玉虫色ってこんな色？

　何年か前、信じ難いなんとも不快な事が起きた。昼食で某チキンを主に扱うファストフード店で肉の挟まったサンドを頬張った時に‘ガリッ‘という固いものをかんだ。すぐに口から出して内容物を確認したら何と銀歯と思われる物体が二つ入っていた。
　すぐに店長を呼んだら、「料金はお返しします。」と言われた。「これはどういう事ですか？歯ですよね。証拠として写真を撮っておきますよ。」と言った後「賠償金とか貰えないんですか？」と言ったら「こちらで調査させてもらうので。」と言って銀歯を没収された。
　しばらく時が経ち、「お話がありますのでコーヒーショップへお越しください」と言われ母に同席してもらう形で珈琲ショップに行くとなんとなくへらへらと笑う、調子のよさそうな男も店長と同席し名刺を差し出された。
　そこには‘スーパーバイザー‘という肩書が記してあり「コーヒー飲みますか？」と店側が言うと、四人での話し合いが始まった。まず相手側が資料の紙を何枚か差し出してきた。三・四枚のその紙には銀歯の材質を細かく検査したものやその大きさ等が細かく分析されており、母によると「かなり金が使われた検査だと思う」と話していた。
　そして、「あなたの歯が取れたんじゃないですか。今抜けてる歯とかありません？」と信じられない事を言われた。私は「抜けてる歯はありません。かみ合わせもおかしくありませんし・・・」と言うと「歯医者さんに診てもらいましたか？そうしないと確認できませんよね。」とスーパーバイザーが半笑いで畳みかけてきた。
　私が「あなた達、自分たちがおかしいこと言ってるの分かってますよね。自分たちが悪いことも本当は分かってていってるんじゃないですか？」と言うと「まるで我々が悪いみたいじゃありませんか。コーヒーおかわりいります。」とスーパーバイザーが言ってきた。「じゃあ、そういうことで。」と話を切り上げようとしたので母が「ちょっと待ってください。こっちが悪い前提で話をしてますよね。再調査してください。」と言って別れた。
　すると後日店長から電話で「息子さんが賠償金目当てで混入させたんじゃないですか？」と母に連絡があり、「大きな組織には個人ではどうにもできない。諦めよう」と母に説得された。それからのクリスマスのイルミネーションがくすんで見える理由は言うまでもないだろう。