震度分布がおかしい!?異常震域とは

どうも、先日のベンゾジアゼピンの記事で超短時間型の存在を完全に忘れていたcubicです。正しくは 超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4つになります。失礼しました。

さて、話は変わりますが、最近トカラ列島で地震が多くないですか(2025年6月25日執筆時点)?日頃の備えについて今一度考え直さなければ⋯⋯。そんな中、皆さんに知っておいてほしい地震があります。それが「異常震域」。名前だけ聞くと明らかにヤバそうなオーラが漂っていますが、実際のところどうなのか。今回はそんな異常震域について解説しましょう。

地震とは?

まずは地震の基本情報についておさらいをしておきましょう。地震とは「地表に存在するプレートのズレによって誘発される揺れ」です。地球の内部は、内側から内核、外核、下部マントル、上部マントル、地殻となっており、このうち地殻と上部マントルの間の地層が、皆さんがよく耳にする「プレート」と呼ばれる岩盤となるのです。このプレートが少しずつ動いていき、プレート同士がぶつかる、ないしは沈み込んだプレートが耐えきれなくなり元に戻ることで地震が発生します。日本で地震が多いのは、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの四枚のプレートが存在するからですね。

震度とマグニチュードってなんや?

ここからは震度とマグニチュードの解説です。まずは震度から。震度は揺れの大きさを表しており、気象庁では以下の10段階で表しています。

震度0⋯⋯人は揺れを感じない。

震度1⋯⋯屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。

震度2⋯⋯屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。

震度3⋯⋯屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる

震度4⋯⋯ほとんどの人が驚く。電灯などのつり下げ物は大きく揺れる。座りの悪い置物が、倒れることがある。

震度5弱⋯⋯大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。棚にある食器類や本が倒れることがある。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。

震度5強⋯⋯物につかまらないと歩くことが難しい。棚にある食器類や本で倒れるものが多くなる。固定していない家具が倒れることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。

震度6弱⋯⋯立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。耐震性の低い木造建物は瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。

震度6強⋯⋯はわないと動くことができない。飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。耐震性の低い木造建物は、傾くものや、倒れるものが多くなる。大きな地割れが生じたり、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある。

震度7⋯⋯耐震性の低い木造建物は、傾くものや倒れるものがさらに多くなる。耐震性の高い木造建物でも、まれに傾くことがある。耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では、倒れるものが多くなる。

大きな地震が発生した時、「まだ震度10じゃないから大丈夫」と存在しない震度を理由に油断している人がいますが、全く大丈夫ではありませんので気をつけましょう。ちなみに、昔は震度を気象庁の職員が体感で決めていました。職員さんすご。

次にマグニチュードです。ぶっちゃけこっちの方がよく理解している人が少ない印象なので、詳しく解説しましょう。マグニチュードは、簡単に言えば「地震の規模」です。地震が発生した時、その地震がどれだけの大きさなのかを表しており、マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍になります。気象庁は、現在気象庁マグニチュード(Mj)とモーメントマグニチュード(Mw)の2種類を主に使用しています。気象庁マグニチュードでは地震発生直後にマグニチュードが求められ、モーメントマグニチュードでは時間がかかるかわりに巨大な地震でも正確な数値が求められるため、発生した地震により適している手法を用いることができるのです。現在観測されている地震の中で最も大きいマグニチュードは1960年に発生したチリ地震(M9.5)で、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震は、1952年に発生したカムチャツカ地震と同じく世界第4位のマグニチュード(M⒐0)となります。

異常震域とは

お待たせしました。いよいよ異常震域のお話です。そもそも「異常震域」と名前にありますが、そこまで異常というわけではありませんし、なんならよく観測されている地震です。ではなぜ「異常」と言われるのか。それは震度分布に原因があります。普通、震源から近ければ近いほど揺れは大きくなり、離れていけば小さくなります。しかし、異常震域の場合は逆。震源に近い場所ほど揺れは小さく、離れれば離れるほど大きく揺れます。最近の事例では、今年の2月26日に三重県南東沖で発生した深さ約400km、M⒌7、最大震度2の地震。この地震では、震央に近い地点では揺れは観測されず、距離の離れた関東地方や東北地方で震度1〜2の揺れが観測されました。皆さんはこの地震で気になる点はありませんか?そう、震源の深さですね。通常の地震では震源の深さが10〜50㎞とされていますが、異常震域の場合は深さ数百キロの深い場所で起こる、所謂深発地震と呼ばれる地震から誘発されるのです。

以上、異常震域についての解説でした。日本は地震大国と呼ばれるほど頻繫に揺れています。特に近年は南海トラフ巨大地震が30年以内に80%の確率で起こると言われているので、日頃からの備えが大切です。いつ来るかわからない地震にただ怯えるのではなく、発災時にどう行動すべきか、今一度確認し、正しく怖がりましょう。ではまた次回!

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cubic

皆さんこんにちは。cubic(キュービック)と申します。工作や科学、医学等が好きな、所謂 理系と呼ばれる年中金欠な人間です。自分の持っている知識をエンタメ感覚で解説する記事を執筆していきます。

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