歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を及ぼし合い、症状を悪化させる深い双方向の関係にあります。
糖尿病が歯周病に与える影響
- 免疫力の低下: 高血糖状態が続くと、体の免疫や抵抗力が弱まり、歯周病菌に感染しやすくなります。
- 血流の悪化: 血流が悪くなることで歯ぐきの修復力が下がり、炎症が治りにくくなります。
歯周病が糖尿病に与える影響
- 血糖管理の悪化: 歯周病の炎症によって作られる物質(TNF-αなど)が血流にのって全身へ広がり、インスリンの働きを妨げます。
- 悪循環の発生: インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)ことで、高血糖が改善しにくくなり、糖尿病のコントロールが難しくなります。
治療と対策
- 歯周治療の効果: 歯石の除去や丁寧な歯磨きによるプラークコントロールで歯周病の炎症を改善すると、インスリンの効きが良くなり、血糖値(HbA1c)の改善につながることが分かっています。
- 定期的な受診: 糖尿病のある方は、歯周病が進行しやすいため、3ヶ月以内などのこまめな歯科検診がすすめられています。
筆者は、病弱を大学で専攻しており、障害と歯(口腔)の関連については、障がい特性に応じた歯科治療や口腔ケア、または歯を失うことによる身体的・社会的機能の障害(歯牙障害など)が挙げられることを学びました。
障害者歯科と口腔ケア
身体的・知的・発達障害などにより、通常の歯科医院での受診や毎日の歯磨きが難しい方を対象とした専門的な医療やケアがあります。
- 障害者歯科の活用: 恐怖心やパニック、不随意運動(体が勝手に動く)がある場合でも、専門の日本障害者歯科学会が案内するような施設で、行動調整法や静脈内鎮静法、全身麻酔などを活用した安全な治療が受けられます。
- 口腔ケアの工夫: 歯ブラシの柄を太くする、電動歯ブラシを使う、介助者が後ろから支えて磨くなど、本人の状態に合わせた工夫が必要です。
歯の喪失による障害(歯牙障害)
歯を失うことや欠損することは、機能面や法的な後遺障害の対象となります。
後遺障害(歯牙障害): 交通事故や怪我などで歯を著しく欠損し、歯科補綴(クラウンやブリッジ、インプラントなど)による治療を行った場合、失った本数に応じて「歯牙障害」として後遺障害等級が認定されることがあります。
身体的機能障害: 噛む(咀嚼)、飲み込む(嚥下)、発音(構音)といった基本的な機能が低下します。
