三人の臨床心理士

 私は人生で三人の臨床心理士にカウンセリングをしていただいた事がある。1人目は男性の優しそうな雰囲気を持った当時三十代位の人だった。
 最初カウンセリングというと自分の課題に対して答えを出してくれるような、そんな事を期待していたら何となく糠に釘というか一方的に私が話しているな、という印象があったのを覚えている。基本的に心理士は話を聞くというのがベースにあって答えは自分で見つけていく、そんな感じがした。「こんな腹の立つ出来事があったんですよ。」と言うと「その時あなたはどんな気持ちがしましたか。」と返され常にそんな感じ。相手に話をしてそれに対しての答えは自分で見つけなさいよ、いつもそのパターンだった。
 しかし、一回心理室で興奮して嘔吐を洗面台にしたことがあり、その時、排水口に指を突っ込み流すのを手伝ってくれた。その後「のど飴でも舐めますか。」と言われた時、すごく優しい人間らしい一面を見た気がして感動した。
 二人目は女性の若い心理士。ちょっと異性と話しをするということと外見が綺麗だったので何となく大丈夫かなあ、という一抹の不安を感じた。でも、その心理士の最後のカウンセリングの時、私が泣きながら握手を長い間してもらった事が一番記憶に残る。「最後のカウンセリングまで時間を気にしてくれるなんてAさんらしいですね。」と言って下さりすごく貴重な時間だったなと振り返る。後に結婚をされたという話を噂で聞いた。個人的に幸せになってほしいと思う。
 三人目はふくよかなスピリチュアルの巨匠という感じの男性だ。その心理士で一番記憶に残っているのは心理士が「でも何とかなってるじゃないですか。」と言ったので「こんな私のどこが何とかなってるんですか、どうしょうもないじゃないですか。」と言うと「今こうしてここにきてカウンセリングを受けているだけでもなんとかなっている。」と仰った。
 三人のカウンセラーと一対一で対話したことにより話すことが得意になった。どの方も柔らかい物腰で優しかった。それだけは確実に振り返って感じた私なりの感想である。

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スターゲート

プロ野球観戦と、カラオケを歌うのが大好きな私は、本を読むのも趣味で主に新書コーナーに足繫く目を通しに行きます。今、一生懸命スマホやパソコンを勉強しています。表現力を磨いてどんどん発信していこうと考えています。【努力に勝る天才は無し】この言葉をモットーに精進していきます。皆さんどうぞ温かい目で見守って下さると幸いです。宜しくお願いします。

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