碧い栞と王子様#6

【夢の扉を叩くオト、ノックする手は誰のもの?】

こんな本持ってたっけ?

見覚えのない表紙、小説タイトル、帯
詩織はどれを目にしても記憶になかったが
気にしている時間も惜しいので掃除に専念した。

ピンポーン

シオリーン!!

き、きだあああ!

慌てながら片づけをして、家に親友を迎え入れる。
部屋に案内するとガタガタと階段を降りつつ
飲み物の準備をする。

全く、あわてんぼうなんだから・・・・
今日の私はお客様なんだし堂々とゆっくりしていこうじゃないの!!
どーれ、最近シオリンが読んでいるラノベコーナーはココかぁ…………
あ、これ私の勧めた本じゃない!!ちゃんと読んでくれてるんだ・・・

亘理は、詩織が読んでいるラノベを取り出すと同時に
その本に挟まれていたメモをぶつかった拍子に剥がれ落ちてしまう。

なんか落ちた・・・メモ・・・?用紙・・・??

そこに書いてあったのは、形見のリボンを拾ってくれた人物の目撃情報がびっしり、と
亘理が薦めたコミックの発売情報が細かく書いてあった。

あの子のことか・・・名前と連絡先聞いておけばよかったな・・・

亘理は、優しい顔になりつつメモを見て戻ってきたら
いち早く話すネタにしようと決めていた。
メモの裏側をなんとなくめくると、そこには

『本界に行く』

と書いてあった。

なんだろう?後できいてみるか!

特に気に留めることもなく、あんまり考えないようにしてたが
ずっと疑問に思っていた。

おまたせー!!最近できた駅前のケーキ一緒にたべよ~

あー!それ、気になってたやつ!!

お客さんだから亘理好きな方えらんで♪

いいの?!迷うなぁ、じゃーあ今日の気分はシャインマスカットで♪

私はモンブランね♪

女子会はそのまま時間を忘れるほど進んでいき
最新のオススメラノベ情報から常連さんの目撃情報へ
話は点々と変わる。

シオリンにオススメしたいラノベあるの~

どれどれ??

魔法少女がヤンデレで困ってます!!ってきいたことある?

あー!確かそれ、アニメ化決定してるやつ?

そうそう!主人公の声が遊女観あんどうさんなんだよねー!
あの優しい声色めっちゃ羽亞兎君にあうよね~

それ、わかるぅ~!羽亞兎君は絶対、あんどうさんか恐田流さんだと思ってた!!

わかるううう。まほデレ知ってるならこっちはどう??

どれどれ??

普通の俺の周りが普通じゃない件

あーー。それ、日常ラブコメだと見せかけてグロいやつやん

そうそう!シオリンぐろいの平気だっけ?

めっちゃ好き!!

さっすが、親友!!いぇーい!!

いぇーーい!!

ラノベトークをしながら、詩織は忘れずに勧められたラノベ情報を
最速で書き写す。書き写しが終わるころ、見計らって亘理は話題をきりだす。

そういえばさぁ、詩織のリボン見つけてくれた人名字だけわかったよ

え、ほんと・・・??

うん、お客様情報だから下の名前は店長に聞いても教えてもらえなかったけど
その人が予約している本があってね?名字だけ知ることができたの

なんて人?お礼言いたい!!

二前さんって言うんだって・・・

名前がわかると、メモの新しいページに“リボン見つけてくれた人、二前さん”と項目を
追加した。

その時の二前____


ぼくの名前は、二前洸。このまえずっと、気になっていた女の子のリボンを
拾うことができたが残念ながら会うことは許されなかった。
彼女の親友という、ここの店員さんに会えてよかった。恐らく、もう行き渡っただろう・・
これで、ぼくも安心だ。ところで、ぼくは彼女のことが好きだ・・・・
ずっと図書館で見ていたけど話そうと声をかけようと思ったけど
彼女を目の前にすると声が出なくなってしまう。本当はいろいろ話したいのに・・・
今日は最新のラノベが追加されると聞いてきたが、いつもの店員さんは居ないらしい。
・・・?!!これは・・・、あの時彼女が鞄に入れていたラノベ・・・??
よし、これも買おう。


あんたの部屋、随分変わったよね??

そう?そういえば最近模様替えしたんだった

なんか、ラノベだけで埋まってる気がするわ・・・

読書家の私っぽいでしょ?新作はこっちで、名作はこっちなの

久しぶりにシオリンと色々話したいから今日泊まっていい?

もちろんよ!!

その日、両親は帰ってこないため
親友と一夜を共にしながらラノベトークやら怪談やら
いろいろ話してた。

シオリン、ありがとうね~!また女子会しよ~

喜んで!!

それから、コレ大事にするわね♪

亘理にしかあげてないんだから大切にしてもらわないと!

嬉しいわ!!それじゃあーねー

親友が帰っていくと脱力し、しばらく階段に登るのを躊躇していたが・・・
例のラノベを読み進め本界に行くことを目標にして
階段をのぼりきる。
部屋に着くと真っ先に、ラノベを手に取り

さぁ、久しぶりの本界だぁああああ!

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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