障害を持って生きるということ 第7回 前編

こんにちは、ラーメン君です。「障害をって生きるということ」第7回になります。今回のテーマは「パラリンピックがもっと大きくなるために!」です。パラリンピックは、オリンピック終了後に開催される大会ではありますが、オリンピックに比べて、どうしても注目度が低いように感じられます。
パラリンピックがもっと注目を浴びて、本当にオリンピックに負けないような大会になってほしいという気持ちで今回の記事を書きたいと思います。今回は少し内容の多い記事になりますので、前編と後編に分けたいと思います。

1.パラリンピックとは?

身体障害、視覚障害、知的障害の方々を対象とした障害者スポーツの世界大会です。パラリンピックの前身となる大会もあったようですが、正式にパラリンピックという名称で開催されたのは1988年のソウル大会でした(現在では1960年のローマ大会が第1回のパラリンピックとされているようです)。2000年のシドニー大会からはオリンピックと同時期に開催されるようになりました。

2.オリンピックとの比較

1988年のソウル大会からは、オリンピックと同時期に同じ場所で開催されるようになり、近年ではパラリンピックの注目度も高まってきていると言われています。しかしながら、オリンピックに比べるとテレビ中継が少なく、メダルを獲得した選手達のテレビ出演の機会もそれほどないように思います。
ここからは、パラリンピックとオリンピックのメディアの取り上げ方の違いについて書きたいと思います。

■大会が近づくときのカウントダウン

パラリンピックはオリンピックに比べ、開催前の注目度が低いように思われます。例えば、オリンピックは開催まであと1年の段階からスポーツニュースなどでカウントダウンが始まり、1年をかけて競技の説明や注目選手の紹介をおこなうコーナーが設けられています。しかしパラリンピックは、大会の期間中や直前に多少の紹介があるかどうか、というところではないでしょうか。

■露出度の圧倒的な違い

オリンピックとパラリンピックの注目度に大きく差が出ているのは 露出度の圧倒的な違いだと個人的には思っています。ここからは、2つの大会における露出度の違いを挙げていきたいと思います。

・地上波放送の数の違い

オリンピックはほぼ全ての競技が、地上波のチャンネルで生中継されていると思います。どのチャンネルに合わせても期間中はオリンピック一色になると言ってもいいと思います。パラリンピックはどうでしょうか?生中継はほんのわずか、深夜などに録画放送をされる競技もありますが、ニュース番組などで結果などを多少取りあげられるだけといった感じだと思います。

・新聞の一面や雑誌の表紙を飾ることができるかどうか?

特に開催期間中、オリンピックは新聞や雑誌に取りあげられることが多くなると思います。誰がメダルを獲得したのか新聞の一面に掲載されたり、雑誌の表紙にオリンピックのことが書いてあったりすると、それだけで手に取りたくなりますよね?一方で、パラリンピックの取りあげられ方はどうでしょうか?新聞や雑誌を読んでいても、なかなか目立つところにはパラリンピックの話題が載っていないと思います。
このように、「テレビ」「新聞」「雑誌」という目に触れることの多いところでパラリンピックの話題が広がっていけば、注目度も高まっていくのではないかと思います。

3.現地観戦希望率の差がある

*笹川スポーツ財団より画像引用https://www.ssf.or.jp/report/sldata/tabid/1781/Default.aspx

こちらのグラフは、東京オリンピック・パラリンピックを現地で直接観戦したいかどうか調査した結果です。オリンピックに比べて、パラリンピックは半分にも満たない状況となっています。オリンピックの後に開催されていることもあり、オリンピックが終了すると、盛り上がりも落ち着いてしまい、パラリンピックへの関心がなかなか高まらないというのが現状のようです。日本にとって次回のパラリンピックは地元での開催になりますので、パラリンピックを間近で観戦するチャンスだと思います。観戦者が増えることで、東京パラリンピック以降も関心が高まっていく可能性が広がるのではないでしょうか? 

4.実施される競技の認知度について

東京パラリンピックで実施される競技をまとめてみました。皆さんはこの中でどのくらいの競技をご存知でしょうか?私も全ての競技がわかるわけではありません。車いすテニスや、車いすバスケットボールのように、頭に「車いす」と付いているものや、パラバドミントンや、パラテコンドーのように、頭に「パラ」と付いているものがあります。これらは、障害のある選手達が競技を行うためにルールなどが多少異なっている場合もありますが、一般的にもよく耳にするスポーツから容易に想像できると思います。
しかしながら、ボッチャやゴールボールという競技はどうでしょうか?これらは一般的にそれほど馴染みのない競技かもしれません。スポーツは、興味があるものでなければなかなか見てみようという気持ちにはならないかと思います。パラリンピック期間中以外に取り上げられる機会は少ないという現状もあります。

