Aⁿを求める問題や、1次変換や回転移動に関する問題が出題されています。Aⁿを求める方法は複数あるので、それらを理解して使い分けられるようにしておきましょう。
POINT1 行列の性質
1 行列の性質
行列の基本的な性質には、演算(和・積)の規則や、正方行列における行列式・逆行列の重要な性質があります。
行列の演算の性質
- 和の結合法則・交換法則: (A + B) + C = A + (B + C)、 A + B = B + A
- 積の結合法則・分配法則: (AB)C = A(BC)、 A(B + C) = AB + AC
- 積の非可換性: 一般に AB ≠BA であり、順番を変えると結果が変わります。
行列式の性質
- 転置行列: 元の行列と転置行列の行列式は等しい(det A = det Aᵗ)。
- 線形性: 各行(または列)を定数倍すると、行列式もその定数倍になります。また、ある列が2つの和で表されるとき、2つの行列式に分割できます。
- 交代性: 2つの行(または列)を入れ替えると、行列式の符号が反転します。
- 積の性質: 積の行列式は、それぞれの行列式の積に等しい(det(AB) = det A det B)。
2 ケーリーハミルトンの定理
3 逆行列
4 サラスの公式

〇感想
掃き出し法(ガウス・ジョルダン法)や、ガウスの消去法 (Gaussian Elimination)、クラメルの公式は、大学数学で触れていきましたが、3次正方行列の逆行列は、サラスの公式で分母の行列式を求めたあと、余因子行列を使って求めることができることは、逆行列とも関わりがあり、高校数学理系レベルともつながると思いました。
ケーリーハミルトンの定理で、E は単位行列、O は零行列であり、分母の ad – bc は行列式 |A| であり、これが 0 のときは逆行列が存在しないこと、3次正方行列(3行3列の行列)の行列式を簡単に計算するための覚え方や計算ルールにサラスの公式があると学びました。
〇行列の基礎知識
復活の経緯: 行列は一時期の学習指導要領から姿を消していましたが、近年の改訂で新課程の数学Cに再び導入されました。
行と列: 横方向の並びを「行」、縦方向の並びを「列」といいます。
正方行列: 行数と列数が等しい行列です。
主な演算
- 和と差: 同じ大きさの行列同士で、対応する成分を足したり引いたりします。
- 実数倍: 行列のすべての成分を同じ数(実数)で何倍かします。
- 積(かけ算): 左側の行列の「行」と右側の行列の「列」の成分を掛け合わせて足し合わせる計算をします。
