なぜアメリカで日本車が人気なのか
アメリカは日本と比較にならないほどの「超・車社会」です。隣の町に行くまでに携帯の電波すら届かない荒野を走ることも珍しくありません。そんな過酷な環境で日本車は主に4つの理由から信頼されています。
*20万キロ走行しても壊れない「耐久性」:アメリカの人々は、日本の人々よりも約2~3倍も長い距離を走ります。車は「10万マイル(約16万キロ)を超えてから本番」と言われてます。その中で、故障せず走り続けられる日本車(特にトヨタやホンダ)は、命を守る生活必需品として選ばれています。
*家計を助ける『高い燃費性能』:ガソリン価格の変動が激しいアメリカにおいて、日本車が得意とするハイブリット車(HV)は非常に人気です。近年のEV(電気自動車)ブームの減速に伴い、『やっぱり現実的で燃費が良い日本車のハイブリットが一番』と人気がさらに爆発しています。
*売れるときも高く売れる『資産価値』:日本車は中古になっても壊れないため、価値が落ちにくい(リセールバリューが高い)のが特徴です。数年乗ってから手放すときも高く売れるため、結果的にトータルの維持費が最も安く済みます。
*アメリカ生まれの日本車(現地化):実は、アメリカで走行している日本車の多くは、アメリカ国内の工場で作られています。さらに、アメリカの人々が大好きな大型SUVやピックアップトラックを米国専用モデルとして開発しているため、見た目も中身も現地の人々の好みに完璧にマッチしています。
謎の法律【25年ルール】とは何か?
実用的な車として愛される一方で、日本の「古い車」がいまアメリカで異常など熱狂的なブームになっています。それを生み出したのが『25年ルール(25年法)』というアメリカの法律です。
●どんなルール?:アメリカでは原則として、安全基準の違いや環境規則のため、海外の「右ハンドル車」を一般の人が輸入して乗ることは禁止されています。しかし、{製造から25年経った車は、歴史的な価値があるクラシックカーとして扱い、すべての厳しい規則を免除する}という例外規定があります。
●なぜいま大騒ぎになっている?:1990年代~2000年代前半、日本は世界最高峰のスポーツカーをたくさん作っていました。これらが映画『ワイルド・スピード』やゲーム『グランツーリスモ』の影響で、アメリカの若者や車好きの間で神格化されています。25年が経過して「アメリカで堂々と乗れる解禁日」を迎えた車種から順番に、アメリカのバイヤーや富裕層達が日本の中古車を爆買いしている状態です。
謎の法律『25年ルール』と『ワイルド・スピード』の大影響
この法律と大ヒット映画『ワイルド・スピード』の超巨大な影響が合わさり、日本の古い車が「伝説のお宝」として爆買いされています。映画が公開されたことで、アメリカにおける日本車のイメージは「地味な実用車」から「最高にクールなスポーツカー」へと180度ひっかり返りました
日産スカイラインGT-R(R32以降):{ワイルド・スピード}シリーズで、亡くなった主人公の俳優(ポール・ウォーカーさん)が劇中で乗ってた伝説の車です。映画の危険な撮影では、外見だけを「R34型風」に大改造した別の車(スタントカー)もたくさん使われました。これらが25年ルールでアメリカへ輸出できるようになり、今では1台で数千万もの値がつく超お宝になっています。
トヨタスープラ・マツダRX-7:こちらも{ワイルド・スピード}の第一作目や日本が舞台の作品で主役級の活躍を見せたスポーツカーです。映画の圧倒的な影響により、アメリカでは「日本独特の美しいデザインを持つ芸術品」として神格化され、価格が数倍~数千万まで跳ね上がっています。
日本の【軽トラック】(軽トラ):スポーツカーだけではなく、アメリカにはない「小さくて丈夫で、荷物がたくさん積める可愛い車」として、地方の農家やアウトドア好きの間で大ブームになっています。
コロラド州は「10台に1台がスバル」の超・聖地
コロラド州の最大都市デンバーや、スキーリゾート周辺に行くと、見渡す限りスバルの「アウトバック」や「フォレスター」「クロストレック」だらけの光景が広がります。現地では{一家に1台はスバルがある}とジョークを言われるほど、みんなの生活に当たり前のように定着しています。
なぜコロラドの人々はスバルを愛するのか?
