長年、東京で官吏として働いてきた。
ようやく十分な金が貯まり、ずっと夢だった別荘を建てるときが来た。
私の生まれは地方の片田舎で、青春の大半をそこで過ごした。
この懐かしい思い出の地に、家を建てよう。
それからしばらくして、無事別荘が建った。
計画通り建つか不安もあったが、何も出なくて本当に安堵した。
今日は、私と君だけの家が生まれた日。
このめでたい日を共に祝おう。
私は君に誓う。この場所に、骨を埋める覚悟だと。
暗い暗い闇の中。
深い深い土の底。
もう何年、こうしているのかもわからない。
肉はすでになく、骨すらも粉々に砕けている。
急に重みが乗ってきた。
私ひとりではとても支えきれない大きい重み。
上から、楽しげな笑い声が聞こえる。
よく覚えている声、決して許すことのできない声。
かつて愛した者の声。
