ニムレ大陸」は熱帯雨林が広がり原始的な生活が行われているのが特徴ダ。そして気温は常に高く、湿度も高イ。この大陸の住民たちは自らの手で狩りや穀物栽培などを行い、自給自足の生活をしていル。」
「えぇ…ここと全く違う生活スタイルじゃないですか。」
「うン。この大陸は「まち」と言える規模の集落はなく、「村」程度の規模の集落が点々と存在していて、その中の一定の地域を「補佐官」が管理するといった形をとっていル。」
「なるほど…」
 テレビなんかでは「アフリカの原住民の暮らし」みたいなタイトルで彼らの生活が放送されているところを見たことはある。しかし、実際にそういった生活をしている現場には行ったことがない。この世界でも僕の見たことのある原住民のような恰好をしているのだろうか…
「質問です。彼らの服装はどういった感じなんでしょうか?」
「えーっとそうだネ…布で出来た肌着、その上に藁で出来た服を羽織っている、といった感じかナ。」
「うーん…なんか想像できるようなできないような…」
「あっ、そういえば彼らが映った写真があったかナ…ちょっと待ってネ。」
 彼はそう言うとソファーの横にあるキャビネットの引き出しを開け、写真を探し始めた。
「ああ、あったあっタ。これだネ。」
 僕は写真を受け取った。なるほど、これは説明するのが難しい…僕のイメージで説明を付け加えるなら、「縄文時代の服装」といった感じだろうか。本当に原始的であり服の原点、といった具合だろう。僕はしばしその写真を見たあと、彼に返した。
「ありがとうございます。どういった雰囲気か掴めました。」
「良かった良かっタ。いずれ「ニムレ人」にも会うことになるだろうから参考にしてネ。」
「はい。そうさせてもらいます。」
「うン。じゃあもう少し「ニムレ」について話すネ。そんな原始的な住民たちを結束させ、率いているのが「ニムレ大臣」ダ。彼女は僕たちの中でも珍しい「女性の神」なんダ。僕とは雰囲気が全く異なるネ。」
「女性の神…「女神」ってことですね。」
「ああそうだね、その言い方が正しいカ。彼女は「ニムレ人」たちへ狩りのやり方や穀物の栽培方法、そして語学の授業を行ったりしていル。「ニムレ大陸」はここみたいに人口が多いわけではないから、最低限の知識と生きていく上での基本を知っていれば後は困らなイ。中には「こんな環境ではやっていけない!!」って思う人もいるみたいだけど、そういう人はたいてい「ポペラ大陸」へ移住してくるネ。」
「移住…?「ニムレ」と「ポペラ」って環境がかなり違いますよね?その変化には付いていけるものなんですか?」
「うーン…そこは個人差があるネ。ここに来たからといってやりたいことができるとも限らないし、ここにはここの「教え」があるからネ。」
「そっか…大陸ごとに考えが違うんだ…もし移住してきた場合、「教え」はその大陸の「大臣」のものに従わなければならない、ってことになるんですか?」
「そうだね、そもそも他の大陸へ移住するなんて事例が発生したのはここ数年での話だかラ。最初はどうしようか、僕たちは話し合ったんダ。結果として、その大陸で生活していく上ではその大陸の「教え」が最も適しているだろうということで「移住の際には、移住先の大陸の「教え」を理解すること。」となっタ。そして乱雑な移住者を出さないために「「教え」を理解できているかどうかは試験によって判断する。」としたんダ。」
「なるほど…」
「それからは希望者がぼちぼち出てくるようになったネ。移住希望先の9割はここ「ポペラ大陸」。そのうちの7割が「ニムレ人」だネ。」
「さっきもおっしゃっていた通りこの大陸は人気なんですね。」
「うン。でも人口が急に増えちゃって僕たちは大変だっタ…特に家の数が足りないって問題が一番だったネ。今はもう解消されているんだけどサ。」
「そっかー、最近も増え続けてるんですか?」
「最近はあんまりいないネ。いても1人か2人くらイ。それなら全く問題ないからネ。」
「そうなんですか。じゃあしばらくはそういったことは起こらなそうですね。」
「うン。僕からしたら、もう勘弁してほしいネ。あっ、飲み物なくなっちゃったネ。新しいの準備するヨ。」
「あぁ、すみません。お願いします。」
そういって彼は、また飲み物を入れに行ってくれた。結構色々聞いたが、まだ2つの大陸のことしか聞けていない。この先はどういった話が聞けるのか…なんて考えながら、僕は彼の帰りを待った。

#13へつづく

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Rxy Do

Rxy Do

趣味は小旅行、散歩、ゲーム。SEKAI NO OWARIを敬愛しております。日々の生活から感じた物事をSFチックに表現していこうと思ってます。

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