「番外編 花弁の行方」#4

光がない…… あの日からずっと

暗く狭い場所にママは閉じ込められて

花が沢山添えられた。

「紬ちゃん…早すぎるよ…」

「七五三の時に居なくなるなんて…」

「つらかったね…苦しかったね…楽になって」

パパがママと呼ばれる人に花を添える時

私を連れて泣いていた。

「あとは全部俺に任せて……いいから…

紬……こんなかたちでお別れなんて………

エマはお前のこと…忘れてしまったよ…」

私も小さい花を何個か添えた。

ママの身体にそっと触ったら自然と涙が出てきて

「冷たい……」

気づいたら私はそう言っていた。

その言葉を聞いた周りの人は静かに泣いている

身体に触れた途端…なにかが私の頭の中を駆け巡り

「…っ……うう…」

「エマ⁈」

「どうしたの?」

「頭が……痛い……」

私は頭を押さえつけ苦しみもがき悲鳴をあげた

脳内には、ママとの思い出が蘇ってくる。

「エマが大きくなったらね」

「いつか、大切な人ができたら

ママにも紹介してね。」

「成人式はみたいな~」

「私はあなたを生んでママになれて幸せよ。パパと頑張ってね」

数々の思い出たちは

しっかりと存在している。

7年間の記憶にいっぱい

ママは存在してる

「エマ、泣いてる…のか?」

「パパ、私思い出したよ

ママのこと」

「ほんとか?良かった、良かった」

それからは、パパが

周りの人に説明して

火葬の時間を遅らせた。

ママとの記憶を思い出した

私は泣きながら話す

「どうしてあのとき、私を庇ったの?」

3日分の喪失

失ったママ

3日前のことを思い出し

ながら私は語る。

「生んでくれてありがとう」

その言葉を最期に

パパと代わる。

周りの人も言いたいことを

言って色紙や花を飾って

火葬が始まった。

#4 さよなら

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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