健康や美容のためには適度に脂を摂った方が良い話を深堀り

先日『油はダイエットの味方』『白米よりチャーハンの方が太り難い』と言う旨の記事を書いたが、あれは数あるダイエット法の一つと言う訳ではない。

昨年、糖尿病医療のガイドラインが改定され、最近は複数の糖尿病医療の専門医が「血糖値を抑えるためにはタンパク質と脂質を摂って糖質を抑えましょう」と言う発言をしている。

今までは『カロリー制限とバランスの良い食事』だったが、昔から「タンパク質と脂質は食べても良いけど炭水化物は可能な限り避けましょう」と言うお医者さんは居たし、病的肥満(高度肥満症)でもない限りカロリー制限は、あまり意味がないことがわかってきた。

昔から糖尿病の患者に対して医者は「野菜ジュースも駄目です」と、しつこく言っているのに数値が悪化した糖尿病の患者に聞くと「え?体に良いと思って野菜ジュースを、まとめ買いして毎日飲んでます。」と言われたりして辟易していると言う話を耳にする。

多くの野菜ジュースは飲みやすくするために果糖などで甘くしたりしており実態は野菜由来の成分も入っているジュースに過ぎない。
砂糖不使用を謳う野菜だけで作ったジュースもトマトやカボチャなどの野菜自体の糖質が入っている。


つまり、この話は私の持論でもなければ、流行りのダイエット法でもない。
れっきとした医療であり科学的事実なのだ。

ちなみに、こういう話をすると「私は糖尿病じゃないから関係ない。大丈夫」と言う風に捉える人が居るが、肥満も糖尿病も、血糖値に由来する疾患であり、当然ダイエットにも役立つ。

『痩せたい』『太りたくない』『健康でいたい』人にとって、糖尿病医療の専門医が何十年も実験してデータを集めた医学的根拠が有る食事療法は大変参考になる。

素人の持論や、個人の成功体験より参考になるはずだ。

そこで知り合いにも「駄目なのは糖質であり、蛋白質と脂質を摂ったほうが良い」と言う話をしてみた。

しかも以前の記事より具体的に「例えばダブルチーズバーガーは食べても良い。肉とチーズが2倍になってバンズの炭水化物がチャーハンの様に脂と混ざる」
「ファストフードの身体に良くない印象の原因はコーラとかフライドポテトなどの糖質であって、ハンバーガーは肉や野菜が入っていて栄養バランスが良い」
「オニギリやサンドイッチよりもダブルチーズバーガーを食べたほうが良い」


「ダブルチーズバーガーだけじゃ物足りないならフライドポテトよりフライドチキン」
「ナゲットも食べて良いけどソースは糖質の塊だから、そのまま食べるか、ちょっとだけ付ける程度に抑えよう」
「ケチャップやソースは、殆ど糖質。栄養成分を見よう。マヨネーズは、殆ど脂質だから大丈夫。カロリーは気にしなくて良い」
「タルタルソースは、ゆで卵とマヨネーズだからOK」
「オニギリを食べたいならオカカとかコンブよりツナマヨ」
「飲み物は水か、お茶。砂糖入りは駄目」と説明した。

皆「なるほど、なるほど」っと熱心に聞いてくれたが、最初は散々な結果だった。

ケース①※最初は酷かったけが、後に改善

朝はチャーハンと卵スープ


昼は無し

夜はピザとティラミス


私は頭を抱えてしまった。
朝食のチャーハンは、まだ良いとして、なんで夕飯にピザとティラミスを食べたのだ。
夕飯を食べたら、その後は寝るだろうし、夕飯を食べた後にマラソン大会に出るわけでもないだろう。

現に食後2~3時間後に寝たそうだ。これは食後血糖値が高い時間帯だ。寝る前に血糖値を上げてどうするんだ。
寝てる間に、その血糖がインシュリンと結びついて脂肪になってしまう。

