レイン

や。どうも。やっと戻って来れた。やっと帰って来れた、この部屋に。
なんで取調室に前呼ばれたのかがちょっと疑問っていえば疑問だけど、
この部屋行くのめんどいからって署に呼ぶなよ、生みの親をさ…。
あと、ワイを便利グッズ扱いせんでもろて…。

で。

本人には陰で連絡を付けたのでもういると思うけど状況が状況であんまり時間がないらしい。
まあ1時間半程度ならギリって言ってたし平気やろなとは思うけど。
いるのか?

🚪『―――』

あ、いない…。まだいない…。場所が場所だしここに来るのにも時間が掛かるんだろな、きっと。
いろいろ聞きたい話もあるんだけど…

🚪『―――』

いない…!?(笑)

いや分かるよ、遠いのは。けど車だしすぐに…

『―――⚡⚡⚡⚡』

…来た。やっぱ時間掛かるんだな、それなりに。

『―――お邪魔しま~す!🚪(開)』

主『いやノックしろや』

主『勝手に入んなや』

オルペ『あはは、ごめんごめん(笑)』

オルペ『主さんの部屋だし、勝手に入っちゃおうかなぁとか(笑)』

主『君の事務所に知り合いがノックなしで入ってきたらどう思いますか?』

オルペ『まあ嫌だけど…。でもほら、主さんと私たちは見知った関係というか…』

主『見知った関係だからといって何でもしていいわけじゃないお』

オルペ『う、うん…。そうだよね、ごめん』

オルペ『ユーリちゃんの事務所に行く感覚で、つい…(笑)』

主『…まあ今日だけな』

主『次からは気を付けろなのだ』

オルペ『うん、分かった!次からはちゃんとノックして入るね、マナーだし!』

主『善哉』

オルペ『…あ、そうそう。私に聞きたいことって何?』

オルペ『付き合いも長いし今更聞くことはないと思うけど…』

主『これからあいつと走るやろ』

オルペ『?』

主『車種で言うと赤いS14』

オルペ『ああ…セブンちゃんのこと?』

主『そう』

主『さっきパソコンから走り見てたとか云々の話してなかった?』

オルペ『うん、もちろん』

オルペ『一緒に走る前にお互いの走りをチェックしようって話になって、私、セブンちゃん、の順で
軽く一周してきたんだけど』

主『…どないや雨の高速は』

オルペ『う~ん…視界も悪いし路面が濡れてるからタイヤも滑るし…正直走りにくかったというか…』

オルペ『今は霧がかかって雨雲が濃くなってるから、余計に気を遣わないといけないのが
ちょっとなあって』

主『昼なのが幸いしたのかな』

オルペ『?』

主『夜だと余計に視界悪くなるし』

オルペ『あ~、今の時点で夜と変わらないレベルなんだけどなぁ~(笑)』

オルペ『雨雲も濃いし、何なら事務所に来た時よりも暗いと思うよ?』

主『まあな~…』

主『晴れと違って限界まで攻められへんやろ』

オルペ『うん、だからいつもと違って軽く流す程度に留めたんだよ』

主『…これがほんとの『軽く流す』やぞ所長…』

オルペ『あ、あはは…。あの人は車種が車種なのと『普通』が『普通』じゃないから
あんまり比較にならない気がするけど…(苦笑)』

オルペ『それで、帰ってきてセブンちゃんの走りをパソコンから見てたんだけど…』

主『…まさかリアタイ?』

オルペ『うん、何ていえばいいかな…。レコーダーみたいな?』

オルペ『設定をちゃんとすればその子の走りをリアルタイムで見られる仕組みになってるんだよ』

主『ハイテクすぎんか』

オルペ『それで、セブンちゃんの走りを見たら…』

主『…ヤバい?』

オルペ『うん…。ちょっと…次元が違い過ぎたというか…』

オルペ『ほら、私たちはいつも晴れた日の夜中に走ることが多いじゃん?』

オルペ『だから普通に攻められるわけだし』

主『まあな』

主『…え、そんなにヤバいん?』

オルペ『そんなにヤバいからビックリしてるんだよ!?(笑)』

主『めっちゃ簡単に説明して』

オルペ『か、簡単に!?うーん、そうだな…』

オルペ『私たちが晴れた日にするいつもの走りを雨でやってる、みたいな…?』

主『じゃあ速度とかもそれなりに出てるんだな』

オルペ『たぶん、いつもの私たちと変わらないくらいには出てるんじゃないかな』

主『…おっかないぞ雨の日は』

オルペ『私もユーリちゃんに言われたなあ…。雨は視界が悪くてタイヤもよく滑るから危険だって』

主『でもいるやん今』

オルペ『ユーリちゃんから秘技を教わったので?(笑)』

主『まあそれはあとで詳しく話してもろて』

オルペ『あはは…そうだね』

オルペ『それにしてもほんとに凄かったなぁ…。攻めてるんだよ、間違いなく』

主『そんな速度で行ったらスピンせんか?』

オルペ『うん、私も思った!けど…』

主『けど?』

オルペ『…雨であれだけ速かったら、普通に晴れの日でも本気出せそうなのになっていうのが…』

主『出せないんだなあ』

オルペ『いやなんで!?(笑)』

主『そのほうがかわいい(直球)』

オルペ『っ……うーん、でもなぁ~……』

