適応障害は主に、仕事や学業、日常生活の中で生じるストレスが原因で発症する可能性があります。疲労感、不安感、不眠などのさまざまな症状があらわれ、社会生活に支障をきたしてしまう状態になってしまうこともあります。特に長く続いてしまった場合には注意が必要ですが、適応障害は一般的な認知度は低いと言われています。
適応障害が発症する原因は主にストレスですが、どのようなことにストレスを感じるのかというのは人によって違います。
ストレスは、不安や悩み、忙しさなどによる疲労のように明らかなマイナス要素から発生するというイメージが強いかもしれません。
前向きに進んでいるような出来事の中でのさまざまな環境や状況の変化で発生するストレスもあります。
例えば、進学や就職、結婚や引っ越しなどです。
ストレスは我慢しなければならないときもありますが、我慢しすぎてしまったり、周囲の理解などを得ることができずに重症化してしまうことが、自分でも気づかないうちに適応障害を発症してしまうかもしれません。
適応障害とは?主な原因と症状について
適応障害の可能性として、「精神面」、「身体面」、「行動面」でサインが現れるようになります。
多数の症状が当てはまるほど、適応障害の可能性は高まっているかもしれません。
「精神面のサイン」
強いストレスを感じる状況や環境にいると、精神面への影響は大きくなります・
特に集中力の低下は、学業や仕事の中でミスが多くなってしまうこともあります。
学業や仕事がうまくいかなくなってしまうと、更なるストレスを感じてしまうこともあります。
そして、このような状態になっている場合には、車の運転には特に注意が必要ですので、運転は控えたほうが良いかもしれません。
「身体面のサイン」
身体にも症状があらわれます。
いわゆる「体調不良」ということで、多少の我慢で乗り切ろうと思うことや、少しの休養などで一時的に体調が回復することで大丈夫と思ってしまうかもしれません。
「行動面のサイン」
ストレスの要因と離れたい、というのは誰でも考えることだと思います。
しかし学業や仕事、人間関係など、もっと頑張らないといけないという気持ちなどが強くなりすぎてしまうことで、行動面でも症状があらわれることもあります。
適応障害とうつ病の違い
ストレスが原因で発症する病気は数多く存在すると思います。
精神的な原因などは、判断基準などがとても難しい部分が多いと思います。
適応障害は、うつ病と症状が似ている部分が多いと言われています。
症状が似ているとはいっても、発症する原因などが違います。
大きな違いは、適応障害はストレス要因から離れることができれば、ある程度の回復の可能性は期待できるというところです。
しかし、適応障害は薬による回復効果があまり期待できないという部分もあります。
適応障害と3つの療法
適応障害は、ストレス要因から離れることや、問題の解決などができれば、自然に治る場合も多いと言われています。
しかし、生活のためには仕事を休職、退職をするといったことが難しいことが多いと思います。
また、人間関係を切り離すことや、生活環境を変えるための引っ越しというのも簡単なことではないと思います。
適応障害の可能性を感じて、なかなか状況の改善が難しい場合には、メンタルクリニックを受診することが、改善への第一歩だと思います。
メンタルクリニックでは、3つの療法を用いることが多いようです。
「認知行動療法とは?」
今まで積み重ねてきた習慣や経験によって凝り固まったものの見方や考え方を柔軟にする療法です。
ものの考え方や受け取り方によってストレスが発生している場合もあるため、思考を整理して気持ちを楽にするためのカウンセリングなどが行われます。
誰にでも心に癖があり、自分の思考パターンを理解できるようになるだけでも、気持ちの切り替えもしやすくなります。
偏った思考がストレスの原因になってしまうことも多いので、認知行動療法を行うことで、バランスよく考えられるようになることも目的のひとつです。
「問題解決療法とは?」
職場、学校、家庭環境などの日々の生活の中で問題が生じて、適応障害になってしまうケースは多いかもしれません。
カウンセラーと相談しながら、抱えている問題と、その解決策を複数考えながら、もっとも適した解決策を見つけていく療法です。
「薬物療法とは?」
強い不安を感じたり、眠れない状況が続いたり、他の治療法がなかなか進まない場合もあると思います。
そのような時に、睡眠薬や抗うつ薬などで改善を目指すこともあります。
しかし、適応障害に対しては薬物療法による大きな効果を期待することは難しいとされているため、あくまでも他の治療法との併用や補助といった役割が大きいかもしれません。
適応障害は誰でも発症する可能性があること!おかしいことではない!
適応障害は、誰でも発症する可能性があります。
適応障害は、診断も難しく、周囲の理解が得られないと十分な治療や、問題の解決をするための時間をとることもできないかもしれません。
まだまだ医学的な根拠も少ないと言われていますので、改善が難しい場合があることも事実ですが、適応障害と闘うというよりは、上手に向き合っていけるような環境になっていくことを願いたいと思っています。