ピザやティラミスが食べたいなら、せめて昼をピザにして、オヤツにティラミス。そして夕飯を抜けば良かったのではないか。

この様に指摘したところ後日、炭水化物は朝食だけにして、今まであまり食べなかった野菜を増やし、安価な豚肉や卵で蛋白質と脂質を、しっかりと摂取するように食生活を変えたそうだ。

その結果、見た目は、あまり変わらないが順調に体重が落ちてきたそうで、健康的に痩せてきたらしい。
ここ数年、何をしても落ちなかった体重を下回る程度に減量できたらしい。

以前より栄養状態が良い食事をしながら減量できたのは素晴らしいことだ。
これが重要で、この人は別に肥満体型ではないが、若い頃よりは太ったと言うタイプの人だ。

話を聞く限り、むしろ若い頃の方が、無理して痩せ過ぎだった。
今は栄養を摂りつつ、食べ方や、食べる時間、食べ物を選ぶ食事療法によって、この人の体格やライフスタイルに適した健康的なダイエットになったわけだ。

ちなみに若い頃に変に偏ったダイエットをすると、栄養状態が悪くなり、高齢者になってから骨粗鬆症や骨密度が下がって健康状態を崩す。
その年齢になってから焦って牛乳やヨーグルトを食べても、もう骨密度は回復しない。

ダイエットは「健康や美容のために痩せること」を指す。
痩せるために健康を害することはダイエットでは無いのだ。

流行りのダイエットでは無く、医学的根拠の有る、栄養価が高い食事を摂りながら健康的に痩せるべきだ。

ケース②※もっと酷かったが後に改善

朝はトマトソースパスタ
昼はインスタントラーメンにトマトジュースを加えてアレンジ
夜はチキン竜田弁当

野菜の中でもトマトはフルーツトマトなんて言う商品が有るくらい糖分が多い。
もちろんサラダにトマトが入っていたとか、夏野菜としてトマトを、そのまま食べた程度なら良い。

しかしトマトジュースやトマトソースは、その糖分が多いトマトを濃縮しているので、トマトを、そのまま食べるより大量の糖分を摂ることになる。

ただし、トマトジュースも砂糖や塩が入っていない、原材料がトマトだけの200mlの少量の製品を、たまに間食として飲むくらいならば問題はない。

トマトには健康的な成分も入っているので、原材料や栄養成分を確認してから買おう。
トマトだけで作ったトマトジュースは200mlで糖質は7グラム程度で問題ない。

特にトマトケチャップは、もはや赤い砂糖と言って良いほど、ぶどう糖果糖液糖や砂糖が含まれていて糖の塊だ。
ちなみにトンカツの中濃ソースなども主成分は糖質である。フルーティーにするために果物なども原料に入っている。そして果糖は代謝を下げる。


それらに比べてタルタルソースやマヨネーズの方が脂質が多くてカロリーは高いが糖質がほとんど無い。
マヨラーと呼ばれるマヨネーズが好きな人が案外痩せているのは、実は案外ではなく当然なのだ。

実際に内科医の医師が糖質が多いカップ焼きそばにマヨネーズを、たっぷりかけて食べた場合と、そのまま食べた場合で食後血糖値にどれだけ差があるか実演していた。

結果、マヨネーズをかけた方が血糖値の最大値は大きく下がり、血糖値がピークに達する時間も20分も遅くなった。
油が炭水化物の消化吸収を阻害して太り難くすることを実証していた。

この理屈だと家系ラーメンなども麺カタメ、アブラ多めにした方が血糖値の上昇を抑えることが出来そうだ。

現に別のお医者さんが、とろろ蕎麦より二郎系ラーメンを勧めていた。
「とろろ蕎麦は炭水化物の重ね食い。二郎系ラーメンは、お店によっては麺半分とか少なめで注文できるので、先に油の乗った野菜を食べて、チャーシューで蛋白質と脂質を摂り、最後に少なめの麺を食べれば良い。スープは塩分が多いから飲んじゃ駄目。」

