碧い栞と王子様#18

え、なにこ………れ?

何が起こったのかわからない……
私は木時と合流して…それから…
意識が…………遠のく

あなたが悪いのよ?

詩織はその場で倒れ込む
真っ赤に染まる地面と詩織の身体
人通りの多い場所のため通行人の悲鳴とざわめきがどよめく

だ、大丈夫ですか?

救急車を呼んで下さい、俺は警察を呼びますので

わかりました!もしもし…

木時が警察を呼び終わると女は取り乱し発狂する
通行人は救急車が来るまで待つと言ってくれたが
須藤がやんわりと断り現場には当事者のみが残った。

45分後に救急車来るそうです

ありがとうございました!

一礼すると通行人は去っていき
救急車が来るまで須藤が精霊のチカラで治癒をしていく
すると背中から溢れ出る血の止血に成功。

詩織は?無事なのか?生きてるのか?

心の臓は動いてる、今は流れ出た血が多いため意識不明だ

…生きてるみたいで一安心だ………

余は、できる限り治癒をしておくからお主は妹と話すといい

ああ…桜火………お前、自分が何をしたのかわかっているのか?

私は悪くない!!!!おにぃちゃんが悪いんじゃない!!
この女に構ってばかりで、私のこと放置するから!

桜火は激昂しながら兄が悪いの一点張りで
自分と兄だけの世界を語り出す。

私とおにぃちゃんの世界にこの女は邪魔なの
外に出かける度にこの女とあってたんでしょ??
なら私とも出かけてよ!私はいつも狭い家に一人で
それでも帰ってくるおにぃちゃんのために料理を
作ることや洗濯をすることで、どうにかなってた………
でも…それももう限界…おにぃちゃんは私といる時間より
この女と一緒にいるほうが明らかに楽しいんじゃないかって思えたの

最初は桜火の話を冷静に聞いていた木時だが
段々と怒りが込み上げ手を出す一歩前に
精霊のチカラで詩織を癒していた須藤が桜火を攻撃した。

いだぃ…

痛いか?詩織のほうがお前よりもっと痛かっただろうな

わた…わたしは、悪くない………この女が悪いのよ!!!
い、今じゃ…くちも聞けなくなっちゃって、ざまぁみろだわ…

醜いのぅ…今はその口閉じさせてやろう

ゔ…ゔゔゔ

精霊のチカラを膨大に使い桜火の口を一時的に閉じさせた。
やがて救急車は来て詩織を担ぎ2人は乗り込む
桜火は、喋れずにその場で佇み血で汚れた服に
須藤に攻撃された肩を負傷し憔悴しきった顔でいた。
喋れない彼女がメモに残した言葉は“私から兄を奪った女を許さない”だった。

《たったいま入った速報です。中学生が高校生をナイフで刺した
疑いで中学生は事情聴取をされてますが一向に喋らないとの事です。
彼女が持っていたメモ紙からすると、痴情の縺れではないかと考え
られています》

怖いわねぇ…あら?場所も案外近くじゃない?
確か…あそこは、しおりんと待ち合わせ場所に使ってた………
刺された高校生ってしおりんじゃないよね?

ニュース速報を見て亘理は知り合いなのではないかと
疑うが“まさか、ね?”と携帯で見ていたニュースを閉じた。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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