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こんにちは、Heinzです。
今回は外見を整える意味の話をしようかと思います。
この話を書くにあたり、事前にお伝えしておきますが、これはあくまでも私の経験談によるもので、ご覧くださっている方々にあてての内容という訳ではなく、何方かを貶めたりするような意図はないということをご理解ください。
と、いうことで。
苦手な気配がする方はここでブラウザバックをお願いいたします。
さて、私にとって外見を整えることは、攻撃であり最大の防御で、その作業はまるで合戦に向かう武士か騎士のような心境です。
どちらも経験したことはありませんが(笑)
とにかく、戦地に赴く為の非常に緊張感のある儀式のなもの、と思っていただければ。
私は、ノーメイクにジャージ、部屋着など、無防備な姿で出歩くのが大変怖い。
そのため、外出時は常にフル武装をしている訳なのですが、その姿から周囲には「本当は元気なんじゃないの?」と疑われます。
月数度の通院日に「お前その格好で病院に行くのか」「健康そうに見えると困るんじゃないの」と、親からも指摘されるほどです。
しかし、やらなくてはならない。
誰かに「そうせよ」と強いられているわけではないのですが、しなければならないのです。
ひとが、怖いから。
何もしていなかった頃の私は、ひどく無防備でした。
幼少期には道端で男性に性的に襲われること数回、学生時代はバスや地下鉄等からの帰宅ルートをつけまわされたり、おかしな人にしつこく声をかけられたり。
おそらくそれは、私自身が悪いわけではないのです。
ああいう、人に害をなすものは「抵抗しなさそうな人間を選ぶ」そうなので。
一応、そういうものなのだ、と理解はしている筈なのですが、ある時友人に言われた悪意のない何気ない一言が、私の中にしこりとして残りました。
「Heinzは、なんでも受け入れてくれそうなオーラがでているよね。
なんというか、優しそうな? なんでも許してくれそうな空気?」
と。
そうか、自分は他人から付け入られそうなスキがあるのだな。
弱そうに見えるからいけないんだ。
そう思いました。
そう言われた時も化粧等は一応していたのですが、その頃はあくまでも「していない様に見える、不自然にならない程度」のメンズメイクでした。
ですが、自然に見えては駄目なのだと。
人が多少声をかけるのを躊躇う程度には威圧感がなければいけないのだと、思い立ったわけです。
それからは簡単でした。
母から「そんな格好をして!」「社会人らしくない、恥ずかしい」などと言われる事もありましたが、そういった耳障りなものを除けば、何をするかは明確です。
頭の先から爪先まで、スキのない姿になればいい。
完璧に整っている人間には、何となく声がかけづらいものです。
それは美しくなれという意味ではなく、何かしらの統一感をもたせ、そこを徹底的に尖らせること。
B系でもギャル(男)でも、ゴスロリでも、トラディショナルでも、マニッシュでも、モッズでもコンサバティブでも、何でも構わない。
そして私は、「うさんくさい系」を選びました。
単純に顔面が狐系というか蛇系というか…まあ、そんな感じの造形なもので、苦労なく似合うからなのですけれど(笑)
よくあるアニメや漫画等にでてくる、眉毛がなくて糸目で、猫背だったりそうでなかったりで、いつも笑っているけれど何を考えているのかわからない、ちょっと怪しいような、味方をひっそりと裏切っていそうな感じの人。
いるじゃないですか?(笑)
オタクの歴の長い方々には、「ああ~、CV石○彰 氏」と言われそうな定番のあれです。
(姿勢よく颯爽とモデルウォークする体力は高校の時に使い果たしてしまったので(ファッション系高校)、うさんくさい系一択になりまして)
それ系に統一するようにしてから、何となく変な人から声をかけられる機会は減りました。
美容室系のキャッチにつかまる比率は高くなりましたが…(困)
人はやはり第一印象が大事なのだな、と再認識もいたしましたね。
友人知人になってくれば、外見より中身なのでしょうけれど…
特に関わることのない、街中ですれ違うような不特定多数相手には、視界からはいってくる情報がファーストコンタクトですので。
外見を整えることは、やはり武装なのです。
こうして私は、身を守る術を得たわけですが、それと同時に失ったものもありました。
それが、先に触れていた「無防備な姿で外出するのが怖い」。
私にとって他人は大体敵なので…自宅から一歩でも外に出るのなら攻撃に備え武装しなければならない。
しっかりと化粧をし(化粧男子なので)、頭から爪先までスキのない姿を作り上げることが私の外出条件です。
そのため出掛ける前に、気の張りすぎで力尽きている事が常ですが、そこからが本番なのです。
外出の心持ちは
「いざ! 出陣!!!!!」
(ブオォー!ブォオオーーーーーーー!!!!! ※SE 法螺貝)
ああ、疲れる。
やりたくない。
─Heinz