糖尿病医療の専門医が健康のために二郎系ラーメンを勧めするとは、なんともインパクトの有る話だ。

よって、パスタの中でもトマトケチャップを使うナポリタンは駄目。
ケチャップより、良質な不飽和脂肪酸を含んだオリーブオイルや、ごま油をかけたほうが良い。
和風なら、ごま油。イタリアンならオリーブオイル。と言った具合に。

和風パスタならバターを絡める“たらこパスタ”はバターの油が炭水化物の吸収を抑えてくれる。
食物繊維が豊富な刻み海苔をかけると、なお良い。


そして、その人には「一見ヘルシーそうな和風青じそパスタより、オリーブオイルを使ったペペロンチーノなどの方が太り難い」と理屈だけじゃなく、イメージしやすい様に具体例を説明したのだが、実際には糖質に糖質を加えて食べていたのだ。

スパゲッティにトマトソース、インスタントラーメンにトマトジュースは、もはや食パンにジャムみたいなものだ。

ちなみに、うどんは麺類の中でもトップクラスに血糖値が上がりやすい。一人あたりのうどん消費量トップクラスの香川県民は糖尿病も毎年トップクラスだ。

しかも、うどんはご飯茶碗一杯に比べて、ざるや丼ぶりなど量が多く脂っ気もないため血糖値が上がりやすい。
うどんとオニギリ2個のセットメニューなんてものも有るがアスリートや肉体労働でも無い限り食べちゃいけない。血糖値スパイク待った無しだ。

どうしても、うどんが食べたいなら天ぷらを食べよう。
天ぷらの材料は野菜やエビなど健康的な食品が多い。衣は炭水化物だが油が染み込んでいるため血糖値が上がりにくい。
色んな天ぷらを食べて満足した後に、ミニうどんなど、うどんは少なめにしよう。
天ぷらがメインで、うどんをシメのデザートみたいな食べ方をすれば良い。



話を戻すと、その人は寝る直前に、出前で頼んだチキン竜田弁当を食べたそうだ、その日は一日家から出ていないらしい。
その栄養成分を調べたら炭水化物117グラム以上だった。それを伝えたら「それって多いんですか?」と聞かれた。

そもそも知らないから、わからないのだ。
寝る前に炭水化物を117グラム以上も摂取したら、その糖質が殆ど寝てる間に全身の脂肪に変換されてしまう
炭水化物を摂るなら朝食か、運動前、寝る前は論外だ。

ちなみに比較的、糖質が少なくて脂質が多いコンビニのツナマヨのオニギリも糖質は1個40g近くある。
オニギリを3個食べたら100g超えてしまうので結構シビアだ。

朝食も昼食も夕食も糖質の塊であり、ダイエットと言うより、むしろ今の健康状態が心配になってしまう食生活だった。

更に「青椒肉絲や回鍋肉など、肉や野菜を油で炒めた中華料理も良い」と伝えたら、その人は「天津飯とか好き」と言っていた。

なんでピンポイントで、ご飯ドッサリ系を選ぶのだ。※だから痩せたいのだろうが
しかも天津飯は甘酢にも糖質がたっぷりで、糖質の塊だ。もちろん駄目だと伝えた。

他にも「デザートはどうですか?」など「糖質は駄目」と伝えているのに『駄目に決まってる食べ物』を聞いてくる。

「この人は無理かも知れない」私はそう考えつつも、向こうから知ろうとして質問をしてくる以上、諦めず、真面目に駄目な物と良い物を伝えた。

そうしたら、ある日「マヨネーズ買ってきました!」「今日の夕飯は、ゆで卵2個とマヨネーズ。そしてロースハム」と言っていた。素晴らしい。

ゆで卵とマヨネーズならタルタルソースそのものだし、卵は栄養価が高い。
卵にはビタミンCと食物繊維以外の全ての栄養が入っている。つまり生野菜が入っている卵サラダなんて最高だ。