理由は、コロラド州の【過酷な大自然】とスバルの【高い技術力】が奇跡的なほど完璧にマッチしたからです。
◎『雪山』をものとしない最強の四輪駆動(AWD):コロラド州はロッキー山脈を抱える豪雪地帯です。スバルの車は、ほぼすべての車種に「シンメトリーAWD」という独自の強力な4WDシステムが標準装備されています。他社の車が雪道で立ち往生する中、スバルだけは平然と雪山を登っていくため、「コロラドの冬を安全に過ごすにはスバルしかないと」と絶対的な信頼を得ています。
◎『アウトドア好き』のライフスタイルに直撃;コロラド州に住む人々は、ハイキング、キャンプ、スキー、マウンテンバイクなどのアウトドア(外遊び)が大好きです。スバルのSUVは、荷物がたくさん積めて、最低地上高(地面からの高さ)が高く、悪路もガンガン走れる為、「彼らの趣味の相棒」としてこれ以上ない存在なのです。
◎『知的で自然を愛する人』:アメリカにおいて、スバルは「高学歴で自然環境を大切にし、お堅い本質的なものを選ぶ知的な人」が乗る車という特別なイメージ(ブランドロイヤルティ)が定着しています。派手な高級車(ベンツ、BMW、フェラーリ)を嫌い、実用性と安全性を最重視する医師、教授、研究職、自然保護活動家などの層(かつてのボルボを好んだ層)にガッチリと支持されてます。
現地のスバリスト(スビー)たちの生態
コロラドのスバリストたちは、独自のカーライフを楽しんでいます。
〇バンパーを外して崖を登る【ガチ勢】も:現地の愛好家の中には、さらに悪路を走るためにフロントバンパーを丸ごと外して改造し、岩場や砂漠のオフロードに挑むような熱狂的なカスタムを楽しむ人もいます。
○「スバルの法則」が存在する:ショッピングモールの駐車場などで、スバル車の隣には自然と別のスバル車が並んで駐車していく「スバルの法則(Subaru Parking Buddy)という現象が、現地のオーナーたちの間で日常のほっこりするお決まり事になっています。
〇すれ違うときの「スビー・ウェーブ」(挨拶):コロラドの道をスバル車(特にスポーツモデル「WRX」など)で走っていると対向車線から走ってきた別のスバル車のドライバーから片手を上げて挨拶(スピー・ウェーブ)されることがよくあります。お互いに全くの他人ですが、「同じスバルを選んだ仲間」というだけで挨拶を交わす文化が根付いています。
今「歴史的な円安」のため、日本にある貴重な旧車(昔の名車)やスポーツカーが海外へと輸出されていく理由
この「25年ルール」に、今の{歴史的な円安}が重なったことで、日本の車好きにとって悲しい大問題が起きています。
●円安のせいで、日本から貴重な旧車がなくなっていく:海外バイヤーから見ると、円安のおかげで日本の車が「いつでも半額セール」で買えるような状態です。そのため、日本人が大切に乗ってきた昭和や平成の名車たちが、海外の富豪たちに片っ端から買い漁れられ、ものすごい勢いで日本国外へ輸出されています。
●日本のファンはもう手が届かい:価格が海外のお金持ち基準(数千万レベル)に跳ね上がってしまったため、日本の普通の車好きが「昔憧れたあの車に乗りたいな」と思っても、絶対に買えない金額になってしまいました。
●自動車盗難の深刻化:アメリカへ輸出すれば一攫千金が狙えるため、日本国内でこれらの古いスポーツカーを狙った組織的な窃盗事件が多発し、深刻な社会問題になっています。
補足 円安ドル高と円高ドル安の違いについて
覚えるための超簡単なまとめ
- 円安ドル高: 海外の人にとって日本車は「激安(爆買いされる)」
- 円高ドル安: 海外の人にとって日本車は「高級(売れなくなる)」
テレビのニュースで「今日は円安です」「円高に振れました」と聞いたときは、この「海外の人にとって日本車が安くなっているか、高くなっているか」をイメージすると、経済の仕組みがとても簡単に分かりますよ!
