
私は苦悩していた。
「酒が…酒がやめられぬ…」
部屋にはストロングゼロの500mL缶が散乱し、ひどいありさまだ。
そこには普段の真面目な私の姿はなく、廃人がただうな垂れているだけ。
失った記憶とお金と時間はもう戻ってはこない。
「もうこんな生活、絶対にいやだ!絶対お酒やめる!」
この人間は、一体何度同じセリフを吐くつもりだろうか。
何度も禁酒に失敗しスリップ(再飲酒)してしまっている私は、もう何度目かも忘れた誓いをたてる。
そもそもなぜ私がこんな状況に陥ってしまっているのか、一体どうすれば酒はやめられるのか、必死に自身で分析したり調べたりしてきたので、ここに書き記したい。
お酒がやめられなくなる理由
まずは、人はどうしてお酒がやめられなくなるのか。
お酒に依存してしまうのは、単に「意思が弱いから」ではなく、脳の仕組みが関係している。
アルコールを飲むと、脳内でドーパミンという快楽物質が分泌される。その結果、脳は「お酒を飲む→手軽に楽しくなる」と学習してしまう。そして、お酒が切れたときに「またあの快感が欲しい!」と強烈にサインを出すようになる。これが、人間がお酒に依存してしまう仕組みだ。
また、アルコールには脳の興奮を抑えてリラックスさせる効果がある。イライラした時や不安な時にお酒を飲むと、一時的にそのネガティブな感情がフワッと消えて楽になる。ストレスや不安の「麻酔」としてはたらくという効果も、お酒を飲みたくなったりやめられなくなったりする理由の一つだと言えるだろう。
そして、「習慣」というのもお酒がやめられなくなる理由の一つだろう。
人間の行動の4割は習慣でできていると言われている。「金曜の夜はお酒を飲みながら動画を見る」など特定の行動や時間と「飲酒」がセットで習慣化してしまうと、「ルーティン」としてやめられなくなってしまう。
以上の理由から、人はお酒に依存してしまう。もう一度言うが、お酒がやめられないのは「意思が弱いから」ではなく、脳の仕組みのせいなのだ。
禁酒のメリット
なぜお酒をやめなければならないのか、禁酒によって得られるメリットをご紹介したい。
がんや生活習慣病リスクの軽減はもちろんだが、ここではもっと日常のなかで感じられるメリットをあげていく。
まずは、睡眠の質の向上だ。アルコールには眠りを浅くする作用があるため、アルコールが抜けると深い睡眠がしっかり取れるようになり、日中のパフォーマンスも向上する。
次に、メンタルの安定もメリットとしてあげられる。お酒を飲むとストレス発散になると思われがちだが、実は逆で、アルコールが抜ける時に脳は不安を感じやすくなる。禁酒をすると、脳の神経が正常に戻るためイライラや原因不明の不安感が減る。
そして、なんといっても日常の中での最大のメリットだと思うのが「浪費していた時間とお金の節約」だ。お酒を飲んでいる時間だけでなく、「その後の酔っぱらってだらだらする時間」や「翌日、二日酔いで動けない時間」が丸ごとなくなる。その時間を趣味や生産的な活動に充てることができる。また、金銭的には禁酒することで1ヶ月で数万円の節約になることも珍しくない。
禁酒のコツ
禁酒を成功させる最大のコツは、気合で我慢するのではなく、お酒を飲まない環境や仕組みを作ることだ。
「お酒を飲みたくなったら代わりにノンアルコール飲料を飲む」や「お酒を飲みたくなったら運動をする」など代替行動を用意しておくことも、禁酒を成功させるのに大変役に立つ。
そして、はじめから「一生飲まない」などと大きな目標を掲げるのではなく、「とりあえず今日1日だけやめてみよう」など、目標のハードルを下げて一日一日を積み重ねていく方が、禁酒は成功しやすい。小さな成功体験を積み重ねていくのだ。
注意点、離脱症状について
長期間(特に毎日、多量に)お酒を飲んでいた人が急に禁酒すると、アルコールに慣れきっていた脳の神経がパニックを起こし、「アルコール離脱症状(いわゆる禁断症状)」が現れることがある。軽度のものでは手の震え、大量の発汗、吐き気、不眠、イライラなどがあげられるが、場合によっては命に関わる重篤な症状もあるので、必要に迫られた場合には適切な医療機関を受診してほしい。
まとめ
禁酒は、大好きなものを我慢するだけの辛い修行ではない。
これまでお酒に使っていたお金や時間を、自分の好きなことに使えるようになり人生に大きな良い変化をもたらすことができる。
ぜひこの機会に、禁酒にチャレンジしてみてはいかがだろうか?
私は、次こそは絶対に禁酒を継続させてみせる!!(〇年ぶり〇回目)