5.パラリンピックの選手たちの現状について

*参考)笹川スポーツ財団https://www.ssf.or.jp/report/sldata/tabid/1781/Default.aspx

上のグラフを見ると、パラリンピックの経済的な事情や、一般的な関心、環境面などにオリンピックとの違いを感じている選手が多いようです。今後のパラリンピックの発展のためには、このような問題の改善が望ましいと思います。

6.厳しい環境の中での選手たちの努力

パラリンピックを目指す選手たちは様々な理由で練習場所などが確保できないという事情があります。そういった中でパラリンピックを目指すということが素晴らしいことなのではないかと思います。
パラリンピックを目指す選手たちが練習環境を確保できない理由としても「障害がある」ということが関係しているようです。

・練習施設を障害があるという理由で、一人で利用できない。
・バリアフリーの環境が整っていない。
・基本的に介助者が必要。
・車いすの利用者の利用実績がないため。

以上のような理由で練習場所が確保できないという選手がいるということですが、障害者である私は、痛いほど気持ちがわかりますし、少し似たような思いをしたことがあります。障害を持っていると、何かあってけがをしたら困るという理由などで、介助者がいないと利用ができないというケースがあります。「自分一人で大丈夫です。」というような言葉で交渉したとしてもなかなか理解してもらうことは難しいです・・・・
それではどのようにすれば、こういった状況を変えられる可能性があるでしょうか?私はパラリンピックの内部事情に詳しいわけではありませんので、私の思う範囲内での解決策ではありますが、書きたいと思います。

■相談支援のスタッフに施設側との話し合いに参加してもらえるようにお願いする。

まずは相談支援のスタッフのサポートですね。練習施設の利用を断られてしまった場合に、できる限り施設の利用が可能となるように、双方が歩みよることができれば良いと思います。一番良い形としては、相談支援のスタッフと一緒に施設に行って、施設側の担当者と直接話をすることだと思います。話をするときに私が考えるポイントをあげてみたいと思います。

・施設が利用できない事情を聞いてみる。

施設側の担当者に施設が利用できない事情を聞いてみるところから始めるのが良いと思いますが、例えばバリアフリーの設備が整っていないことや、介助者(見守り)がいないと難しいというような回答がくることが多いかもしれません。話の中でいろいろと言いたくなってしまうこともあると思いますが、まずは、なるべく施設側の担当者の話を聞くことに専念するような気持ちをもって、施設側の事情も考えながら話を聞いてみましょう。

・施設が利用できないか相談する。

次に、選手側として施設が利用できないかということを施設側の担当者に話をしてみるという方向にもっていきたいところですね。施設側の事情も踏まえながら、相談支援のスタッフに協力してもらい、話を進めるのが良いと思います。特にバリアフリー設備が無くても問題なく動けるというようなことを施設側のスタッフに見てもらえると良いかもしれません。施設内をひととおり歩いて回るなどで判断してもらうというのが方法のひとつですね。また選手側としては、介助者(見守り)の人を実際の利用時に同行できないかどうかということを検討するというのも大事だと思います。

・他の施設を探してみる。

以上のような相談をしても、その施設が利用できなかった場合には別な施設を探すことになると思います。その時のひとつの方法として、相談した施設に、他に利用可能かもしれない施設の情報などがないか聞いてみるのも良いと思います。そこから有力な情報などが得られれば可能性は広がります。そして私が一番思うことは、このように相談してみることで、パラリンピックを目指す選手たちの練習場を確保するための道も広がり、多くの選手たちのためにもとても良いことだと思うのです。

■パラリンピックの支援機関に相談する。

パラリンピックの支援機関もいくつかあるようです。私は一般人ですので正直その支援機関がどのような働きをしているのかはわかりません。ですが、パラリンピックの支援機関であるからには、練習場所の確保や、選手のサポートを積極的におこなって、選手が安心して活動できるようにしていただきたいと思います。

次回後編へ

もともとは一つの記事にまとめる予定でしたが、今回の記事を作成していく過程で、「デフリンピック」という聴覚障害者の方々の大会の存在を知りました。後編では、このデフリンピックのことも考えながら、今回の続きとしたいと思います。
前編の記事はこれで終わりたいと思います。読んでいただきましてありがとうございました。後編も宜しくお願いします。

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ラーメン君

クラッチという杖を使用している身体障碍者です。 記事を書き始めた頃は、自分が思っていることや、障害を持っていることで経験したことを中心に書いていました。 最近は、自分とは違う障害や病気のことなどを取りあげています。 記事を書きながら、自分自身もいろいろなことを知る良い機会になっています。 少しでも多くの方々に見て頂けるような記事を書きたいと思っていますので、宜しくお願いします。

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