アナウンサーの原稿読みや、ほかにはナレーション、インタビューや会見、様々な場面で話す力が世の中では試される。しかし、人前で話しをするということは物事を頭で考えまとめ、時間内に納め失言をしない。いろいろな事が必要とされる。最近メディア等で思ったのは「大谷翔平選手」が実に淀みない滑らかな会見やインタビューを行っていることに気が付いた。
まず彼は「あー」や「うー」といった言葉を考えるときに使うつなぎの様な音を発さない。更に言うことが原稿でもあるかのように短くまとまっている。アスリートは「イチロー語録」やその他諸々すごく深い意味や興味のある名言を残す人が多い。
政治家では昔、細川総理が原稿が斜めのアクリル板に映し出される「プロンプター」というものを用いて頭を下げずに原稿を読むスタイルを定着させた。最近では悠仁様が、やはり文書をお持ちになることなくお一人で会見を行っていた。以前「未曾有」を「みぞうゆう」と読んだ元総理大臣もいた。あるフィギュアスケーターを「この子はいつも大事な場面でミスをする」と言った元総理はその選手に「その人は今言ったことを後悔していると思います」とかわされた。
話す力というのは海外に行っても、その人柄が試される。文化の違いによって、ジョークの内容や言うことも変わってくるが、私はある外国人のプロ野球選手に「みなとみらい」で出会ったことがある。憧れていたチームの選手だったので、まずシーズンの労をねぎらい握手をしてもらった。そしてその選手は、現在ピッチャーなのだが過去にキャッチャーをやっていたことを話してくれた。私は名鑑を見ながらうなずいていると、「あなたは結婚をしていないのかい?」と尋ねられた。「そうです」と答えると「給料が少ないからかい?」とブラックジョークともとれる質問をしてきた。私が「そのとうりだ」と答えると「私も給料が少ないから独身なんだ。」と言っていたが、その選手の年俸の覧には一億円以上の金額が書かれていた。
ちょっと苦笑いをして別れたが、彼は今年もそのチームで契約を結んだ。今度は客席からファンに無料でコミュニケーションをしてくれた思い出を抱えながら快投を拝みたい。言葉のキャッチボールは大成功だったと思う。