どうも、cubicです。皆さんは日本国尊厳維持局と呼ばれる団体をご存じでしょうか。日本国尊厳維持局とは、1961年4月に設立された社団法人です。その内容がかなり不気味で、日本が諸外国との間で想像し難い絶望的な状況に陥り、尚且つ改善の見込みがないと判断された際、行政から「最重篤的絶望事態宣言」が発令。全国のテレビ局でフィルムが放映され、バルビツール酸系の睡眠薬で国民全員で集団自◯をする、というもの。しかし、1972年3月にフィルムが廃棄され、それ以降は使用しないとされていましたが、何故か2016年頃にインターネット上にフィルム映像が流出。現在では検索してはいけない言葉の1つとして有名になっています。まあ、実際にはそのような団体は存在しませんが、映像の完成度があまりにも高かったため本当に存在すると勘違いをする人が続出したそうな。そりゃそうだ。
さて、ここまで日本国尊厳維持局について長々と解説してきましたが、ここからは集団自○に使われるとされているバルビツール酸系のお話になります。順番に説明していきましょう。
バルビツール酸系とは?
まずはバルビツール酸系が何なのかをざっくり解説。バルビツール酸系の薬は、尿素と脂肪族ジカルボン酸が結合した化合物で、中枢神経の働きを抑制する働きを持つ、向精神薬の一群です。要するに睡眠薬、鎮静剤ですね。1920年~1950年代半ばまでは実質的に唯一の薬でしたが、1960年ごろから安全性が高められたベンゾジアゼピン系が登場して以来、あまり使われなくなりました。
歴史でっせ
バルビツール酸系が登場する以前、1832年に抱水クロラールが合成。これが近代睡眠薬、鎮静薬の始祖と言われています。その後、1869年に抱水クロラールに不眠症に効果があることが判明。20世紀初頭にバルビツール酸系が初めて合成されました。1912年にはバルビツール酸系の一種であるフェノバルビタールをてんかんの入院患者に睡眠薬として投与し、抗痙攣作用があることが発見されたのです。しかし、1960年代になると、より安全性が高く、比較的耐性がつきにくいベンゾジアゼピン系が登場。バルビツール酸は段々と数を減らしていきました。現在では死刑執行や麻酔導入剤として使われることがあります。
主な種類
バルビツール酸系は未発表のものも含めると2500種類以上も合成されています。多すぎんか⋯。全て覚えるためには人間を辞める必要があるので、実際に使われるもののみを紹介しましょう。
チオペンタールナトリウム(ラボナール)
ペントバルビタールカルシウム(ラボナ)
チアミラールナトリウム(イソゾール)
2013年の日本睡眠学会では、「バルビツール酸系は重い副作用が多くみられるため、現在はほとんど使われない」とされています。
割とヤバめの副作用
どんな薬にも副作用(有害反応)はありますが、バルビツール酸系の場合は結構重め。主な副作用はコレだ!
・繰り返し服用すると耐性がつき、依存性が高い。
・一度に大量に服薬すると呼吸が止まり、死に至る可能性がある(マリリン・モンローの死因もバルビタールの過剰摂取によるもの)。
・振戦せん妄や痙攣発作を引き起こすことがある。
これらの危険性を考慮し、現在はチオペンタールを除く12種類が国際的な管理下におかれ、日本でも麻薬取締法で厳しく管理されています。
以上、バルビツール酸系のざっくりとした解説でした。まさか日本国尊厳維持局でバルビツール酸系の文字を目にすることになるとは⋯⋯。次の記事ではバルビツール酸系よりも安全性の高いベンゾジアゼピンの記事を執筆する予定です。ではまた次回!