
(ウィキペディアから)

ベートーヴェン「第九」
よろこびの歌

ベートーヴェンが作曲した「第九」を聴いたことはありますか?
「第九」とは、年末によく流れている曲ですね。いわゆる「よろこびの歌」です。
誰でも気軽に口ずさめる覚えやすいこのメロディーは、世界中いろいろな場所で使われていますよねぇ。
ただ、みなさんが知っているメロディーはほんの一部で、元の曲はとても長くて壮大なんですよ。
「第九」の完成と発表
この曲の正式な呼び方は、『交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」』です。
ベートーヴェンが作曲したオーケストラで演奏する「交響曲(シンフォニー)」と言うジャンルの中の、9番目に発表した曲です。
通称「第九」と呼ばれています。
「作品125」とは、ベートーヴェンが楽譜を出版した順の番号です。
1826年に出版されました。
当時は録音する機械がまだ無かったので、紙に書かれた楽譜という形でリリースしていました。
この頃の日本は江戸時代で、鎖国をしていました。文化的な面では、画家の葛飾北斎や俳人の小林一茶が活躍していた時期に当たりますね。



作曲のきっかけ
およそ200年前に、現在のドイツやオーストリアで活躍したルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)が、20代~50代にかけて、庶民の自由や平等・人の愛にあこがれて想い描いて作りあげた曲です。
この頃はまだ、「貴族が偉い」とされた世の中でした。
そんな中、若い頃に「シラー」いう詩人の『歓喜に寄す』を読み感銘を受けた彼は、この思いを壮大な音楽で表現しようと、長い期間をかけて曲の構想を練りに練っていたのでした。
第九の初演
シラーの詩と自分自身の言葉を織り交ぜた交響曲は、ベートーヴェンが53歳の1824年に完成。
始めて演奏されたのはその年の5月。オーストリアのウィーンにある「ケルントナートーア劇場」という高級な会場でした。
初演時の「第九」の評判はたいへん良く、大成功だったそうです。きっと観客からは、スタンディングオベーションが沸き起こったのでしょうね。
ベートーヴェンはけっこう売れていましたが、貴族ではないので豪華な会場で演奏できたというのは、ほんとすごいこですね。(彼は貴族にもなぜか人気だったのでコネがありましたが)
初演の指揮はウムラウフという方でした。
耳の聞こえないベートーヴェンも一緒に指揮をしていたようですが、アーチストたちはズレズレのベートーヴェンよりも、ウムラウフのほうの指揮をほとんど見ていたそうです。
新しい音楽
当時としては、ビックリするほど斬新な曲でした。
どこが新しいスタイルの曲だったのか。
- 「交響曲」というジャンルでは長大な曲
- 演奏時間が1時間超の交響曲はこれまで無かった
- 「交響曲」というジャンルに歌が入っている (独唱4声+混声合唱4声)
- それまでのこのジャンルに、歌は取り入れられてなかった
- 歌詞の内容が庶民の味方
- お堅い宗教的な歌詞が多かった時代に、誰でも楽しめる歌詞を採用した
- 自由と平等をうたった人類愛の歌詞
- いろんな楽器を取り入れた大規模オーケストラ
- コントラファゴットやバスドラム、トライアングル、シンバルも取り入れた
- 演奏人数を今までより多くした
- 作曲形式のきまりにとらわれない
- それまでの「交響曲」の型をやぶって自由なかたちにした

当時の一般大衆は、首領さまの下に生活していて、ほんとうの自由がなかったのでしょうね。
そういう世の中で、一般市民の「自由と平等」を謳った「第九」は、みんなに勇気と希望を持たせてくれたに違いありません。

音楽家!人間ベートーヴェン
こども時代
ピアニスト・作曲家のベートーヴェンは、1770年12月なかば頃、今のドイツのボンで長男として生まれました。
彼の父親は雇われ歌手でしたが、お酒に溺れてしまってた上に、ベートーヴェンにメチャクチャ厳しいピアノの英才教育も強いていました。(現在ではDVに当たってしまいますねぇ)
優しかった母親を早くになくしてしまい、ふたりの幼い弟たちのため、あてにならない父親の代わりにベートーヴェンがピアニストとして生活費を稼がなければならない環境でした。

(ウィキペディア・コモンズから)
ベートーヴェンの性格
おそらくこのつらい体験の反動で、ベートーヴェンの「自由と平等」や「人の愛」の発想につながっていったのかもしれません。
しかし、耳が聞こえなくなり始めた彼はこれを隠すために、親しい人以外に対しては不愛想で、偏屈な性格になってしまいました。
(かんしゃくを起こしてしまうことが多くあったようです)
その反面、負けず嫌いで、したたかな人だったようで、音楽を通して貴族や有名人たちと親しくなっています。
恋愛面でも、実らぬ恋が好きなのか、夫子持ちや身分の高い女性に多く思いを寄せていたのも、育った環境によるものが大きかったのではないかと、個人的には考えています。


第九にこめられたもの

ベートーヴェンの作品は「ピアノ曲」「オーケストラ曲」「弦楽器曲」「声楽曲」など、さまざまなジャンルが存在します。
彼の音楽の特徴は、「重厚かつ真面目なメロディー」で「型にとらわれない」曲が多いでしょうか。
へたまるは、ベートーヴェンの作品をたぶん7割以上聴いてると思いますが、重い暗い曲はあるにせよ、どこかに希望と力が込められている感じがするのです。
若い時は解らなかった事だけど、
「人生レベルの絶望で悩んでいる さ中は、どうしようもなくツライ。だけど、その問題を見つめ直していくことで、いつか明るい光が見えてくる」、
ことをベートーヴェンの曲は教えてくれるのです。
ことに、第九はその集大成であることに間違ありません。

まだまだ第九の魅力は果てしないです。
次回は曲のくわしい考察をお伝えしていこうかと思います。
次回につづく
