衆議院選挙が終わり、維新側から「比例45議席削減案」が出されました。最近では与党もこの案の成立に躍起になっており、メディアでも大きく取り上げられています。 そんな中、X(旧Twitter)などでは「比例代表制なんてなくしてしまえ」という極端な意見をよく目にしますが、私はこれに対して非常に強い危機感を抱いています。
確かに、比例代表制が嫌われる主な理由は、小選挙区で落選した候補者が当選する、いわゆる「比例復活(惜敗率での救済)」に対する国民の不満や怒り(「なぜ落ちたやつが議員になれるんだ」という感情)にあるのでしょう。しかし、だからといって「比例をなくせ」というのは暴論と言わざるを得ません。
仮に、衆議院選挙を「完全小選挙区制」にした場合、以下のような極めて深刻な問題が発生します。
- 大政党・組織票を持つ党の独占 先の衆議院選挙の結果を見ても、小選挙区で当選しているのは「自民・維新・中道・国民」といった特定の政党のみです。これらに共通するのは強固な「組織票」がある点であり、完全小選挙区制にすれば、こうした組織を持つ既得権益側が圧倒的に有利になります。
- 「死票」の大量発生による民意の切り捨て 例えば、ある選挙区に5つの党が立候補し、得票率が以下ようになったとします。
- A党:30%(当選)
- B党:25%(落選)
- C党:20%(落選)
- D党:15%(落選)
- E党:10%(落選) この場合、当選するのはわずか30%の票を得たA党のみとなり、残りの70%の民意(死票)は完全に切り捨てられてしまいます。
現在の日本のように多党化(多様な民意が存在)している社会において、小選挙区制のみの仕組みは明らかに不適格です。
「比例だけを削る」「小選挙区を調整する」といった、その場しのぎのちっぽけな議論ではなく、今こそ選挙制度そのものの「根本的な改革」が必要なのではないでしょうか。