そしてロースハムは高タンパクで脂質が少ないがマヨネーズで脂質は十分に摂れる。糖質は、ほとんど無い。
ちなみにソーセージは脂質が多いので、そのままで良い。

野菜サラダなども食べた方が良いが、その人は苦手な食べ物が多いので、しょうがない。

大人になっても苦手なものが多い人は、子供の頃に親が「全部食べるまで許さん!」と言った食育をされていて、そういう経験がトラウマになるケースが多い。

子供は内臓が未発達でシュウ酸など尿管結石の原因になる、えぐ味などに敏感な人が多い。

無理強いしなければ大人になれば味覚が変化して、自然と食べられるのに、子供の頃に無理に食べさせられた経験がある人は大人になっても食べられないのだ。

海藻やキノコなどは糖質やカロリーが少なく食物繊維が豊富で健康やダイエットにおいてミラクルフードみたいな食品なのだが、この人は両方食べられない。

苦手な野菜やキノコを無理に食べろとは言わないが「美味しいドレッシングを見つけたら、苦手な野菜も食べられるようになるかもね」と伝えておいた。

今後どうなるかは結果が出てみないと、わからないが、良い兆しが見えてきた。

ケース③※更に酷いので諦めた

20代までは痩せていたのに30歳くらいになって太り始めた人が居る。
失礼だが正直「お相撲さんとは言わないけれど、一目で全く痩せてないよね」と言う体型だ。

その人は栄養の知識がない。「20代までは痩せていたから、栄養に関心が無く知識がないのだろう」と考えていた。

その人に以前「カレーには抗炎症作用があるから身体の痛みが取れる」という話をしたことがある。
そしたら後日、私に対して「太りたいって言ってなかったっけ?」と聞かれた。
痩せ過ぎは良くないが別に私は太りたいとは思っていない。よって言うわけがないので「何のことだろう?」と思っていた。

その人から「この前カレー食べたって言ってなかったけ?」っと聞かれたので「カレーには抗炎症作用があるって話だね」と答えたら「カレーは油が」と言ったのだ。

そう言えば、以前カレーの話をした時も「カレーは油が」と、まるで呪文のように繰り返していた。

確かにカレーには油が含まれるが大した量じゃない。カレーライスが太る原因は糖質。
カレーのルウとライスを絡めて炭水化物をどっさり食べることだ。
むしろ白米に対して油分が有るカレーを混ぜたほうが、ただの白米よりも太り難くなる。

この人は「油は太る」と思い込んでいたのだ。

ちなみに、このイラストのようにニンジンやジャガイモが入っているならライスは食べなくて良い。もしくは少なめにしよう。
ホワイトシチューも同様だ、パンもライスも要らない。

後日、その人は乳酸菌飲料を飲んでいた。カレーの油を気にしてるのに砂糖たっぷりの乳酸菌飲料をグビグビ飲んでいるのだ。

なので「栄養成分を見て」と言ったら「脂質0!?」と喜んでいたので「違う、脂質じゃない。炭水化物、つまり糖質。太る原因は糖質。原材料にも砂糖って書いてあるでしょ。」と説明したら飲むのを止めた。

ちなみに食事で摂る糖質より、飲料の糖質のほうが血糖値が急激に上がりやすい。
スポーツドリンクなども頻繁に飲むのは良くない。運動する際や脱水症状の時に飲むくらいにすべきだ。

そして、ある時、その人が「チョコレート食べちゃった」と言っていた。
別にチョコレートもインスタントラーメンも絶対に食べちゃ駄目っと言うわけじゃない。糖質は出来るだけ抑えよう。という話だ。

インスタントラーメンもトマトジュースじゃなくて、栄養のバランスを摂るために野菜や肉や海藻や卵を加えて、時々食べる程度なら良い。

私は「あれも食べちゃ駄目!これも食べちゃ駄目!」というダイエットは我慢であり続かないので「食品や栄養を理解して上手に付き合いましょう」という考えだ。それなら無理無く生涯続けられる。

