あらすじ
西畑保は貧しさが起因となり、学校でお金を盗んだと誤解され国民学校初等科2年生を最後に学校に通わなくなる。その影響から字の読み書きが困難となり、そのことが理由で様々な場所でいじめや差別を受けた。皎子(きょうこ)と見合い結婚してからも読み書きができないことを隠してきたが、回覧板に自分の名前を書けなかったことを隠しきれず、離婚を覚悟で読み書きができないと白状した。皎子はその事実を受け入れて保に文字の読み書きを教えてみたものの、保は乗る気にならず、いつしかやめてしまう。子供が生まれた時の出生届は手に包帯を巻いて怪我をしたと偽り窓口の人に代筆を依頼して凌いだ。結婚当初は御所市のアパートに住んでいたが、新築の県営団地に当選し、以後県営団地に住む。奈良市内の寿司屋では働きぶりを認められて定年後も雇用継続で勤務していた。退職前の帰り道の夜、談笑する女性グループに何度か遭遇し、聞いてみると近くの夜間中学帰りだという。3月の終わりに中学校に話を聞きに行き、長年自分を支えてくれた皎子にラブレターを退職後の目標にしようと、夜間中学に通う決意を固め入学手続きをして、帰宅後に家族に打ち明けた。皎子からは鉛筆を1ダースプレゼントされた。毎日授業開始の1時間前に学校に「あいうえお」から書き続け、ラブレターがようやく形になろうとした頃、皎子が病魔におそわれる。
感想
35年目のラブレター。これはよい映画です!沢山の人に観て頂きたいです。ポロポロと沢山泣きました。心が温かくなりました。実話だそうです。お話の舞台は奈良市です。1999年の年末からはじまり2020年の春までの期間ですが、途中、主人公の回想シーンが挟まります。1964年結婚するところは長めにあります、というかそこが前半の山場になります。35年目というのは、この西畑さん夫妻の結婚期間のことを言うわけです。西畑保さんを笑福亭鶴瓶さんが熱演されます。しかも奈良はもちろん関西ですから関西弁です。多少おっとりしてますがお笑いノリは大阪と共通ですので、色々な人物との会話も面白く笑いがタップリです。妻役は原田知世さんです。57歳だそうですが、大変美しいです。美し過ぎで噓っぽく見えてしまうなぁと初めのうちは思ったのですが、見終わってみるとこれで正解だと納得しました。美しいことより驚いたのは、彼女が大変自然に関西弁を話して、関西のオカンを好演していたことです。こんな役もできるなんてビックリしました。知り合った頃の妻役は上白石萌音さん。彼女も関西弁を自然に話して、関西ノリで笑わせてくれました。沢山泣いて、感動しました。ラブレターがタイトルにあるように、本当に胸が熱くなる純愛の物語でした。長く連れ添った夫婦がお互いを深く愛する物語です。
