手書きという思いやり

 私はメモを取るのが苦手だ。今の事業所に来るまでも合理的配慮で、なるべく私に物事を伝えるのは文字を通して、とお願いしてきた。だからこそ一つ目の事業所で嬉しかった事があった。「私は字が下手だから・・」と言いながら一週間の予定や、伝える事がある時、色々な説明をスタッフが全部手書きで伝えてくれていたのだ。「お疲れ様です」や「文章読みました。良かったです」などパソコンで文字を打ち込むのがある意味当たり前の時代に一生懸命手書き。サービス管理責任者とセンター長が色のついたペンで付箋等に色々書き込む。
 「字が苦手」と言っていたセンター長の文字はなかなかのくせ字だ。しかし、一生懸命書いてくれた事が物凄く伝わる。丸みを帯びたその字に私はすごい熱意と思いやりを感じた。実習に行ったとき、そこの実習先のスタッフに言われたことは「メモを取りなさい。」そこに不採用になったが理由も「メモを取る習慣が無かったから。」だった。センター長と振り返りの時「手書きの事は合理的配慮でお願いします。と頼んだのに・・」とセンター長が顔をしかめる。それだけ理解のない人にとっては手間のかかる事だと認識した。
 今在籍している事業所でもパソコンを利用している。最初、機械で打ち込まれたマニュアルに何度か試みたが対応出来なかった。しかし、ある日パソコンのマニュアルに手書きで追加の説明書きが沢山書いてあった。スタッフさんにそのマニュアルを見ながら説明を受けた時「ここはこの手順でやって下さい。」や「ちょっとここは私の書き方が悪くて読みにくいんだけど・・」 最初なかなか慣れなかったパソコンの作業もその手書きを追加したマニュアルでほとんど一人でこなせるようになった。
 スタッフさんが面倒な手書きを追加してくれた事、それは合理的配慮を超えた心理的配慮だと思う。年賀状なんかでも文面に一言「今年も健康に気をつけて」などと手書きで付記してあると凄いその一枚に温かみを感じる。手書きで書いてくれる配慮。それによって互いに繋がられた絆はすごく効力を発揮するものだと確信した。

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スターゲート

プロ野球観戦と、カラオケを歌うのが大好きな私は、本を読むのも趣味で主に新書コーナーに足繫く目を通しに行きます。今、一生懸命スマホやパソコンを勉強しています。表現力を磨いてどんどん発信していこうと考えています。【努力に勝る天才は無し】この言葉をモットーに精進していきます。皆さんどうぞ温かい目で見守って下さると幸いです。宜しくお願いします。

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