聴覚障害のある方々の「居場所づくり」は、孤立の防止や安心できるコミュニケーション環境の確保を目的に、子どもから高齢者、マイノリティ層まで多様な形で行われています。
主な居場所づくりの形態
- 子どもの放課後・学習支援
• 手話や視覚的情報保障(字幕・文字起こし等)を基本とした放課後デイサービスやフリースペース(例:デフアカデミーなど)。
• こども家庭庁の調査では、ろう・難聴児の利用者の多くが「孤立」を経験している現状があり、行政やNPOの連携が進められています。
成人・就労・地域生活の拠点
- 就労継続支援B型事業所や、手話を言語として安心して過ごせるカフェ・交流スペース(例:NPO法人にいまーるが運営する「手楽来家」等)。
- 聴覚障害者が利用できるグループホーム(「かめこや」等)を通じた生活支援。
高齢者の集いの場
- 手話で自由に語り合える高齢者向けのサロン(例:岡山市の「ももハウス」など)。
多様なマイノリティへの配慮
- ろう・難聴のLGBTQ+当事者など、複合的な生きづらさを抱える人が安心・安全に利用できるプログラムや居場所づくり講座の開催。
居場所づくりにおける重要なポイント
- 視覚的・言語的アクセシビリティ:日本手話や筆談、文字通訳など、利用者のニーズに合わせた情報保障が不可欠です。
- 専門人材と地域の連携:手話通訳者や、ろう者の特性を理解したスタッフの配置、および行政・医療・福祉とのネットワークづくりが課題であり、各地で推進委員会などが立ち上げられています。
合理的配慮の7つの要素
- ニーズ:障害のある人本人が必要としている具体的な要望や困りごと。
- 社会的障壁除去:社会生活を送る上でのバリア(物理的、制度的、文化的、心理的な障壁)を取り除くこと。
- 非過重負担:実施する側(企業や学校など)にとって、過重な負担(コストや人員、業務への影響など)にならないこと。
- 意向尊重:障害のある本人の意向や意見を十分に尊重して決定すること。
- 本来業務付随:その組織や事業の本来の目的・業務に付随する範囲内のものであること。
- 機会平等:障害のない人と同等の機会(教育や就労など)が確保されること。
- 本質変更不可:提供するサービスや教育、業務の「本質的な内容」自体を大きく変更するものではないこと(例:試験の根幹となる評価基準を変えてしまうようなものは含まれない)。
