現代における評価の上昇
この作品には、前回の「その1」で述べたように、作画のミスや内容の映像表現、現代では放送することが難しい内容など、通常のアニメーション作品ではマイナスとなる要素が数多く見られる。しかし、この作品は現代ではそのようなマイナスとなる要素に新たな、非常に特殊な形で価値が付随されていき、評価され、欠点を特徴に変えて多くの人々の注目と人気を集めるに至っている。
2000年代後半ごろよりインターネットのコミュニティ、『チャージマン研!コミュニティ』で人気を呼ぶようになり、2008年9月5日放送のNHK衛星第2テレビジョン『ザ☆ネットスター!』では、ネットにおける『チャージマン研』ブームが取り上げられ、放送から40年後の8月21日には、株式会社ICHIによる公式サイトがオープンするなど、実際に放映されていた当時の知名度をはるかに超えているであろう人気を獲得していった。
このブログでは、現代のアニメーション作品ではあり得ないミスの数々や、今では忌避されるようなブラックな表現が価値へと変化していった理由、そういった表現が生まれた背景を考察し、この作品が現代に、価値を獲得できた文化的な背景、技術的な背景を明らかにしていくことを目的とする。