LATER SEQUELS SERIES #15
2025年7月 後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ 愛及屋烏
サガフロンティア2(1999)
サガフロンティア2 リマスター(2025)
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メインキャラクター
メインとなる二人の主人公の序盤のストーリーを紹介する。
ギュスターヴ13世
1220年
サンダイル歴にして、1220年。東大陸フィニー王家。 国王のギュスターヴ12世とノール侯女ソフィーの長男として誕生し、13世の名を与えられる。
次期国王として期待を寄せられ両親や弟フィリップ、妹マリー、家族に囲まれた幸せな幼年期を過ごす。
1227年
王の証であるクヴェル、炎の剣『ファイアブランド』の継承儀式においてまさかの失敗、術不能者と判明する。
何をするにしても術が用いられるこの時代において、術不能者が王家から出たという事実は非常に不味い事であり、父12世は13世を後継者として大切にしていたものの、この事実により13世を見限り「アレ」「石ころ」とまで言い放ち、息子を庇いたてた母ソフィーと共に王家を追放される。
この出来事で、幼少の砌に母を奪われてしまったフィリップは兄のギュスターヴを憎悪する事に。
時が経ち、国王が許すのを期待し、二人は城下の貧民街で暮らしていた。 だが、確定的な未来としてギュスターヴ12世による暗殺を危惧したギュスの家庭教師でもあった術師シルマールの力を借り、南大陸ナ国に亡命。
ギュスターヴが再びこの地を踏むまで、20年の月日が流れる事になる。
南大陸は術差別が少ない土地ではあったが、それでも無いわけではない。
幼年期の経験から荒んだ日々を送るギュスターヴ。
草木を荒らし、動物に当たり、荒れに荒れる姿を母に諭されるものの、苛立ちは募り続け、自分と同じ術不能者である舎弟フリンにあたり散らし、グリューゲルの名家・ベーリング家の令嬢レスリーには正面から咎められる。
レスリーはフリンにもギュスから離れる様に諭すが、フリンは術不能者である事の辛さが分かっており、嫌々で舎弟しているわけではなく、この時点でもギュス様と慕っている。
1232年
母の都合によりヤーデ領に移住。 (ナ国に息子のギュスターヴが臣下として扱われるのを避ける為、或いはナ国王に執拗に迫られるのを嫌った為、とも言われている)
そこで術を通さない性質を持つ、「鋼鉄」に興味を持ち、街の鍛冶師に入門。 そこから彼は鋼鉄武器の製作に没頭するようになる。
2年の歳月をかけて、ギュスターヴは親方すら作った事の無い「鋼の剣」のプロトタイプを完成させる。最初こそ短剣サイズから始まったが、理想の剣の完成形は脳裏にあった。
自身の人生の岐路にあった炎の剣。 この『ファイアブランド』を超える「鋼(ギュスターヴ)の剣」を作る試みは、言及こそされていないが、ギュスターヴの生涯の間、続けられたと思われる。
「ギュスターヴ様、なんでまた剣を鍛えようなんて考えたんですかい?」
「俺は術が使えない。
だから、自分の力で出来ることを見つけなきゃいけないんだ」
1235年
15歳となり、手製の剣を得て、鋼鉄と剣の道に活路を見出した彼は、実戦の為に近所の洞窟へモンスター相手に戦いへ行く。同行させていたフリンが野盗に誘拐されるが、ヤーデの領主トマスの計らいで付き合いがあった同年代の貴族の息子ケルヴィンの助力の元、これを救助する。
また、この時の経験によって自由奔放なガキ大将 / 善人だがどこまでも貴族という本来相いれない二人が完全に相互理解を果たして終生の友となる。
1236年
行儀見習いとしてヤーデを訪れていた、レスリー・ベーリングと再会する。
1239年
母ソフィー、病に倒れる。
ギュスターヴは自分の所為で異国へ追いやられた負い目もあり、どんな顔で会えば良いんだ?と毎度の洞窟に籠り、塞いでしまう。
そこに親友は言う。
「……何も考えなくていいんだ。
ソフィー様に会って、泣きたくなったら泣け。
笑いたければ微笑んでみせろ。
これまで二人で生きてきたんだろう。
ソフィー様を一人にしておいていいのか?」
「うん。帰ろう。ありがとう、ケルヴィン。」
そして、母から弟妹への遺言を託され、最期を看取る…。
最愛の母 ソフィー・ド・ノール 死去。
ギュスターヴ、この時19歳。
1240年
ギュスターヴはワイド侯の元へ通っていた。
若くして領地を継いだワイド侯だったが、自らに都合の良い、耳障りの良い言葉を吐く者を重用し、前領主に従っていた有能な家臣は冷遇し、遠ざけていた。
そこでギュスターヴはワイド侯に取り入り、忠臣ムートンの独断専行を誇張し、結果として猛将ネーベルスタンとの不和を煽る。
そして、ネーベルスタンの不在時にワイド邸の地下の脱出路を確保し、準備していたヤーデ軍を引き入れワイド領の電撃的な奪取に成功。
ワイド候は監禁され、ムートン以下ほとんどの家臣はギュスターヴに従う。
ワイド領主ギュスターヴ誕生。 活動の拠点を手に入れる。
1242年
ワイドの領主となった彼は鉄製品の加工を本格的に開始。
だが、当人は内政には無頓着であり、気力が削がれていたことで、ギュスターヴの部下としてワイドに戻っていたムートンの考えで暫く外に放り出される。
領地の街で見かけた貴族と海賊の争いに、彼は領主の身分を隠して参加し、事態を収拾させる。そのまま海賊船に乗り込むギュスターヴ。 世界の広さを感じ、自身の合わせ鏡の様な若い海賊の夢に魅せられる小さな冒険――騒動後のギュスターヴの表情には活力が戻っていた。
1245年
父、ギュスターヴ12世が急逝。
ギュスターヴの腹違いの弟、ギュスターヴ14世が王位を継ぐ事になったが、それに対し、ギュスターヴはケルヴィンらの強い勧めもあり自身の継承権を主張。
軍を起こすに当たり、これまで再三の招聘を拒み、未だワイド侯への忠節を守るネーベルスタンに旧知のシルマールを使者に立てる事で陣営に引き入れる。
1248年
バケットヒルの戦い。
軍勢を引き連れ、ギュスターヴは東大陸に帰郷を果たす。
この戦いの前から地道な下積みを続けてきた彼だが、幼少期からの劣等感は簡単に拭えるものではなく、アニマを持たない自分の為に大勢の命を散らす事を躊躇していたのだが、ケルヴィン達に支えられ奮起。
当初は誰もが、本拠地という地の利があり、屈指の強国であり、同盟国もあって数でも大幅に勝る14世の勝利を予想した。
しかし、13世側は術最盛期の当時において、新機軸の兵種を生み出した。 術不能者達による鋼鉄兵――つまり、「術を遮断し、そして非常に堅牢な鋼鉄を起用した軍」を編成。
ネーベルスタン将軍の指揮とヤーデ伯ケルヴィンのサポートを受け、対する14世側は各勢力の思惑から、軍の足並みが揃わずに各個撃破され、結果ギュスターヴ13世の大勝で戦いは幕を下ろす。
この勝利によって、鋼鉄という物の有用性が認められる事になり、ギュスターヴ13世の代名詞となる鋼鉄…「鋼」の時代が始まる。
「鋼の13世」ギュスターヴの覇道はここから大きく躍進する事となる。
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