見えない病気を知らせるツール【ヘルプマーク】

最近、ヘルプマークを見る機会が増えました。宮城県でも鞄などにつけて使用している人が以前より増えたように思います。
しかしながら、多くの人は「そもそもヘルプマークってなに?どういうものなの?」と疑問に思うでしょう。
これから簡単にではありますがヘルプマークについてお伝えしたいと思います。

ヘルプマークとは?

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、平成24年に東京都が作成したマークです。平成29年7月にはJIS規格に追加され全国共通のマークとなりました。

仙台市公式HPより引用

私も最初はヘルプマークって「マタニティーマークの類似品なのかな?」と疑問に思っていました。調べてみると、マタニティーマークが妊婦であることを周囲に知らせるのと同様に、ヘルプマークは援助を必要としていることを周囲に知らせることを目的として作成されたものと書かれていました。
つまり、マタニティマークより広く援助を必要としている人全般を対象にしたマークといえましょう。

ヘルプマークの入手方法は?

◎対象者
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、精神、知的、発達障害の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている方
◎配布窓口
各区障害高齢課、各区総合支所保健福祉課、障害者総合支援センター(ウェルポートせんだい)、精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)、北部発達相談支援センター(北部アーチル)、南部発達相談支援センター(南部アーチル)、仙台市立病院総合サポートセンター、各障害者福祉センター
※私のオススメは区役所の障害高齢課です。
◎配布方法
ご利用される方からの申し出により、窓口でお渡しさせていただきます。
障害種別・等級、病名などにかかわらず、配慮を必要としている方は、どなたでもご利用いただけます。
●申請書類などの提出は不要です。
●原則として、窓口での配布とさせていただきます。
●無料で配布します。

仙台市公式HPより引用

私がヘルプマークを知ったきっかけ

そもそも、私がヘルプマークを知ったのはたまたま見ていたTV番組がきっかけで、ヘルプマークについての特集をしていて興味を惹かれたからでした。
番組の内容は、九州にお住まいの方がヘルプマークを普及させようと努力し、結果ヘルプマークの普及に成功したというものでした。
そこで初めてヘルプマークの存在を知り、「私の県にもヘルプマークがあったらな。」「全国的に普及すればいいな。」なんて思っていたところ、仙台市のヘルプマークのポスターが貼られているのを発見しました。
近々普及予定と書かれていたので、「これはぜひ手に入れねば」と思いました。ヘルプマークと少し縁を感じた一瞬でした。

ヘルプマークに対する偏見と不安

手に入れたヘルプマークでしたが、はじめはなかなか使用出来ずにいました。
初めてヘルプマークを鞄につけて地下鉄に乗るときはとても緊張したのを覚えています。
「変な風に見られないかな?」と不安でいっぱいでした。しばらくはバスも地下鉄もヘルプマークを鞄の内側に入れ、隠すようにしていた時期もありました。
自分から「病気です!」と言っているようなものですし、そのせいで偏見の目で見られないかな?と不安だったんです。
しかし、その考えが変わる時が突然やってきました。
街で偶然買い物をしていた私が、とある3人組の女性を見かけた時のことです。
普通の光景だったのに私はその3人組から目を離せませんでした。なぜなら、そのうちの1人がヘルプマークを鞄に着けていたのです。他の2人の女性も気にすることなくショッピングを楽しんでいました。楽しそうにショッピングする姿に誰かに対する引け目や怯えもなく、とても自然に過ごしているなと感じました。その時、偏見の目で見ていたのは自分の方だったと気づいたのです。
それからは「ヘルプマークを使うことは特別なことではないんだな」と気づき、気持ちが楽になり、ヘルプマークを隠すことなく使用出来るようになりました。

まとめ

個人的にはヘルプマークとは、『体が弱く疲れやすい人や血液の病気など、目に見て分かる病気ではないので元気そうに見えますが席などご配慮頂けるとありがたいです。』くらいのニュアンスの意味合いかな?と思っています。
ヘルプマークを付けている側も、必ず助けてもらえるのではなく、助けてもらいやすくなる程度だと理解しましょう。
ヘルプマークは万能なマークではなく、お互いを思いやり尊重し合い、生きやすい社会にしていく一つのツールだと考えています。
より多くの人にヘルプマークを知っていただき、私の体験が誰かの一助になれば幸いです。

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自分が感じたこと・考えたことを振り返り、表現することで自分らしく生きる糧にする。 そしてそれが、誰かの一助になれれば幸いです。

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