ドイツのベテランスラッシュメタルバンドSODOMについて

　SODOMは1981年にドイツで結成され、以来40年以上活動しているジャーマンスラッシュメタルバンドである。KREATOR、DESTRUCTIONらとともにジャーマンスラッシュ三羽烏の一角を占めるバンドとして有名だ。デビュー以来3人組バンドとして活動してきたが、2018年から4人編成に移行している。SODOMのフロントマンを務めるのは、ヴォーカル兼ベースのトム・エンジェルリッパーで、彼以外のメンバーはその時々によって変わってきている。

　SODOMの音楽的特徴は、何といってもその豪快なスラッシュメタルスタイルである。初期の1stアルバムではブラックメタル寄りの音楽性を見せていたが、2ndアルバム以降は高速かつ凶悪なギターリフで爆走していくというスタイルである。その高速・凶悪なギターリフにトムのデスヴォイスにも似た吐き捨て型ヴォーカルが乗っかるという感じで、ジャーマンスラッシュ三羽烏の中でも最も凶悪な音楽性を有しているバンドといえるだろう。SODOMの名作といえば、3rdアルバム『AGENT ORANGE』が挙げられる。このアルバムは戦争を題材としていて、名曲「Agent Orange」はまさに戦場を彷彿とさせるような荒廃感を感じさせる楽曲に仕上がっている。この3rdアルバムから、現在にまで繋がるSODOMの音楽性が確立されたと言っていいだろう。もう一つの代表作は1999年に発表したアルバム『CODE RED』である。このアルバムは非常に完成度が高く、高速かつ凶悪なSODOMの音楽的魅力が詰まった一枚となっている。

　また、SODOMはスラッシュメタルバンドでありながら、時にはハードコアパンク色全開の楽曲を作ってくることでも有名である。おそらくこれはフロントマンのトムの音楽的好みが反映されていると思うのだが、1995年に発表したアルバム『Masquerade in Blood』では、ハードコアパンク的な曲が多数収録されている。高速・凶悪なスラッシュメタルでありながら、どことなくパンキッシュな魅力をも兼ね備えているSODOMは、まさしくジャーマンスラッシュを代表するバンドだと思う。