ドイツのベテランスラッシュメタルバンドKREATORについて

 KREATORはドイツのスラッシュメタルバンドである。同国を代表するスラッシュメタルバンドの一つであり、40年以上もの長きに渡り活動している。ドイツのスラッシュメタルシーンの草創期から活動し、ジャーマンスラッシュ三羽烏の一角を占めるバンドである。フロントマンはヴォーカル・ギターを担当するミレ・ペトロッツァで、40年以上第一線で活動している。

 初期のKREATORの音楽性は、ドラムがついていけないほどの高速ギターリフにミレの絶叫ヴォーカルが乗っかるというスタイルであった。2ndアルバム『Pleasure to Kill』では、当時最速と言われていたスレイヤー以上の高速なサウンドが高く評価されたのであった。その後若干スピードは抑え気味になりはしたが、アルバムごとに楽曲の演奏力は向上し、高い質のジャーマンスラッシュメタルで人気を博した。5thアルバム『Coma of Souls』ではメロディアスなギターソロを取り入れたりして、それまでの高速スラッシュの枠組みに囚われない音楽性を見せた。

 しかし、1990年代のKREATORは、メタリカの『ブラックアルバム』やPanteraの出現、グランジロックブームなどの影響を受け、スピードを重視したスラッシュメタル路線からグルーヴやメロディを重視したゴシックメタル路線を追求していくことになった。ミレのヴォーカルは絶叫系ではなくなり、歌メロを歌い上げるようになった。このゴシック路線は新たなファンを獲得したが、初期の頃からのファンはこれに失望してしまった。また、世界的にヘヴィメタルが下火になっていたこともあり、バンドの活動は縮小した。この頃のKREATORは音楽性の面でかなり混迷していたといえるだろう。

 しかし、2000年頃から以前のスラッシュメタルスタイルに回帰し、2001年作の『Violent Revolution』で完全にスラッシュ路線に復帰した。その後のKREATORは初期のスラッシュ路線と90年代に追求したメロディアスなゴシック路線を融合した、独自のメロディアスなスラッシュメタルの曲を作り続けている。KREATORが90年代にゴシックメタルに傾倒したのも、今から考えたら無駄ではなかったと思う。ゴシックメタルのメロディアスな要素をうまくスラッシュメタルに落とし込んで、それらを融合させて作る楽曲は独特の魅力を備えている。筆者は2月に六本木で行われたKREATORのライブに参加したが、ミレは聴衆を盛り上げるのが凄くうまい人だと思った。最後に演奏された初期の名曲「Pleasure to Kill」は物凄いスピードと迫力で、会場のボルテージはマックスに達し、最高のライブだった。これからも頑張って楽曲を作り続けてほしいバンドである。
 

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メタルマン

メタルマンと申します。 ヘヴィメタルと読書が好きです。 音楽や本、映画など幅広い記事を執筆 していきたいと思います。 よろしくお願いします。

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