こんにちは、ラーメン君です。障害を持って生きるということ第9回になります。今回のテーマは、「聴覚障害者の方々への理解について」です。このテーマで記事を書こうと思ったきっかけは、私は前回パラリンピックについての記事を書きました。その中でデフリンピックという聴覚障害者の方々の大会について書きました。その時にいろいろと調べていく中で、聴覚障害者の方々が日々の生活などで感じていることや不便に思っていることなどがあることを少しずつ知るようになりました。私は身体に障害がありますが、聴覚障害の方々と関わった経験は少ないです。前回の記事を書いたことで、もっと聴覚障害の方々のことを考えたいという気持ちになりましたので、今回のテーマで記事を書いていきたいと思います。宜しくお願いします。
1.聴覚障害とは?
聴覚障害とは、耳が聞こえない、あるいは耳が聞こえにくい状態のことです。「全く聞こえない状態」「小さな音が聴こえない状態」「音は聴こえても判別が難しい」など聴こえの程度はさまざまです。また、生まれつき聴こえない場合、病気やケガで聴こえなくなった場合、年をとるにつれて聴こえにくくなった場合など、人それぞれです。
聴覚障害者として支援を受けるためには身体障害者手帳の交付が必要になります。しかし、手帳の聴覚障害者への手帳の交付については基準が非常に厳しいようです・・・・・・
■手帳が交付されるためには?
聴覚障害の方々がさまざまな支援を受けるためには身体障害者手帳の交付が必要です。しかし、耳が聞こえない、聞こえにくいからといって手帳が交付されるというわけにもいかないのが現状のようです・・・・・
*シニアの安心相談室より画像引用
聴覚障害の程度は、医学的にはデシベルで区分されます。上の画像を見ていただければ、デシベルの数値が高いほど重度の難聴になるということがわかると思います。
聴覚障害の方に手帳が交付される条件として、日本では両耳が70デシベル以上、または片耳が90デシベル以上で、更に反対側が50デシベル以上ということです。
まずこの条件についてですが、私は非常に厳しいのではないかと思っています。40デシベルあたりで普通の会話が聴き取りにくい状態になっているわけですから、この時点で日常的には支障がでることは多いかと思います。そして、この状況では手帳が交付されていない難聴の方もたくさんいらっしゃると思いますし、その方々は逆に言えば、障害者ではないということになってしまい、支援を受けたくても受けられないということになってしまいますね・・・・・・
2.聴覚障害の方に出会ったらまず気をつけたいこと
聴覚障害の方々の状況というのは、外から見ただけではわからないことがたくさんあると思います。
例えば言葉を話すことが可能な方もいますので、「話せるから聴こえているだろう」というように判断して、普通の感覚でコミュニケーションをはかろうとしたり、大きな声で話をすればよいものと思ってしまうかもしれません。
聴覚障害の方々の中で、多少の聴力がある場合でも、音が雑音のように聴こえたり、話しかけられても言葉自体の認識が難しく、言葉が何かの音のようにしか聴こえない方が多いようです。
また、「補聴器を着けていれば聴こえるのではないか?」と思うかもしれませんが、補聴器は聴力を補強する役割をしていて、音を聴こえやすいようにすることはできると思います。しかし個人差もありますし、言葉が認識できるほどの飛躍的な効果を望むことは難しいと思います。
いずれにしても、聴覚障害の方への負担にもなりますので、普通に会話をするというコミュニケーション方法は適していないと思います。
*大声で話すことは控えましょう。
3.生活の中での大変なこと
耳が不自由な状況では、生活の中でどのようなことが大変でしょうか?いくつかのシチュエーションについて考えたいと思います。
■買い物をするとき
日常生活の中で最も必要なこととして、いろいろな場所で買い物をするということがあげられます。例えば、お店の店員さんに商品について質問をしたい時がありますよね。
聴覚障害の方々は店員さんとコミュニケーションをとることも容易ではないと思います。店員さんが手話を使うことができれば良いかもしれませんが、手話を使える店員さんがそのお店にいなければなりません。
そして筆談をお願いするという方法がありますが、店員さんも忙しい状況などにより、スムーズな対応はなかなかのぞめないかもしれません。
■外食のとき
