夏の日の淡い香り その10

と、僕と架瑠ちゃんはぶらぶらと街を歩きながら喫茶店を探した。

仕事以外で女性と二人並んで歩くのは何年振りだろうか?と、ふと思いながら、架瑠ちゃんの方を見てみる。

すると、架瑠ちゃんは僕の視線に気づいたのか数秒後にきょとんとした表情でこちらを見てくる。

ずっと見ていて飽きない顔だと僕は思う。

歩いている途中、朝以来煙草を吸ってないことに気づいた。

そういえば架瑠ちゃんは煙草を吸うのだろうか?

と疑問に思って聞いてみた。

「架瑠ちゃんて煙草は吸うの?」

「私は吸わないですね」

「良太さんは多分吸いますよね?」

「鋭い。よく分かったね。」

「ほんの少しだけ煙草臭かったんで。」

「でも嫌いじゃないですよ。」

「煙草の匂い。」

一緒に吸えたら良かったのになと少し残念だったが、女性は出産もあるしやっぱり煙草は吸わない方がいいのかもしれないと思って気持ちを切り替えた。

それから数分後良さそうな喫茶店を見つけて中に入った。

僕はブレンドコーヒーのブラック。

架瑠ちゃんは同じくブレンドコーヒーのブラックにミルクを入れていた。

この際だから聞けることは聞いておきたいなと思って色々質問責めをしてみた。

例えば、

「コーヒーはブラックは飲めない感じ?」

「はい。なんだか胃に直接来る感じが苦手でして」

「これは僕の意見なんだけれど、ミルクを入れても悪くはないんだけど、ミルクを入れるとコーヒー本来のコクとか苦味とかがなくなるから僕は基本的には入れないかな」

「そうなんですね。」

「後、市販のコーヒーを匂いだけで効きコーヒーできる特技がある」

「それは凄いですね。今度実験してみてもいいですか?」

「私が勝ったら罰ゲームですよ。例の奴。」

「お姫様抱っこ?」

「はい。今度は左手で私の身体を支えるお姫様抱っこ」

僕は正直苦笑いしながらこう聞いた。

「架瑠ちゃんて甘えん坊屋さんなの?」

「普段はツンツンしてる事が多いですが、本当は甘えん坊ですね」

「私街中を歩いていると男の人から声を掛けられる事が結構あるのであまり誰も着ないような服装をして防衛しているんです。」

「一番最初にお会いした時の様な。」

「でも普段は今日着ている様なお洋服が好きなんです」

「架瑠ちゃんは美形さんだからね。色々大変なんだね綺麗なのも」

そう僕が言うと架瑠ちゃんは少しだけ照れくさそうにして無言になった。

僕は本題に入った。

「ねぇ。例のお兄さんの件ってどういう事なの?」

すると架瑠ちゃんはこう言った。

「まだ申し上げられません。」

そして僕はこう言った。

「何か特別な事なの?」

「はい。」

その11へ続く。

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花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

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