LSS #13-3

LATER SEQUELS SERIES #13

2025年3月   後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ   愛及屋烏

マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~(1997)

マリーのアトリエPlus ~ザールブルグの錬金術士~(1998)

マリーのアトリエ Remake ~ザールブルグの錬金術士~(2023)

Continuation from last page. 13-2 https://no-value.jp/column/105565/

概要・3

マリーのアトリエ Remake』はシリーズ25周年記念作品。                                                                                          『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』のリメイク作品。

2023年2月9日の「Nintendo Direct」で発表された。発売は2023年7月13日。

対応機種はSwitch / PS4 / PS5 / Steam。

本作では、ストーリーやゲーム性を大きく変えてしまう様なアレンジは施されておらず、極力オリジナル版を尊重した作りになっているのが特徴。

リメイク変更点

2Dドットだった原作から3Dグラフィックに。

人物はリアル体型ではなく、2.5頭身~3頭身程度にデフォルメされている。

ザールブルグの街や採取場所で移動が出来る様になった。                                                             これにより、素材毎の採取場所が設定され、余ってる素材は無視して特定の素材だけ集める、という事も可能。

なお、従来の形式による素材の採取は「簡易採取」という形で採用されている。

シンボルエンカウントを採用し、敵モンスターも採取場所内ではシンボルとして登場する。杖を振って先制攻撃を行うことも可能。                                                                  戦闘を行った場合、素材は「簡易採取」の形式で入手した扱いとなる。

メニュー周りのUIの刷新。

イベントの発生状況や発生条件を確認できる「思い出」や、各種行事・妖精さんの仕事状況を確認できる「予定表」が追加されている。

時間制限の無い無期限モードが追加された。                                             ただし、発生期間が設けられている一部のイベントが発生しなくなる。                                 この場合、エンディングは5年目以降は任意で見る事ができる。

リメイク前の5年の期限がある方は通常モードという形で採用されている。

イングリド先生の課題の追加。

内容は『アイテムを○○種類作成(図鑑を埋める)』や『○人の冒険者を雇って冒険に出る』、『指定レベルへの到達』等の簡単な物。これらは期限内に達成すると銀貨を貰えるが、課題を達成出来なかった場合、名声が下がる。

序盤のカツカツな時期の銀貨不足が緩和される事になる他、初めてプレイする人向けの導線にもなっている。また、アカデミー卒業の為に要求されるアイテムのランクは4から6に上がっている。

戦闘システムは原作をベースに調整。

オート&倍速機能の追加。

キャラクター毎に必殺技は従来では1つしかなかったが、リメイク版では1キャラ毎に2つに増えた。

また、必殺技使用時にMPを消費する様になった。                                           戦闘は行動順や技の威力が表示される様になった。

従来の敵にとどめを刺さないと経験値が貰えない不便な仕様が変更され、戦闘を終えると全員経験値をもらえるように。

特定のイベントを進めると、飛翔亭の看板娘フレアがお店を開く。

5の倍数の日に広場の噴水脇にお店(屋台)を出しており、調合でしか手に入らない様な希少なアイテムが、高額ではあるが複数購入可能。

また、後述の「内装」アイテムもこちらで購入できるようになっている。

工房の内装を変更可能に。

上記のフレアのお店で「内装:~」アイテムを購入後、工房の日記メニューから「模様替え」を選ぶことで、壁・床・ベッド・テーブルセット・収納の見た目を変更できる。日数経過によって部屋が汚くなる仕様には影響しないので妖精さんのイベントで掃除を頼もう。

内装には「敵撃破時のアイテムドロップ率微上昇」や「依頼達成時の銀貨が多く貰える」といった、プラスの追加効果も備わっているので、何の効果も無い初期状態からは変更した方が良い。

各BGMが変更可能に。

工房の日記メニューから「BGM変更」を選ぶ事で、街や工房、戦闘時等のBGMを変更できる。

無料で配布されている、DLCの『「アトリエ」シリーズ歴代BGMパック』を適用すれば、本作のBGMのみならず、エリー~ライザ1までに登場した約1,000曲から選べるようになっている。

BGMはランダム設定が可能。

例えば、通常戦闘のBGMに「マリー」「エリー」「ライザ」の各戦闘BGMを設定すると、戦闘の度に設定したBGMがランダムで流れるようになる。

ゲームクリア後、クリア後データをロードし、最初からプレー可能。

(いわゆる「強くてニューゲームに相当」)

図鑑の一部内容や、装備中の武器・防具等を引き継いだ状態となる。

モードはクリアデータのロード時に改めて変更できる。                                        通常モードのクリアデータをロードして、次回を無制限モードでのんびりプレーする事も可能。当然、順番は逆でも良い。

評価点

このリメイクは全体的に、オリジナル版の魅力やプレイ体験を可能な限り、そのまま残している。これは、単なる仕様の緩和ではなく、当時のゲーム性を維持しつつ、追加された情報を活用して、楽しむリメイクになっている。

画面に表示する注意書きが増えている。ヘルプでの補足も。                                     工房に出入りする際に1日経過するという注意書きが出る。                                          調合に失敗しそうな時はマリーの呟きが見られる。                                               依頼を受けると常に画面に残り日数が表示されるように。                                       イベントを進める為の発生条件を確認できる。                                                     立ち絵やイベントスチルは、オリジナル版の構図を踏襲しつつ、美麗に描き直されている。

追加されたキャライベントの数は多くないが、キャラの交流や掘り下げに重きが置かれており、どんなキャラなのか?がより伝わりやすくなっている。

BGMアレンジは、谷岡久美氏と八木遼太郎氏が担当。原曲の雰囲気をそのままに音源等が洗練された正統派アレンジに仕上げられている。

工房で原曲に切り替える事も可能。

快適にプレイできる要素は揃っている。

セーブ・ロードは、スペック的に不利なSwitch版でも早く、マップの画面の切り替わりも暗転を挟む事なく切り替わる。

イベントも早送り、自動文字送り、バックログもある。                                       調合の演出や採取場所に向かう際も早送りが可能になっている。

ザールブルグの街や採取場所での移動はダッシュが可能で、ボタンを押し続けるタイプとワンボタンで切り替えるタイプのどちらかを設定可能。

後述

現状で『マリーのアトリエ』を遊ぶ際の決定版の様なリメイク。                                     しかも、DLCでリメイク前、つまり過去作版も現行機で遊べる。リメイクで大幅に遊びやすくなっているが、敢えて過去版で郷愁に浸る事も出来る。

ある程度の引継ぎ要素やプレイヤー経験値によるプレイの効率化等、割と周回にも向いた作品に仕上がっている。

END.

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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