Cross Over Is Like #06
2022年8月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
DS山村美紗サスペンス 舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル
Continuation from last page. 06-4
古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル
テクモよりニンテンドーDS用に発売されている、 サスペンスドラマ風の推理ADVゲーム『DSサスペンスシリーズ』の第二弾。 別名、推理パートBGMが良すぎるシリーズ。RPGラスボス戦並みのがポンポン流れる。
第一弾・第三弾のDS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズとは異なり、 既存の山村美紗作品の人気主人公3人がそれぞれ難事件に挑むオムニバス形式。
「祇園舞妓小菊シリーズ」の小菊、 「キャサリンシリーズ」のキャサリン、 ドラマとしては「赤い霊柩車」のタイトルで有名な「葬儀屋」の石原明子が、 それぞれ主役となって事件を解決に導く。
これらの世界観は共通しており、 ある主役の話で別の主役が顔見せするシーン等もある。
それぞれ名探偵が助力してくれるとは言え、 ほぼ同時期に三件の(連続)殺人事件を抱える羽目になった、 狩矢警部を含む京都府警の方々の苦労が偲ばれる。
だが、いまいち頼りない『狩矢警部』は『かたせ梨乃』のキャサリンの時ぐらいである。(狩矢親子シリーズだと親バカ色が強い)
赤い霊柩車版の若林豪や狩矢警部シリーズ版の船越英一郎の時に素人探偵の助けがいるかは疑問。
冷静に考えてみると、ドラマ化した場合、 それぞれの主人公の傍に『山村紅葉』が演じるキャラが居るので、 同時に三人いる事に。影分身か何かだろうか。
共演ゲームの割にクロスオーバー要素は多くない。 別主人公の事件の被害者の遺言を友人だった石原葬儀社の秋山が預かっていて、というのぐらいだろうか。石原ルートのキャラデザはドラマ版の『赤い霊柩車』シリーズの印象を絶妙にゲームに落とし込んでいる。
石原明子の『片平なぎさ』感は抑え気味だが、秋山さんは割とそのまま。一方でキャサリンは設定は外国人かつ記者で原作準拠なのに見た目の印象は、何故か『かたせ梨乃』に寄っている。つまり、濃い目の美女。
ゲームシステム
操作やシステムのチュートリアルとなる、 「プロローグ 狩矢警部の休日」(続々と三人の主人公に遭遇する話)をクリアした後、3人の主役達の物語を選択して進める。
物語は3つとも独立しており、どの物語からでも自由に始めることができる。
おまけには京都に関するクイズを集めた「スタンプラリークイズ」や、物語の中で登場する単語に関する雑学を解説する「雑学手帳」等がある。 割とガチな難易度の京都クイズなので、 恥ずかしながら、京都検定持ちの母に頼った事がある。
因みにストーリー途中の合間(章間)では、 作者をデフォルメ化した『美紗ちゃん』が登場。
発売時、既に故人だったので天界?からプレイヤーを見守っている設定。 それでいいのだろうか。京都クイズの案内は、作者の実娘で女優の『山村紅葉』をデフォルメした『紅葉ちゃん』がしてくれる。 リアル路線なので、どちらも微妙に可愛くない。愛嬌はある。
因みに西村京太郎サスペンスの方には同じ様に『京太郎くん』が登場する。
京都クイズや雑学手帳があるからか、 DS西村京太郎サスペンスにあった“West Village”※の様な短編推理クイズ集はこの作品には無い。
こちらの利点は、気づけば京都に詳しくなる事と再プレイの時、やりたい主人公の話だけプレイすればいいので短時間で済むことか。
※昨今の配信系の短編クイズゲームのはしりの様なスタイル。事件内容は長編にはならなかった、西村京太郎のトリック集に近いが質は粒ぞろい。
後述
ドラマ媒体にしろ、ゲーム媒体にしろ、推理ものとして見た場合、歯応えやら、難易度とは無縁で方向としてはキャラ物という評価になってしまう。
そもそもサスペンスドラマというのは、そういうものなので問題は無い。むしろその土俵でどれだけ読者なり視聴者なりを楽しませるか、という話だと思う。
西村京太郎にしても山村美紗にしろ、彼らが生み出したキャラクター達は単独では勿論、共演しても魅力的だ。
両氏とも既に他界してしまった以上、 新キャストでのドラマ化以上の展開が望めないのが残念でならない。
END.