外食に行ったときに店員さんとのやりとりで最低限必要なことは、注文したいものを伝えることです。
メニュー表を見て、注文したいものが決まったら店員さんを呼んで「○○をお願いします。」と伝えたら「〇〇でよろしいですか?」と言われ、それに対して返事をしたら注文の完了ということになります。
なぜこのようなことを細かく書いてみたのかというと、このようなやりとりは、注文するときには当たり前のようなことなので、意識的に考えることはあまりないかもしれません。しかし聴覚障害の方が、この注文をするというやりとりをするとなればなかなか大変だと思います。
外食に行った時の何気ないやりとりではあると思いますが、聴覚障害の方には筆談による確実なやりとりをするというお店側の理解が必要だと思います。その他に外食の時にやりとりに不自由になりそうなことを考えていきたいと思います。
①なかなか店員さん呼べない。
ボタンで呼べるシステムがないお店ではなかなか大変だと思います。
②注文の時に通じない。
きちんとしたコミュニケーションをとらないと、注文を間違えられてしまうことも・・・・
③メニューの内容について質問をしづらい。
コース料理のような注文の時に内容を詳しく聞きたいと思っても、気を遣ってしまい質問ができない・・・・
■交通機関に乗るとき
電車やバスなどの交通機関の利用時には、乗車してから停車の場所はアナウンスによって判断して、今どのあたりなのかを考えながら、自分が降りたい場所で降りるというのが一つの方法だと思います。
しかし、聴覚障害の方々はアナウンスを聞き取るということが難しいので、電光掲示板の表示を見ながら降りる場所を判断するということが必要になります。電光掲示板が見えにくい状況であったり、常に気を配らなくてはなりませんので、それだけでもかなり疲れてしまいそうな気がします。その他に交通機関で不自由になりそうなことを考えていきたいと思います。
●電車の場合
①改札の窓口で係員とのコミュニケーションがとりにくい。
ガラス越しでは余計に聞き取りにくくなります。(マスクをしている時は特にわかりにくくなってしまいます・・・・・)
②筆談していると時間がかかるので、後ろに並んでいる人たちに気を遣ってしまう。
③切符を間違えて買ってしまった時にうまく説明ができない。
④手話のできる駅員がいてほしい。
⑤ホームや車内のアナウンスが聞こえない。
緊急の時は特に不安になりますよね・・・・・
⑥発車時のアナウンスが聞こえないのでドアに挟まれることがある。
⑦乗り換えの時に、どの電車に乗ればいいのかわからない。
駅員に聞きたいと思っても、近くにいるとは限りません。
●バスの場合
①乗車時に聴覚障害者だということを運転士に伝えて、行き先を伝えても、理解のある対応をしてもらえない。
②車内の表示が見えにくい時に、降りる場所を過ぎてしまう。
③下車する時に、料金の支払いがスムーズにできなくて後ろにならんでいる人たちに気を遣ってしまう。
■銀行や郵便局などの窓口
銀行や郵便局などの窓口に行くと、大切な個人情報を扱う場合が多いので、わかりやすいように筆談や、手話のできる人が待機していてくれると聴覚障害の方々も安心して窓口を利用することができると思います。
①名前や番号札で呼ばれても聞こえない。
②説明や質問をされてもわかりにくい。
③窓口でのやりとりは、わかりにくいことや難しいこともあるので、筆談をしてほしい。
手話のできる人が窓口にいるとなお安心ですね。
④ATMの利用時にトラブルが起きた場合に、窓口があいていない時間だと困ってしまう。
備え付けの電話機でやりとりをするのが難しいと思います。
■通院の時
通院も日常生活には欠かせないものですね。通院の際には受付から始まり、看護師や医者など、複数の人とのコミュニケーションが必要な場合が多いと思います。病院といっても状況によっていろいろな病院がありますが、医療現場ですので、聴覚障害の方が困っている時には理解のある対応を一番に求めたい場所であると言えるのではないでしょうか。
①予約の受付をFAXでできるようにしてほしい。
②問診票の記入が必要な場合に、わからないことがある時には困るので、近くにスタッフがいてほしい。
③マスクを着けたまま話をされてもわからない。
④インターネットで病院を検索して、手話のできるスタッフがいるかどうかわかると良い。
ある程度大きな病院であればできるのではないでしょうか?
