様々なフィクションの元ネタになっているということで読んでみた。自分の場合は赤川次郎の「吸血鬼はお年頃」シリーズかも。
血を吸われた者が単に死ぬわけではなく、吸われたものは吸血鬼の本性に染められていきながら、じわじわともがき苦しむ。これが女性含め何人もいるんだから、ある意味「歩くパンデミック」な気もする。吸血鬼に噛まれることは流行病の感染に通じるところがあるように思える。(そういう点では、実在しないであろう存在でよかった)
「人ではない存在に侵食される」点ではそれほど違いはないから、害獣みたいなもんなのかな… と思ったけど、別に吸血鬼は元々が善良ではいよな。
想像と違ったところは、別に触れた側が知性を失うわけではないことと、吸血鬼自身が割と理知的だったところで、どちらにせよ大衆メディアの影響で「怪物」のイメージが大きかったようだ。
本作は主人公・ジョナサンによる書簡体(日記)で描かれており、吸血鬼がミステリアスな存在であることが強調されている。フランケンシュタインのときも思ったが、書簡体はじわじわとした恐怖を味わうには結構向いているかもしれない。そういう点では「ファンタジー要素を含んだサスペンス」的な作品であり、スリルがある。
現実にこういう存在がいたら終わりは訪れるだろうか?逮捕されたとしても、能力で勝ってしまうかもしれない。そういう意味ではジョナサンたちはものすごく奮闘したんだろう。とても長い、ジョナサンの日記にそれが現れている。世間のイメージとは裏腹に尺がかなり長いわけで。