現に専門医も「我慢とか根性でカロリー制限で痩せた人は3年で50%がリバウンドする。9年で、ほぼ100%がリバウンドする」と言う調査結果を示している。

最大の敵は我慢したり頑張ること

なので私は「チョコレートも食べるタイミングと量の問題、例えばお腹が空いてる時にチョコレートを1個だけ食べて血糖値を少し上げて食欲が落ち着けば、その後に、食べ過ぎることを防げるから総合的にダイエットに繋がるでしょ?」と伝えた。

そう言ったら、その人は「でも、お腹が空いてる時にチョコレート食べたら吸収しちゃう」と言ったのだ。

私は「何を言っているんだろうか」と時が止まった。
私の頭は、まるでインターネット回線が突然切れてクルクルしているような状態になった。

お腹が空いていようが、お腹がいっぱいだろうがチョコレートを食べたら吸収するし、お腹がいっぱいの時にチョコレートを食べたほうが血糖値の最大値は高まる。

大量のインシュリンが分泌されて糖質は脂肪になる。

むしろチョコレートを食べても消化吸収しない人は腸閉塞などのリスクが有るし消化器官に何らかの問題が有るからダイエット以前に病院に行くべきだ。

この人は栄養の知識がないのではなく、そもそも思考回路が私と違うのだ。
私が今まで説明したことは全て無駄だったのだ。

そして後日その人は「近所にヴィーガンレストランが出来たから行こうと思ってる!ヴィーガンってヘルシーなんでしょ?」と言っていた。

ヴィーガン食は全くヘルシーではない。ヴィーガンは「人間に動物の命を奪う権利はない」と言う主義や理念のことだ。
※動物性の食品を食べないだけじゃなく、革製品を買わないなど


ヴィーガンは動物性タンパク質を摂らない代わりに必要な栄養素を摂取するためには毎日レンズ豆や大豆などの穀物を、どっさり食べなければならず、凄い糖質とカロリーになる。

しかも、そうしてもビタミンB12など人間に必要な栄養素は摂れないことが、わかっている。
コレステロールという脂質が有るが、人間の脳の4割はコレステロール。

コレステロールと聞くと悪いイメージが有るかも知れないが、人間はコレステロールも適量を摂取しなければ脳が萎縮したり恐ろしいことになる。
他にも細胞膜を保ったり、コレステロールも人間にとっては大事な栄養素の一つだ。

動物性の脂質から作られるバターと、植物性油脂から作られるマーガリン。
バターに比べてマーガリンは44分の1しかコレステロールが入っていない。

一部の過激なヴィーガンがデモ活動やヒステリックな発言をしたり、飲食店で迷惑行為をして逮捕されたりすることが有るが、栄養不足で認知能力や判断力が低下しているのかも知れない。

別にヴィーガン思想の人が自宅で大人しく野菜を食べているなら別に構わないが他人に迷惑をかけたり思想を押し付けたりするのは良くないし、健康上のリスクが高い。

多くのヴィーガンは、ふくよかな体型をしており、一部の栄養失調のヴィーガンが痩せ細って亡くなった後、生前の実年齢とはかけ離れたボロボロでガリガリの写真が珍しいから注目されるだけで、穀物をドッサリ食べたら太るに決まってるのだ。

ちなみに痩せててキレイなヴィーガンも居るイメージが有ると思うが、あれはインフルエンサーだ。
見た目をキレイに整えて「私のオススメのヴィーガン食品」を紹介して、お金を稼いでいる。

実際には脂の乗ったサーモンなどを食べているだろう。

現に、そういった人が実は魚や卵を食べていて炎上した例は世界中にあるし、私の知り合いでも『動物性食品不使用のヴィーガン向け完全栄養食品』の案件をした人が居る。

その案件動画を拝見したところ、そのヴィーガン向け完全食品を「美味しい!これなら続けられそう!」と大絶賛していたのだが、後日「あれって飲んでます?」と聞いたら「いや飲んでないです。味が…」と言った回答だった。

