怪盗クイーン 陽炎村クロニクル
はやみねかおるという作家の特徴はスターシステムを多用すること…らしい。ということで今回の巻もそういう話になるかもしれない。「虹北恭助」シリーズのゲストキャラクターであるミリリットルや、「夢水」シリーズの夢水やら。彼らは美味しい所を搔っ攫っていくが、同時にゲストキャラクターを軸に置いている巻とも言えるため、それほど違和感はない。普段のメインキャラクターもクイーン側よりはICPO組やアンプルール組がメインになっている印象である。
今回のメインゲストキャラクターはムーブルという身元不明の少年(?)である。とても純粋な子であるが、記憶が戻った後はクイーンに負けず劣らずのミステリアスさを持つ。 あとは、サブのゲストキャラクターであるニコラがお気に入り。中性的な少年…だけど仲間想いだ。
この作品は国を跨ぐ世界観である。クイーンが全世界で活躍をしたい願望を持っているからだろうが。今回はフランスが舞台で、フランスが舞台の某小説が好きな身としてはとてもテンションが上がった。この世界観は、連続テレビシリーズにしたならば、ロードムービーになるような気がする。
10歳までに読みたい世界名作(14) 宝島
青空文庫版と光文社版を既読だが、いまいち全体像をつかめないためもう一回読む。
この訳は子供向けの抄訳であるが、絵がとても好み。どうやら一昔前のライトノベルのコミカライズをしていた方らしい。道理で。
アニメ版と比べるとシルバーとの別れがあっさりしていると思うが、アニメ版とは逆にシルバーがその後楽しくやっているかもしれない、という記述があったことが印象的だった。たしか他の訳でも苦しい人生とは書かれてなかった。(そもそもアニメ版のシルバーにはパートナーがいたため、最終回一話前から最終回(後日談)までの過程でパートナーを失った関係でその後苦しんだと自分は解釈している)
また、ジムの父親は原作では序盤まで生存しているが、アニメでばっさり削った理由について考えてみると、2クールという尺かな…と思っている。あれだけ影が薄ければ死んだことにしていいだろう、という意見を読んだことがあるが、まあまあ理解できる。
グレーはアニメでは最終回の後日談で死亡しているが、原作ではどうやらそうではなさそうだったらしい。
か「」く「」し「」ご「」と
ある高校のクラスで繰り広げられるクラスメイト達の話。
タイトルに感じることは、三木に対するパラの話の後に、パラの独白のエピソードが挿入されることだ。クラスのムードメーカーであるパラは三木に対してはすばらしい人間であるが、本人自身は色々と悩みを抱えている普通の人間である。
パラの活躍する文化祭の話は爽快だった。あの後の話を読むと複雑ではあるが、三木が出し物の最中に頭が真っ白になってどうしたらいいか…を力技で突破するパラはとってもかっこよかった。
もう一つ、印象的な話は、ヅカという男子生徒の話だ。彼は話す相手の感情をトランプの柄(ダイヤ・エース・スペード・ハート)でシンボル化して考えている。おそらくヅカ自身が相手はどう感じたか?という推測であるが、その描写がとても印象的だ。相手の心を読めるわけではないが、相手はこうだろうと考え頭の中で記号化する。少し彼の考えることが分かる気もした。
何気ない言葉で相手が不登校になった男子生徒の話も印象的だった。シャンプーの銘柄を女子生徒(宮里)に尋ねたらからかわれたと思われ、拒絶された…と。結局宮里のコンプレックスに起因する誤解だったわけだが、彼はどうもプライベートに踏み込みすぎたと思ったらしい。微妙なすれ違い、であるよなあ。
