平たくてオーブンを使わないケーキ
ウェルシュケーキ。このお菓子の存在を知ったのは、筆者が高校生くらいの時だったでしょうか。
タルトなどのようにバターを粉の中に切り込み、卵と牛乳とドライフルーツを入れてまとめた生地を薄く伸ばして型抜きし、グリドルと呼ばれる鉄板で焼いた、平たいスコーンのようなケーキです。当時は、オーブンを使わずに焼けるケーキは面白いな、と思っておりまして、何度か作ってみました。
ウェールズの名物なので、ケルト文化圏のお菓子という事になるのだと思います。

ウェルシュケーキの画像
ちなみに、「ウェールズ」とは、「よそ者」という意味を持つ単語で、イングランド系の人たちから見ると文化の違うケルト系の人たちが住んでいる土地だったので、こう呼ばれているようです。
ケルト文化圏では、イーストを使った生地が普及しておらず、ショートブレッドやウェルシュケーキのような鉄板で焼いた平たいお菓子がよく作られていました。
そんな背景を知ったのは、かなり年をとってからの事でした。
ウェルシュケーキの文化的背景
読んだことがある文献には、気候が冷涼な土地だったのでイーストの発酵がうまくいかず、平たいお菓子が主流になったと書いてありましたが、もっと寒いロシア文化圏はイーストで発酵させたパンの花盛りという感がある文化なので、定住しないスタイルの生活をしていた人たちが多かった、という背景もあるのではないかと筆者は考えております。
ウェルシュケーキで起こったもめごと
また、最近になって、ウィンブルドンテニス選手権の折に供されるお菓子に、或るお店でウェルシュケーキが挙げられましたが、不評だったようです。
この時期のウィンブルドンの名物のお菓子は、ストロベリー&クリームと、スコーンが定番です。
このニュースについてインターネットで調べてみると、ウェルシュケーキは寒い時期に寒い土地で食べるものなので合わなかったのではないか、というご意見も見られますが、筆者はウィンブルドンのティールームに立ち寄ったお客様方の「保守的な考え」が勝ったのではないか、と推測しております。
皆様も、両方を作って食べ比べてみられて、この議論に加わるのも一興かと存じます。