ちなみに、その人は肉が好きで健康的に痩せている人だ。

ウェブのコンテンツの実態は、こういった物だ。
たくさんの人から注目を集めて商品を宣伝して売る仕事だ。
中には素晴らしい商品も有るだろうが、一概に鵜呑みにしてはいけない。

ところで畜産業のことを思い浮かべてみよう。牧草だけ食べて育った牛の肉は赤い。赤い肉は筋肉。
初めて見た人は「牛肉って、こんなに赤一色になるの!?」と驚くほど赤い。


しかし消費者に求められる牛肉は、白い脂身が適度に有る食肉だ。
牧草しか食べていない赤一色の牛肉は、ラム肉のように硬くて臭みが有り、煮込み料理などに使う。

だから畜産業者は、わざわざ穀物を購入し、人手を雇って、手間も時間も、お金もかけて家畜に穀物をドッサリ食べさせて肥やして脂身たっぷりにして太らせるのだ。


人間と牛や豚の消化器官に違いは有るが、同じ哺乳類だ。

現在、太っていて痩せたい人が、出荷前の牛や豚のように穀物をドッサリ食べて、何故痩せると思うのだろうか、全く理解できない。

現に野生動物でも草食動物や肉食動物は太っていない。野生の水牛などは太っていない印象があるだろう。

太る野生動物は昨今問題になっているクマなどの雑食性の動物だ。
山から降りてきて人里のリンゴや柿、畑のカボチャをモリモリ食べて、一般的な個体と比べて2倍の体重になり、まるまると太った熊が捕獲や駆除されている。

人間も熊と同じ雑食性。時々食べる程度なら良いが糖質が多い果物やカボチャをモリモリ食べたら太るのは熊が実証している。


ダイエットと食育とフードロス

私は食事を残すことに寛容だ。
例えば学生時代に運動部で身長170センチ以上の成人男性が食べて満足する量が、並盛とか、一人前とか、お弁当一個なのだ。

日本人女性の平均身長は158センチくらい。身体が大きい男性と比べれば筋肉量も基礎代謝も少ない、同じ量の食事を残さず食べていたら肥満や糖尿病になりやすいのは当たり前ではないか。

ならば肥満に伴う疾患や糖尿病になるより、原因である炭水化物、糖質を残しても良いのではないか。

私も食べ物を粗末にすることには抵抗がある「ご飯粒を残さず食べましょう」と育てられた世代だ。

例えば、小さい子が、食べ物や、お菓子を投げて遊ぶのは良くないし、叱るべきだ。
中高生が食べ切れもしないのに、ふざけてキング牛丼を注文して、写真を取ってSNSに上げて、殆ど残して食い散らかすのは、いかがなものかと思う。

しかし、それは食育やフードロスと言った別の問題であり、肥満や糖尿病リスクを抱えてる人に「残さず食え!勿体ないだろ!」と言うのは違うのではないか?

しかも、その結果、糖尿病や透析などの疾患になれば医療負担を増やし、働いている国民が、その医療費を間接的に負担している。


ならば肥満や糖尿病予備軍の人は「食べ物は無理して全部食べなくて良い。健康を優先しよう。」と言う風潮に変えた方が良いのではないかと思う。

疾患リスクが有るのだから、食品アレルギーの人に「勿体ないから残さず食え!」と言うのが、おかしいのと同じだ。

とある糖尿病医療の専門医も「ラーメンを食べるなら麺を残すか、少なめにしましょう」と発信している。
私も、それで良いと思う。

最近は飲食チェーン店でもオカズ単品や、ロカボ(ご飯無しで、オカズとサラダとスープのみ)や「ご飯を、お豆腐に変更できます」と言う飲食店も増えてきた。

スーパーやコンビニでも、お弁当じゃなくて、お惣菜やサラダを買えば良い。

そういった食品を利用しつつ、状況によって健康のために、致し方なく炭水化物、糖質を適度に残すは、悪いことではないと思う。
全部食べて疾患になったところで誰も助からないからだ。

