面白かった!1993年の読書感想文コンクールの課題図書だったらしいが、当時私が中学生だったらこの本で応募してみたかった。
老人は最後死ぬんだろうな~という予測はなんとなくついていたけど、少年たちが老人と知り合ったきっかけが老人をヒューマンウォッチングしていたから、しかもその観察が「あの老人はいつ死ぬのか、死ぬ瞬間を見たい」という不謹慎ながら子供らしい動機だった、という伏線が見事に回収されていてよかった。 まさか本当に仲良くなった後に死ぬとは思わないだろう…主人公三人は。
三人がスポーツ合宿から帰ってきて、おじいさんに合宿のことを報告するぞ!と来た時にはもう老人は亡くなっていた、という流れが残酷すぎる。けれども、おじいさんは元妻に遺産を残すと遺言書に書いていた。この元妻は合宿に行く前の三人がこっそり会いにいったわけだが、本当にやるのかと笑ってしまった。小学生の行動力すごい。 元妻が老人のことを覚えていないのが、単純に認知症なのか、別れた後に顔を合わせることがなく彼女の中で死んだことになったのかが曖昧になっているところもまた巧いなと思う。
副題の「The Friends」は主人公三人同士のことでもあり、仲良くなった老人のことでもあるんだろうな。老人が亡くなった後に中学の進路が全員違う三人がさよならみたいなやりとりをするのが「別れ」の話だよなと思った。 言われてみれば、主人公のうち一人の祖母の葬式から始まるので、「別れの話」であることは暗示されていたかもしれない。
新潮文庫版の表紙を見たときは何かと思ったが、老人を見る主人公三人…ってことだよね?
