キミのいる世界 ~present from the sky~ #7

#7   「理解者」

しばらくして、異常予報の警告が解除された。
避難所にいたみんなはそれぞれの荷物をもって漸く帰れることになった……
息子を引っ張りながら自分の車が置いてある駐車場にいく亜堂に
話しかけてくる後輩社員。

課長―、志狼くん。良かったら自分の車にのりませんか?
お宅まで送っていきますよ!!

新木!助かる、駐車場に行こう・・・

お願いします!新木さん

了解っス!!んじゃ、自分の車へGO~!!

新木武久  父さんの右腕と呼ばれる優秀な人物
この人との付き合いは長いので、信頼しきっている。

駐車場にて_____

3人は車に乗り、シートベルト着用後発車する。
車内で異常気象発生源についての話題になり
亜堂は一瞬顔色が悪くなる。

それにしても、変っスよね~。
昨日まで何もなかったのに
いきなり震度4の地震が起きるなんて………

あ、ああ・・・・・・・そうだな・・・

ま、課長も志狼君も社員の人達も無事だったんで良かったんスけど!!
課長の奥さんの安否とれてないんでしょ??

そうだな・・・・連絡はとったんだが・・・・

心配ですねー。

その話題が尽きることはなく、タイミング的に話すなら・・・今だ!!
そう思った志狼は話そうとする・・・。

あ、あの・・・!
じ、実は・・・発生源の原因は・・
げほっ・・けほけほ

し、志狼大丈夫か・・・・?

話そうとした志狼は、咳き込んでしまう。
ずっと咳きが止まらず何もできない・・・
原因を知っている父親は、異常なほどの過保護になり志狼の背中をさする・・。

課長、志狼くんのいまの容態って・・・まさか・・・例の?

ああ・・・石のせいだ・・・

行先を自分ん家に、方向転換します!!
まず志狼くんを安静にさせないと!!

そのほうがいいな・・・。
すまない、新木・・・

いえ、全然!!
俺らと課長ん家の付き合いっしょ??

恩に着るよ・・。

山路家から新木家に行先を変更し、華麗なるドライブテクニックを魅せて
車を走らせること20分後_____
目的地の新木家に着いた。

駐車場に車を停めて、気分が悪い息子を抱えて新木家に入る。
新木がカギを回した瞬間・・・・
家の方から

トントントントン・・・・・・・

という、足音がこちらに向かって近づいてくる。

パパーお帰り!!

源太、ただいま!!いい子にしてたな♪

うん、ボクいい子にしてたよー!!
あれ?パパ・・・
シロたんとパパの友達がいるね?!

ああ、志狼君は具合が悪いから
しばらく落ち着かせるために
泊まらせることになったんだよ!!

そーなんだ!!
ボク、シロたんのかんびょーする!!!

ありがとうな!!

シロたん、こっち・・・

うっ・・・・ありがとう・・源太くん

新木源太
新木武久の息子。
源太は、志狼を寝室まで案内する。

そうだな、志狼の容態が通常に戻るまで
しばらくココで 休ませてもらうよ・・・。
俺は妻に連絡してくるから一旦外に出るよ

分かったっス!!気をつけてくださいよー!

ああ

あなたーー?あなたなの・・・??

ああ、いま新木の家にいる。
志狼が車で気分を悪くしてしまってな
しばらくこっちに住まわせてもらうから・・
心配しないでくれ

わかったわ・・・。
あなたも志狼も無事でよかった・・・

そっちの様子はどうだ・・・??

庵ちゃんがベットの下敷きになったの、
痕は残ってないけど
痛そうだから寝かせているわ

そうか、何かあったらいつでも連絡してくれ

わかったわ・・。あなたも、志狼もね?

妻の安否がとれて、ホッと胸を撫で下ろした亜堂だった。
電話が終わり新木家に戻ると・・・
源太と志狼の声が聞こえなかった・・・。

新木―、2人はどうしたんだ?

課長、お帰りなさいっス!!源太なら志狼君が熟睡したのをみて
そのまま添い寝してしまいましたよー。

そうか、ならタイミングがいいな・・・

そうっスね・・・・

お前も知っている通り
今回の地震発生の原因は、志狼だ・・・。
だが、今回地震が起きていた時刻と
志狼1人では現象が起こらない・・・
何か見落としてる・・・・

その時刻って・・・・?

俺たちが、プロジェクトの会議をしていた
15:00だ………
その時間志狼は自分の部屋で仮眠してる頃。
いつもなら・・・・何もおこらない・・・

となると、その時間に・・・
志狼君の部屋に誰かがいたってことっスね?
そして・・・志狼くんの身体に危害を加えた

あぁ、俺はその子に心当たりがある・・・。
いま、その子は妻と一緒にいるはずだ・・。

じゃあ、その子にも・・・
話しておくべきっスね・・・・

ああ・・・

志狼くんが、普通の身体じゃないってことを・・・

新木と亜堂は、その人物に会って志狼の身体のことを
話そうと決意した。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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