アクアマリンの歴史は古代ギリシャからありました。
ギリシャ神話には、美しい歌声で船乗りを惑わしている精霊(セイレーン)に怒った海の神(ネプチューン)に、石にされた姿だという言い伝えがあります。
ローマ神話では月の女神(ディアナ)の守護石だったという言い伝えが残っているのです。
そのため古代ローマでは「進むべき道を照らしてくれる石」として、船乗りたちが航海のお守りとして使用されていました。
そこから海に関する石として、ラテン語では、水と言う意味の「アクア」と海と言う意味の「マリン」でアクアマリンと古代ローマ人が名前を付けたとされています。
さらに、アクアマリンはフランス王妃マリー・アントワットが、最も好み身に着けていた宝石としても知られています。
アクアマリン 産地
アクアマリンの主な産地はブラジル、ナイジェリア、モザンピーク、ザンビア、マダガスカルなどです。
ブラジル産は特に高品質で、大粒で傷の少ないものが多くて、淡い水色が多いのが特徴的です。
産地 特徴
ブラジル
サンタマリア鉱山で産出されるサンタマリアアクアマリンは、その鮮やかな青色で有名です。
近年では、他の鉱山でも同等の品質のアクアマリンが産出されます。
ナイジェリア
ブラジル産よりも傷が多くて、加熱処理されることなく、天然色のまま市場に出回ることが多いです。
モザンピーク
色味の濃く、透明感の強いアクアマリンが多く産出されています。
「サンタマリア・アフリカーナ」と呼ばれています。
その他
ザンビア、マダガスカル、パキスタン、アフガニスタン、ロシア、中国などでも産出されています
アクアマリンの価値
産地、大きさ、色合い、透明度、インクルージョン(内包物)など、品質によって大きく左右します。
まとめ
アクアマリンは世界各地で産出されているのですが、特にブラジル、ナイジェリア、モザンピークのアクアマリンは高品質で人気があります。
産地ごとに、色味、透明度、品質に違いが見られ、それぞれの産地の特徴を考慮して、自分に合ったアクアマリンを選びましょう。
日本
日本国内でアクアマリンが産出される地域は、主に福島県石川町、茨木県真壁町、岐阜県中津川市、滋賀県田上山になります。
特に、かつて高品質のアクアマリンが採れたことで知られているのが福島県石川町となります。また、佐賀県佐賀市富士町杉山でも緑柱石(ベリル)が産出されたことがあります。
アクアマリン 別名
「海の宝石、人魚石、天使の石、夜の女王」など呼ばれています。
また、ラテン語で「海の石」を意味する「アクアマリン」の語源にも由来しており、美しい水色の石から「海の宝石」と呼ばれているのです。
詳細
海の宝石
アクアマリンの色と、海の色を連想させることから、海の宝石と呼ばれています。
人魚石
人魚が持つ宝物として、海との関わりが深いことから、人魚石と呼ばれています。
天使の石
天使が持つ宝物としては、純粋で美しいイメージから、天使の石として呼ばれています。
夜の女王
ヨーロッパの貴族が、夜会の灯りに映えるアクアマリンの輝きを好み、「夜の女王」と呼んで身に着けていたことから、夜の女王と呼ばれています。
藍玉
日本語での一般的な呼称です。
水宝玉
藍玉と似たような意味合いで、水色をした宝石を指す言葉となっています。
これらの別名から、アクアマリンの美しい色、海のイメージ、そして神話や伝説とのつながりなどが伺えるとなっています。