かなり前、私はアトピーや精神面を直す為、八王子まで滝を浴びに行っていた。
早朝に集まり、山の中伏まで車で移動、そこから幾つかある神棚に念仏の様なものをとなえ水を新しいものに取り換える。お線香を供え手を合わせる。それを五か所くらい行い皆でシートを広げて昼食をとる。皆まだ穏やかな顔で談笑し、その場を午前で去る。
昼食後、もう少し山の上の方まで登り色々と滝行に備える。滝場に着いたら滝の近辺を掃除。やはり水を取り替えたりその周りを布で拭いたり一つ一つ事細かに行っていく。
いよいよ滝行開始。頭の上に塩をかけ白装束に着替える。日本酒を取り出し滝に向かって八の字を書くように「エイ」と気合を入れてお酒をかける。その季節、雨の状況などから滝の落ちる勢いが違うが、何人かが岩場に列を作り候補者から落ちる滝の中に頭を入れる。
まず、商売繁盛を大きな声で5回ほど唱える。「エイ」と叫んで一回出る。今度は身体健全、家内安全をそれぞれ同じように繰り返す。水の勢いで頭や体がぶれる時がある。特に元自衛官だった人の恰幅のいい体もたまにぶれる。滝の勢いを物語っているかのようだ。
業がとれるといって滝を浴びた人から白く濁った水が岩をつたう。決して汚れではなく濁った水が流れる。全員終わり着替えて控え室に戻る。
なぜだろう。浴びた後は頭がスキっとし冬でも心地よい清涼感が体を満たす。湧き水はペットボトルに入れて持って帰る。一日がかりの日曜の体験だが、滝の神様は本当にいるのではないか。
何年か続けたがマイナスのイメージはほとんどない。全て行ってしまえば満足感にあふれていた。滝仲間が皆意気揚々と帰路につく。
生きていれば人間は沢山の困難に直面する。それはある意味自分の弱さが目の前に立ちふさがっているのかもしれない。滝に立ち向かっていく勇気や気合い。課題と闘って弱さを体外に出す。それはインプットの多い現代で最も必要な事かもしれないと今も思い返す。
滝行を行う

スターゲート
プロ野球観戦と、カラオケを歌うのが大好きな私は、本を読むのも趣味で主に新書コーナーに足繫く目を通しに行きます。今、一生懸命スマホやパソコンを勉強しています。表現力を磨いてどんどん発信していこうと考えています。【努力に勝る天才は無し】この言葉をモットーに精進していきます。皆さんどうぞ温かい目で見守って下さると幸いです。宜しくお願いします。
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