残して申し訳ないのであれば「いただきます」「ごちそうさまでした」「美味しかったです」「ごめんなさい」という言葉や気持ちが有るのだ。

SNSで映える彩り豊かな食事

SNSで良く有る「育児をしながら毎日こんな料理を作ってるのに旦那が感謝しない」と不満を言っている方の料理を見てみると、オカズの付け合せにジャガイモやニンジン。さらにポテトサラダ。そして栗ご飯。
タンパク質は少量の白身魚だけ。


先程「フライドポテトよりフライドチキン」と書いたようにジャガイモは太りやすい。ジャガイモは食物繊維が少ない炭水化物だからだ。
米や、うどんや、パンより太りやすい。

その料理は炭水化物だらけで、タンパク質と脂質が、ほとんど無い。
一見、彩り豊かで手の込んでいる料理に見えるが酷い栄養バランスだ。

「手の込んだ料理で凄いですね!」と共感されていたが、同時に「肉が無い」と批判もされていた。

投稿者は「肉が無いのは旦那が太っているからだ!」と反論していた。

いやいや、旦那が太っているのは米やニンジンやジャガイモや栗など糖質が多い食品だらけでタンパク質や脂質が少ないからだ。

旦那が太っているならジャガイモなんて食べさせなくて良い。
ポテトサラダの代わりに唐揚げでも用意したほうが良いだろう。

肉や魚を増やして糖質を減らせば良い。この人は栄養の知識が乏しいのだろう。

しかも『手の込んだ料理』と褒められていた彩り豊かな料理は、実は市販のレトルト食品だった。

確かに育児をしながら旦那の料理を用意するのは大変だと思う。
レトルト食品や冷凍食品を使うことは別に悪いことではない。

しかし、それを手間を掛けて自分で作ったかのように偽り、夫を非難したりSNSで、さらし者をするのは違うと思う。

日本人女性は主要先進国の中でタンパク質の摂取量が最下位

日本人女性はタンパク質の摂取量が少ない。そして「足の筋肉を落としたい」「筋肉を付けたくない」という人が多い。
まず足の筋肉が落ちないのは全身の体重を支えているからだ。
体重が重いから全身を支える足の筋肉だけが、いつまで経っても落ちないのだ。

スラッとした足にしたいのなら、むしろタンパク質を摂って筋肉量を増やし、代謝を上げたほうが良い。
身体が軽くなって、体格やライフスタイルに合った筋肉量になる。

しかも筋肉は糖の貯蔵庫。筋肉量が多いほど食後血糖値が上がり難い。

女性より筋肉がつきやすい男性でもタンパク質を摂取しただけではムキムキの筋肉にはならない。
筋トレして筋肉で体重をキロ単位で増やすのは大変な努力がいる。

男性に比べて筋肉が付きにくい女性がタンパク質を食べただけでムキムキになるわけがない。

タンパク質を摂ったら筋肉が増えると言うより、その人の体格やライフスタイルに適した筋肉がしっかり付いて姿勢が良くなったり、健康で太り難く、むしろスラッとして元気になる。と考えたほうが良いだろう。


そもそも肉や魚や卵などのタンパク質を摂取しないと、人間は生きるのに必要なアミノ酸を作るために自身の筋肉を分解してアミノ酸を作る。※蛋白質を分解するとアミノ酸になる

