THRILL SHOCK SUSPENSE #21
2025年6月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
本陣殺人事件 (1946)
金田一耕助シリーズ 本陣殺人事件 Switch (2025)
前述
推理ADVという一大ジャンル。
日本では1983年の『ポートピア連続殺人事件』から幾星霜。
名作と呼ばれるゲームはFCやPS1のソフトであろうとも未だに上位を譲らない。
そんな中でも実際にプレイしてみて、おススメしたい作品を紹介したい。
自叙
金田一耕助の最初の事件で密室物というのは知っていても、
実は今までノータッチだったのでゲームで出てくれるのなら、という事で購入。
発売記念セールで1300円しないというのは破格。
最近、安価なADVが増えてきたのは嬉しい。
本陣殺人事件
『本陣殺人事件』※は、日本の推理作家・横溝正史の長編推理小説。 日本三大名探偵の一人と称される「金田一耕助シリーズ」の第1作でもある。 1946年(昭和21年)4月から同年12月まで『宝石』誌上に連載された。 雑誌連載時の挿絵は松野一夫。
降り積もった雪で囲まれた日本家屋での密室殺人を描く。
横溝は本作で1948年第1回探偵作家クラブ賞を受賞した。 2023年にはアメリカの著名な雑誌『タイム』が選ぶ、「史上最高のミステリー&スリラー本」のオールタイム・ベスト100に、『The Honjin Murders』のタイトルで選出されている。
映画2本、テレビドラマ3作品が制作されている。
※本陣(ほんじん)は、 江戸時代以降の宿場で、身分が高い者が泊まった建物。 大名や旗本、幕府役人、勅使、宮門跡らが利用した。 「大旅籠屋」(おおはたごや)と呼ばれる事も。
原則として、上記以外の一般の者を泊める事は許されておらず、営業的な意味での「宿屋の一種」とは言えない。宿役人の問屋や村役人の名主などの居宅が指定される事が多かった。また、本陣に次ぐ格式の宿としては脇本陣があった。
概要
本作は横溝正史の戦後最初の長編推理作品であり、それまで日本家屋には不向きとされていた密室殺人を初めて描いた作品として知られる。
また金田一耕助のデビュー作でもある。
『宝石』の編集長・城昌幸から、連載の依頼を受けた作者の横溝正史は、本格中の本格と言うべき、「密室殺人事件」、「一人二役」、「顔のない死体」という、三大トリックのどれかに取り組んでみたい、と思ったが『神楽太夫』で顔のない死体を書いてしまったので、自分に本格ものが書けるかもしれないという自信を植えつけてくれた、アメリカの推理小説家、ジョン・ディクスン・カーが密室作家である事からも、今度はどうしても密室殺人を書きたいと思った。
本作の冒頭でも述べられているが、疎開していた農家の天井も柱も長押もすべて紅殻塗りであったことがガストン・ルルー著『黄色い部屋の秘密』を連想させ、日本式家屋での密室殺人が書けないものか考え始め、更にカーター・ディクスン著『プレーグ・コートの殺人』の四方を泥に囲まれた離れを雪に囲まれた離れに置き換えたらどうかと考えたと作者は述べている。
あらすじ
1937年(昭和12年)の11月25日。
岡山県の旧本陣※の末裔・一柳家の屋敷では、長男・賢蔵と小作農の出である、久保克子の結婚式が執り行われていた。式と披露宴は賢蔵の妹・鈴子が琴を披露する等して、滞りなく進み、午前2時前にお開きとなった。
やがて、2時間程経過して明け方を迎える頃。
新郎新婦の寝屋である離れ家から、悲鳴と琴をかき鳴らす音が聞こえてきた。
克子の育ての親でもある、叔父の久保銀造らが雨戸を壊して中に入ると、賢蔵と克子が布団の上で血まみれになって死んでいた。
しかし、離れ家の中には死んだ夫婦以外に誰もいなかった。
披露宴の終了直後に降り出した雪により、白く覆われていた庭の中央には、血に染まった凶器の日本刀が突き立っていたが、周囲には足跡一つ無く、言わば完全な密室だった。
丁度その折、銀造が名探偵と見込んで出資している金田一耕助が、偶然にも久保の家に遊びに来ていた。一柳の家人達に怪しげなものを感じた銀蔵は、金田一を現場に呼ぶのだった。
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