主『雨には自信があるって本人も言ってるしマジで得意なんやろ』

オルペ『いや、にしてもだよ!』

オルペ『雨であのキレはなかなか出ないって!』

主『…晴れの日に君らがする走りを雨でやってるって時点で相当速いと思うんだが』

オルペ『だよね…まあ私もこれから走るけど』

主『条件は』

オルペ『勝ち負けはアリでセブンちゃんが前で私が後ろ…』

主『雨が得意だからって先行は草』

オルペ『やっぱり主さんもそう思うよね!?』

オルペ『条件決めようって話になったと思ったら『私が前ね☆』とか言い出すし…』

主『一種のイキりに近いもんを感じるけど腕はめっちゃ良いだろうからイキってはなさそう』

主『ただ晴れの日に本気が出せないだけで(笑)』

オルペ『そう聞くと確かに可愛く思えてきたかも、セブンちゃん…』

主『結局条件はどないなったん』

オルペ『あ、そうそう!お互い一周したあとに決めようって言うから私もそのつもりでいたんだよ』

オルペ『それが事務所に帰ったら『高速の駐車場で決めよう!』とか言って先に行っちゃうし…』

オルペ『完全にあっちのペースに飲まれてるっていうか…』

主『見てほしいんでしょ』

主『自分の走りを』

オルペ『それで私を後ろに付けたの!?(笑)』

主『そうじゃなきゃ自分からこんなグイグイ来ないでしょうが』

オルペ『そっか…。セブンちゃんがそう言ってるなら私も全力で応え―――』

主『スピンすんなよ』

オルペ『うん!そこは大丈夫、なんだけど……』

主『本気で行かなきゃ置いていかれるとか思ってんじゃないの?』

オルペ『あ~…バレたか~…』

主『FDが泣くぞ』

オルペ『う~ん…まあ、頑張ってみるよ』

オルペ『せっかくマイナーチェンジしたのにスピンしたらまた走れなくなっちゃうし』

オルペ『やっぱり軽く流す程度に留めるしかないのかなぁ…』

主『まああいつも馬鹿じゃないと思うしそこら辺は考えてくれてる…と良いけどね』

オルペ『えっ!!!?』

主『天命天命』

オルペ『いやちょっ…!?』

主『もし置いていかれたらアドバイスもらえば良くない?』

オルペ『アドバイスって…』

主『どうやったらそんな攻められんのって』

主『横に乗っけてもらってさ』

オルペ『あ~…』

オルペ『そう考えると確かに不思議なんだよね~…。S14って本来は雨には絶対向いてない車種だし』

オルペ『FR(後輪駆動)だからちょっと踏むだけでリアが出てそのままスピンするみたいな…』

主『でもしないんでしょ?』

オルペ『うん…。まあ、だから条件を呑んだんだけど』

主『吞んだんかいな』

オルペ『だって気になるじゃん、本来雨に不向きな車種をどうやって手懐けてるのか…』

オルペ『後ろからセブンちゃんの走りを見れば、速さの理由が何とな~く分かってくるんじゃないかなあって…』

主『分かったからって全開にせんようにな』

オルペ『いや、しないしない!!絶対スピンするし!!』

主『ほんとに?』

オルペ『しないってば!!晴れよりも雨のほうが怖いんだから!!』

主『セブンと走ったあとにユーリと走るのか…』

オルペ『うん、夜にね』

オルペ『それ

オルペ『それくらいには雨も止むみたいだし?』

主『雨雲濃いんじゃないの』

オルペ『今だけかもよ?(笑)』

主『だといいけど』

主『取りあえず頑張ってもろて』

オルペ『頑張るって…。今の場所にいられなくなるから思い出作りにって
高速を走ってるんだけどなぁ』

オルペ『もちろん新しい場所に行ったらまた依頼を受ける感じになると思うけどさ』

主『👍』

主『あ、ところでその新しい場所にはもういつでも行けるようになってるんでよろしく』

オルペ『そうなの!?じゃあ今から行ってもいいかな!?』

主『いや9/30までは今いる場所にいてくれよ』

オルペ『あ、あははは…うん、そうだね!』

オルペ『依頼は今だけ受けられないけど、逆に今が一番みんなと走れる時間だし!』

オルペ『ちょっと早いけど、今までありがとう!』

オルペ『新しい場所に行っても、私たちのことよろしくね~!』

主『…なんか終わりっぽいけどまだ終わりじゃないからな!?』

オルペ『あははは、もちろんもちろん!(笑)』

オルペ『まあ、あと30日もないけど…たくさん思い出が作れればいいな!』

主『…ではな』

オルペ『ん?』

主『いや時間』

オルペ『あ、あっ!!そうじゃん、時間決まってるんだった…!!』

オルペ『取りあえず、呼んでくれてありがとう!』

オルペ『じゃ、また明日よろしくね~!』

🚪『(バタンッ)』

主『………え、まってまた明日?』

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ワタル

音楽とゲームが好き(ちなみに音感あり)

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