階段の踊り場

勘違いが多い。我ながらこれまでの人生で、何度もくだらない勘違いをしてきたと思う。

このサイトでは、私がしてきた勘違いをいくつかエッセイとして書き記している。「同じ苗字の人同士が結婚するのだ」とか、「祖父母の家にあった毛皮は飼われていた犬のものだ」とか…。割と社会の仕組みから、個人的な内容に至るまで、色々なことを誤解したり思い込んだりしてきた。

今回の話も、そうしたくだらない勘違いの一種である。

階段の踊り場というものがある。階段を上がった先にある小さなスペースのことだ。今ではわかる。見くびらないでほしい。

でも、私は長らく階段の踊り場のことを、本当に踊りを踊る場所だと勘違いしていた。誰にも言わなかったから、この誤解が解けるのもかなり時間がかかった。

「階段に踊りを踊るスペースがあるなんて…でも、階段にそんなスペースあったかな。踊っている人なんか見たことないぞ」と一人で疑問に思っていた。

「階段で踊りなんか踊ったら危ないんじゃないか…」という漠然とした不安も感じた。

中学、高校あたりでどうやら階段を上がったところの小さなスペースが踊り場だということに気が付いた。なんとなくみんなの会話から、そうなんじゃないかということに思い至ったのだ。

階段の上の小さなスペースが踊り場だとわかったとしても、私はまだ「この小さなスペースで踊りを踊るのかな…危ないなあ」などど長い間勝手に心配してきた。

私の心配とは裏腹に、そのスペースで踊りを踊る者は誰もいなかった。

正直、そのスペースで踊られたら危ないどころか邪魔である。たくさんの人たちが行き来する場所なのだ。もしも踊りだしたら、先生に大目玉をくらうしみんなからひんしゅくを買うだろう。

そういうことは理解しつつも、ではなぜ階段の上にある小さなスペースが踊り場なんて名前なのかがわからない。

「踊りを踊らないのに踊り場なんて変なの」とずっと不思議に思っている。

生活に支障が出るくらいの疑問ではないので、日々に埋没しがちだが「どうして階段の上の小さなスペースが踊り場というのか、誰でもいいから教えてほしいな…」と思う。

ネットで調べることもできようが、そこまでいつも気になっているというわけでもない。

でも、もし将来甥や姪が生まれたとして、彼らに「どうして階段の上の小さなスペースが踊り場っていうの?踊るところなの?」と聞かれたら答えられる自信がない。

叱られてもいいから、チコちゃんにでも教えてもらいたい。

ボーっと生きてます。

終わり

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テオ

はじめまして。テオと申します。自閉症スペクトラム障害(ASD)です。主に物語とエッセイを書きます。よろしくお願いします。

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