THRILL SHOCK SUSPENSE #20
2025年3月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
都市伝説解体センター
Continuation from last page. 20-1 https://no-value.jp/column/104416/
メインキャラクター
福来あざみ
主人公。世間知らずで純粋な犬神大学情報学部の三年生。
念視という、人間の念や場所の記憶などを視ることが出来る能力を持つ。
半ば強引な流れから都市伝説解体センターの新人調査員となる。 擦れていない、純真な性格故に迂闊な行動で火種を生んでしまう事も。
廻屋渉
ミステリアスで飄々とした都市伝説解体センターのセンター長。
千里眼の能力を持つ日本屈指の霊能力者でもある。 足が悪く車椅子生活の為、現場調査はジャスミンとあざみに任せている。
下手な怪異よりも余程、怪異的な人物。
ジャスミン
ツナギとパーカー、お団子頭が特徴的な都市伝説解体センターの調査員。
本名は止木休美。 気だるげな態度を醸し出す先輩キャラ。
何やら、目的があってセンターで働いているようだが……
トシカイくん
都市伝説解体センターのマスコットキャラクター。 ギラついた目と剥き出しの歯がチャームポイント。
ゲームシステム
SNS調査
都市伝説の発生源の噂や事件の情報をSNSで調査するパート。 誹謗中傷や炎上等の解像度が高く、実に生々しい。
検索した話題のタイムラインに投稿されたコメントを調べる(決定ボタン)と、そのコメントへの簡単な感想(ツッコミ)をあざみとジャスミンが述べてくれる。何処に証拠があるのか一見では分からないので、嫌なコメントでも基本的に全チェック推奨。
あざみの念視を使えば、コメント内の重要な単語がゆらゆらと動き、それを検索単語としてリザーブ出来る。噂の広がる方向を追おう。
検索結果が多すぎる時は複数の単語で検索するザーマス。
本筋からの脱線も可能で、事件とは関係のない『都市伝説』について、検索先で知る事も。
現場調査
和階堂真の事件簿シリーズを踏襲した、横スクロールスタイルの画面で主人公・あざみを動かして捜査する。4色しか使用していない、という噂のピクセルアートだが、その表現は豊かでおどろおどろしい。
和階堂とは異なり、キャラクター達の会話時にはキャラの立ち絵が入る。 その会話に合わせて感情豊かに細かく動くのでキャラへの感情移入はしやすい。
ボタン操作(✕)であざみがメガネをかけると念視が発動。 残留した過去の痕跡を目視し、事件の真相への手掛かりを集める。
手掛かりが増えてきたら、あざみが事件の仮説を立てるパートも。複数のワードを選択し、「○○を○○して、○○になった」という様な仮説文を構築する。
ゲーム全体を通して、選択や推理を失敗してもペナルティは特に無い。 ここの場合は、間違っているワードのみに×マークが付く親切設計。 わざと変な仮説を立てても楽しい。
都市伝説 特定・解体
事件の真相へ至るには、まずは事件に関する都市伝説を”特定”する必要がある。そして、特定した都市伝説を元に深く調査を進めて、その背後に隠れていた謎を解き明かす”解体”を行なわなければならない。
センター長の廻屋は、千里眼の能力によってセンターにいながらも、あざみ達の調査状況を把握しており、SNSの情報収集や現場での調査が進行すると、あざみに電話をかけてくる。
事件に関する都市伝説の”特定”に成功し、更に現場調査を進めて手がかりを集めていくと、またもや廻屋から電話がかかってきて都市伝説を”解体”するパートに突入。
この時の廻屋からの電話は、まるで推理小説等で探偵が「すべての謎が解けた」等と言い、登場人物を集めてその推理を聞かせ始める合図を彷彿とさせる。
それだけに「え!? このタイミングで真実にたどりつけたの?」と驚く事も。
特定パート
都市伝説の”特定”とは、現場で起こった奇怪な現象やその情報をセンターにある資料と照らし合わせ、どの都市伝説に符合するのか見極める事。
”特定”できれば事象の原因を把握でき、更なる調査や対策を立てる事に役立つ、という訳だ。
”特定”は、廻屋の質問に答えながら事件を整理していく事で進行していく。
いくつかの選択肢の中から正しい答えを選択しなければならないものの、SNSや現場での調査で得た情報を覚えていれば、さほど難しくはない。
それまでに得た情報、関係する人物の相関図、都市伝説等の詳細が記されたメモを見る事もできる為、情報の整理やADVの推理が苦手だ、という人もスムーズに進められるだろう。
解体パート
解決パートにあたる“解体”も、”特定”と同じく廻屋の質問に答えながら事件を整理していく事で進行する。
都市伝説の特定後に得た情報をしっかり把握していれば、正解へとたどりつくのは難しくないが、選択肢を間違えてもペナルティなく選び直せるので安心。 ギャグ選択肢に惹かれた時は、衝動的に選んだって平気。
それまでに得た情報を振り返りながら推理を重ね、正しい答えを選び続けて都市伝説と事件を見事に一発で”解体”できた時の嬉しさはひとしおだ。
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