日本のあるうさぎが消えてしまいそうなことをご存じですか?うさぎにも絶滅危惧種の品種がいます。その名もアマミノクロウサギ。今回はなぜ絶滅が危惧されているのか、この子はどんな子なのか、紹介していきます!
〇仲間と別れて
鹿児島県の奄美大島、徳之島のみに住んでいます。
200万年前にユーラシア大陸から切り離された奄美大島に住んでから、今も姿を変えず原始的な見た目をしています。ユーラシア大陸に残った子たちは天敵に捕食され絶滅しましたが、今住んでいる奄美大島・徳之島には天敵がおらず、生き続けています。
〇うさぎ流処世術
目も耳も小さく、四肢も長くない。なんとなくネズミに見えますが、うさぎの原種に近い特徴です。仲間同士でコミュニケーションもとります。色々な鳴き声を出しあって、後ろ脚で地面を叩いて。爪が発達しているので穴掘りが得意。一つの巣穴を複数のうさぎが利用します。お部屋には落ち葉を敷いてふかふかに。同じところにトイレをするのは、排泄時間が30分近くかかってしまうから。その際開けた場所を好むのは、ハブに襲われにくくするためです。うさぎは一度の出産で複数の子を産みますが、アマミノクロウサギは年2回、一羽ずつしか産みません。うさぎは1年で立派な大人ですが、このうさぎは5年もかけて大人になります。長いこと外敵が少なかったからこそできることです。
〇いなくなった子たち
人間がハブの駆除を目的として持ち込んだ、外来種のマングースによる捕食。これが大きな脅威となり、一気にうさぎの数が減ってしまいました。他にも人間が放置したノネコによる捕食、増加していく観光客による交通事故が、今もうさぎたちの脅威となっています。マングースを捕獲する活動の甲斐あって少しずつうさぎは増えていますが、だからこそ餌を求めて人里に降りてきてしまい、今では人間による交通事故の方が増えているようです。親が事故死してしまうと、取り残された子どもが巣穴から出られないのでなくなってしまう…ということも起こっています。
こういった島々には外敵が限られ固有の種類の動物が残っていることが多いです。古くから守られてきた動植物でも人間によって一瞬で数を減らしてしまうもの。自分の住んでいる場所、観光に行く際。そこに住む他の動物の暮らしにも、目を向けてみてくださいね。
いなくなりそうなうさぎ

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