お盆の日にやってはいけないこと

お盆の時期(一般的には8月13日から16日)は、ご先祖様や故人の霊が我が家に帰ってくる大切な期間とされています。古くからの仏教の教えや地域の風習、忌み言葉(避けるべき言葉)などから、「お盆の期間中にやってはいけない」とされる代表的なタブーがいくつかあります。

水辺(海、川、湖)に行くこと

霊的な面では、「お盆には地獄の釜の蓋が開き、あの世とこの世が近づく」と言われています。この時期に水辺へ行くと、引き込まれてあの世へ連れて行かれるという「足を引っ張られる」の言い伝えは有名です。これは、ご先祖様を迎える神聖な時期に、危険な場所で羽目を外さないようにという戒めでもあります。

現実的な面でも、お盆の時期の水辺はリスクが高まります。海では遠洋の台風の影響による「土用波(突然の高波)」や離岸流が発生しやすく、クラゲの大量発生による被害も増えます。また、山や川では天候が急変しやすく、上流の豪雨による突然の増水や鉄砲水に巻き込まれる危険性があります。

殺生(せっしょう)

仏教には、生き物の命を不必要に奪うことを禁じる「不殺生戒(ふせっしょうかい)」という戒律があります。お盆はご先祖様の霊をお迎えする神聖な期間であるため、あらゆる生命を尊ぶ行動が求められます。そのため、釣りや狩猟、身の回りの小さな虫を殺すことは避けるべきとされています。この時期の生き物は「ご先祖様が姿を借りているもの」という言い伝えもあり、そっと見守る優しさが重んじられてきました。

食生活でもこの精神は徹底されており、伝統的には肉や魚を一切使わず、野菜や豆腐などを中心とした「精進料理」を食べるのが基本です。これらの風習は単なる厳格なルールではなく、すべての命に感謝し、供養に心を集中させるための大切な教えです。現代でも、命の尊さに思いを馳せる良い機会となっています。

針仕事(裁縫)

針で指を刺して血を流すことが、命を尊ぶお盆の時期に忌まれる「殺生」を連想させるためです。また、針で突く行為が「ご先祖様とのご縁を切る」「帰ってきた霊の目を突いてしまう」という不吉な言い伝えにも繋がっています。現実的な背景には、昔の女性への思いやりがあります。年中、家事や縫い物に追われていた女性たちに、「お盆の間くらいは仕事を休み、ご先祖様の供養や家族との時間を大切に過ごしなさい」という休息の口実を作る意味がありました。つまり、不吉な連想や怪我を防ぎつつ、家族で穏やかにお盆を過ごすための優しい教えです。

新しいことを始める・祝い事(慶事)

お盆は、あの世から帰ってくる故人の霊を迎え、家族でもてなす神聖な期間です。そのため、自分たちの喜びや都合を優先する行動は慎むべきと考えられてきました。具体的には、引っ越しや納車、入籍、結婚式、高額な買い物などの慶事は、お盆の期間を避けるのが一般的なマナーです。

こうした慶事を控えるのは、お盆本来の目的である「亡くなった方を偲ぶこと」から意識を逸らさないための先人の知恵でもあります。お盆の間は祝い事を休み、ご先祖様への感謝と供養に心を通わせ、家族で静かに過ごすことが大切にされています。

忌み言葉

まず、「死ぬ」「落ちる」「消える」といった直接的・不吉な表現は避けます。また、「重ね重ね」「度々(たびたび)」「いよいよ」などの「重ね言葉」もタブーです。これらは「不幸が重なること」や「再び悪いことが起きること」を連想させるため、仏前では使わないよう意識します。

お盆はご先祖様を静かに供養する大切な時間です。言葉ひとつにも配慮し、丁寧で前向きな表現を選ぶことが、故人や遺族への思いやりとなります。

まとめ

お盆のタブーは、単なる迷信や厳しいルールではなく、すべてに意味があります。

水辺のレジャーを控えるのは「命を守る安全のため」、殺生や針仕事を避けるのは「全ての命を尊び、忙しい日常から離れて休息するため」という、先人の優しい知恵が込められています。また、祝い事や忌み言葉を控えるのも、ご先祖様への供養に心を集中させ、周囲を思いやるマナーです。

一番大切なのは、形式にとらわれすぎず「ご先祖様への感謝の気持ち」を持つことです。このお盆はタブーの背景にある優しさを意識しながら、家族で穏やかで温かい時間を過ごしてくださいね。

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EASTONE

自然をみるのと安らぎます。

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