なかなか眠れないという経験は誰にでもあることだと思いますが、その状態が長く続いてしまっては大変です。生活リズムの乱れや、就寝時にやってしまういろいろな行動の中に睡眠障害の原因になってしまうことがあります。なかなか眠れないから、なかなか朝が起きられないという悪循環を起こしてしまっている場合の改善方法などを書きたいと思います。
睡眠障害は、不眠や寝不足といった睡眠の乱れが慢性化してしまった状態です。
きちんとした睡眠をとらずに生活を続けてしまうと、体調不良になり、更に重症化すると様々な病気の原因になってしまいます。
日本では成人の5人に1人が不眠に悩んでいると言われています。
その主な背景には、様々なストレス、ライフスタイルの多様化などがあります。特にライフスタイルの多様化により、夜間活動をしている人は増加傾向にあり、それによって昼夜逆転の生活をしている人は不眠に悩むこともあると思います。
自分のライフスタイルに合わせて、きちんとした睡眠をとるということを考えていかなければいけない時代なのだと思います。
なぜ睡眠は大切なのか?
眠れない状態が続いてしまうとさまざまな病気の原因になったり、最悪の場合には生命にかかわります。
睡眠は健康面と生命を維持するために必要なことなのです。
睡眠によって脳の活動を休ませることができるので、きちんとした睡眠をとることができれば、脳を活性化させることにつながります。
不眠や睡眠の乱れが睡眠障害の入り口に
例えば以下のような症状を感じていることはありますか?
睡眠不足から表れる代表的な症状です。
このような症状が中長期的に続いてしまうと、睡眠障害になってしまうリスクが高まってしまいます。
睡眠障害を加速させてしまう原因と行動
睡眠障害は長く続くほど、悪循環になってしまいます。
そして、その悪循環を助長してしまう行動があります。
日々の習慣や、就寝前には控えたほうがよい行動があります。
カフェインの摂取は時間を考えることが必要
コーヒー、お茶、チョコレートなどに含まれているカフェインには覚醒作用があります。
人により個人差はありますが、カフェインを接種してからおよそ30分後くらいから効果が表れ始め、4~5時間は覚醒状態が続いてしまいます。
そう考えると、就寝予定の6時間くらい前からカフェインを摂取しないことが理想的です。
アルコールの摂取による睡眠は質の良い睡眠にはならない
お酒を飲むとよく眠れるという話を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか?
しかし、それはアルコールの分解時に体内で発生しているアセトアルデヒドの影響による一時的なものです。
時間が経過すると、反動により脳が覚醒状態になってしまいます。
そのために目が覚めた後に、再びお酒を飲んでしまうということで、脳の活動が乱れてしまいます。
日常的にアルコールを接種しすぎてしまうと、睡眠の乱れを引き起こす可能性が高くなってしまうので、特に注意が必要です。
就寝前のスマホ、パソコン、テレビなど
布団に入った状態で、テレビを見るということは誰にでもありそうなことだと思います。
しかし、テレビの画面を見ることや、音を聴くことが脳を活性化させてしまうことになり、睡眠の妨げになってしまいます。
更に、テレビをつけたままいつの間にか眠ってしまうこともあると思いますが、眠っている状態でも耳から音を拾って脳に伝わっているので、脳は活動している状態になっています。
脳が活動していると、睡眠の効果はほとんどなくなってしまいます。
就寝前にスマホやパソコンをを操作したり、動画を見ることができる時代ですが、当然脳を活性化させてしまうことに繋がりますので、就寝前のNG行動です。
昼寝や休日などの寝だめ
午前中に少し疲れてしまったから昼寝をしたいということもありますよね。
昼寝はタイミングなどを間違えると、夜に眠れなくなる原因になってしまいます。
仕事などで疲れた時の10分~15分程の仮眠は効果的ですが、それ以上の睡眠になると夜に眠れなくなる可能性が高まってしまいます。
それではどうすれば良いのか?それは、仮眠をとる前にカフェインを接種するのが有効です。
仮眠をとっている間に、カフェインによる覚醒作用が働き、長時間の睡眠を防ぐことができます。
仮眠をとるタイミングとカフェインの覚醒作用が始まるタイミングをうまく考えることが大切です。
次に、休日を自宅で過ごしている時に、不規則な時間に長時間の睡眠をとってしまうことの注意点です。
休日に疲れていると、朝起きるのが遅くなってしまったり、昼寝を長時間してしまうこともあると思います。
いわゆる「寝だめ」というものですが、まるで「寝だめ」をしたことにより、その後長時間眠らなくても活動できてしまいそうな気持になるかもしれません。
しかし、寝だめにそのような効果はありません。
寝だめをする習慣がくせになってしまうと、昼夜逆転により翌日の生活に影響したり、平日の日中に眠気を感じやすい状態になる可能性があります。
休日もできる限り同様の時間に起床することを心がけ、どうしても起きられない場合でも、プラス1時間程度を意識することが大切です。
また昼寝をする場合も1時間程度、夜の睡眠に影響が出ないように、なるべく早めの時間にするのがよいでしょう。
良質な睡眠のためには?
睡眠時間は、長ければ良いというものではありません。
年齢などにより異なる場合もありますが、成人の場合には6~7時間程度の時間を確保することが理想的です。
毎日全く同じということは難しい時もありますが、起床時間から逆算して、睡眠時間も一定のリズムを作ることで、布団に入ってからすぐに眠りやすくなります。
睡眠と体温の関係
睡眠と体温にも深い関係があります。
体温が高い状態にあると、眠れない、または眠りが浅いという状態になってしまいます。
例えば風邪をひいてしまった時に、寝苦しくなってしまう理由のひとつが発熱による体温の上昇です。
風邪をひいた時に、冷やして体温を下げる目的がこういったところにあります。
人の身体は、夜になると体内時計の働きにより、体温が下がりやすくなります。
余計な体力の消耗を抑えながら、身体が就寝の準備に入ることになります。
夏に寝苦しく感じてしまうのは、夜でも気温が高い状態であり、体温が下がりにくいためです。
冬場に寒いからといって暖房を強くしすぎてしまうことは、体温の上昇を促すことになってしまいますので、注意が必要です。
次回は後編 生活リズムと私の経験
前編では、睡眠の大切さと睡眠の前に控えた方が良い行動を中心に書きました。
なかなか眠れない日があるということは誰にでもあることだと思います。
しかし、睡眠の妨げになってしまう行動を控えれば、重症化することは防げると思います。
眠れないからといって、スマホなどを触ってしまうことが一番良くないことですね。
なかなか眠れなくても、眠れるまで布団の中で目を閉じることが大切だと思います。
次回後編では、「生活リズムと私の経験」ということで、睡眠と生活リズムの関連性と、睡眠について悩んだ時の私自身の経験を書きたいと思います。