⑤診察のときに自分の症状をうまく伝えることができない。
⑥筆談でも医者の専門用語などがあるとわからないこともある。
4.コロナウイルスの影響
私なりに日常生活に必要な部分を絞って書いてみましたが、いかがでしょうか?聴覚障害者の方々には日常的にもっと困っていることがたくさんあると思います。日常といえば、現在はコロナウイルスの影響によりマスクの着用をしなければならないことが多いですよね。
やむを得ないこととはいえ、聴覚障害者の方々にとっては、猶更コミュニケーションがとりにくい状況になってしまいます。
全ての人が手話を使うことができれば理想的ではあると思いますが、なかなかそういうわけにはいかないと思いますので・・・・・積極的な筆談や、FAXによる「文字によるやりとり」をすることで少しでも聴覚障害者の方々の不安をなくすことができるようにすることが大切だと思います。
*コロナウイルスの対策のために現在ではマスクの着用や、シートが設置により、口元が見えない、聴き取りにくい、ソーシャルディスタンスにより更にコミュニケーションが取りにくい状況になっていることが多いと思われます。聴覚障害者の方々にとっては、大きな負担となってしまっていると思われま す・・・・・
5.状況の改善と多くの人たちの理解を得るために
この記事の中でいろいろなことを考えていきましたが、私は聴覚障害者の方々が抱えている不安や悩み、日常的な負担などを少しでも緩和できる状況を作ることが大切ではないかと思います。
そのために一番必要なことは、最初のほうにも触れましたが、「身体障害者手帳の交付条件の緩和」が重要な鍵を握っていると思います。交付の条件が厳しいので、耳が不自由な状態であっても、手帳が交付されていないという方もいらっしゃると思います。耳が不自由なことを伝えたとしても、手帳を持っていなければ、支援が受けられない、理解してもらえないということが起きてしまいます。
公的機関などの支援も大切ですが、日常生活の中での周囲の理解のほうが、私は大切なような気がします。必要な人に手帳が交付されなければ、「手帳を持っていないのであれば聞こえるだろう。」と誤った認識を生んでしまうことになり、聴覚障害者の方々がコミュニケーションに対して不安や悩みを抱えてしまう原因になってしまうと思います。もしも手帳が交付される条件が緩和されれば、私は広い意味でのメリットが生まれるのではないかと思っています。
1.支援を受けられる人が増える。
聴覚障害者として正しい支援が受けられるようになる人が増えます。
2.周囲の理解が広がる。
必要な場面で手帳を提示すれば、耳が不自由であることを伝えることができます。
3.手話を覚える人が増える可能性がある。
手話通訳が必要な場所にいてくれるようになると良いと思います。
4.筆談をしようという動きが高まる可能性がある。
手話を使うことができなくても筆談をすれば、スムーズにコミュニケーションがとれるようになると思います。
聴覚障害者の方々は、状態によって聴力の差があり、そのレベルを他人が正確に知ることができないというところが難しいところです。
「手帳を持っていない」「補聴器を着けているから聴こえている」「言葉が話せるから大丈夫」などという周囲からのあいまいな認識により、日常的に不安や悩みが生まれることもあると思います。それを少しでも少なくしていくためには、手帳を交付して、聴覚障害者の方々がきちんと支援を受けたり、周囲の理解が必要不可欠であると思います。そのためにも手帳の交付条件の緩和はおこなってほしいと思います。今回の記事は以上になります。読んでいただきましてありがとうございました。