そうなれば筋肉はやせ細り、筋肉量が減り、体温が低下し、基礎代謝が下がり、より太りやすく、痩せにくい体質になるのだ。

男性より女性の方がダイエットや冷え性に悩んでいるのは、こういうことだ。

みなさんの知り合いに肉が好きで、焼き肉や、しゃぶしゃぶ、ステーキを頻繁に食べる女性は居ないだろうか?意外と痩せていて活発な方が多いだろう。


焼き肉で、ご飯をおかわりするような食べ方は良くないが、お肉や野菜やキノコを、お腹いっぱい食べるのは問題ない。問題は糖質だ。

「肉や野菜で、お腹いっぱいになったから、ご飯やパンや麺は食べられない」それで良いのだ。

健康的に痩せたいなら、しゃぶしゃぶ食べ放題みたいな食事で良い。
スーパーで、肉や野菜を買ってきて、それでお腹いっぱいにすれば良いのだ。

逆に痩せたい、つまり太っている人で「タンパク質は、ちゃんと食べてます!」と言う人に具体的に聞いてみたら「一昨日食べた冷やし中華にハムが入ってました!」と言っていた。

タンパク質を全然食べてない上に、冷やし中華の主な栄養素は炭水化物だ。太ってるのも当然で唖然としてしまった。

脂質を摂ると痩せる理由

脂質を摂ると痩せる理由は簡単だ。
先程のタンパク質とアミノ酸の話のように、新しい脂質が体に入ってきたら、身体についた古い脂肪をエネルギーとして先に使おうと言うホルモンが出る。

そして脂質はエネルギーで有ると同時に重要な栄養素。
脳のコレステロールだけでなく「ホルモンバランスの乱れ」と言ったりするが、ホルモンの主な材料は脂質だ。


逆に糖質を摂取したら「太れ太れ」「糖質を脂肪に変換しろ」というホルモンが分泌される。これがインシュリンだ。

人類は何百万年もの間、狩猟採集民で、実りの秋には先程の熊のように果物や穀物を摂取して脂肪を蓄え、食料が乏しい冬の寒さに耐えて生きながらえてきた。

その子孫である現代人も、果物や穀物を、たくさん食べれば太るのは当然だ。

現代の日本に住んでいる人が、わざわざ皮下脂肪を蓄えて冬の寒さや飢餓に備える必要はないだろう。

自分でもやってみた

他人に言っているだけではなく、自身でも試してみようと思い、私もマヨネーズを数年ぶりに買ってみた。
ちなみに私は標準体型で、ダイエットは不要だ。

朝食に鶏肉と鶏そぼろと炒り卵の弁当にマヨネーズをかけてみた。
お米も大した量じゃない。カロリーも500キロカロリー未満。

結果、不思議なほど、お腹が空かない。
いつまでも、お腹の中に朝食が残っている感じがする。
午後になっても食欲がなく、昼食は食べられなかった。

正直、食べ物の事を考える気にもならない感覚だ。
長時間、血糖値の上昇が抑えられて安定し、食欲が沸かないのだろう。

大学で糖尿病の研究をしている先生が「蛋白質と脂質を食べれば十分な満足感が得られます」と言っていたが、満足感どころか何時間も「何も食べたくない」状態が続いた。

夜になって、控えめな夕飯を食べたが、その日の摂取カロリーはマヨネーズを含めても700キロカロリー程度だった。
「これは痩せるに決まってる」と感じた。脂質の効果は絶大だ。

マヨラーに痩せてる人が多いのは当然だと実感した。

ちなみに「よく噛むと満腹中枢が刺激されて痩せる」と言う人が未だに大勢居るが、満腹中枢や食欲を刺激するのは血糖値だ。
良く噛んで時間をかけて食事をすることは良いことだが、大事なのは栄養素や血糖値や食べる時間帯だ。

米やパンや麺類や芋類などの糖質を良く噛んで食べたところで痩せるわけではない。

まとめ

・穀物、果物、炭水化物、糖質が良くない。果糖は代謝を下げる。栄養成分や原材料を見よう。
・和食はヘルシーなイメージが有るかも知れないが脂質や蛋白質が少なく塩分と炭水化物が多い。
・オカズだけ食べても炭水化物(糖質)は何十グラムも入っている。ご飯やパンや麺や芋類は避けた方が良い。
・大事な栄養は肉、魚、卵、野菜、海藻、キノコなど。
・オカズやサラダやスープだけでも一般的な生活をする人にとっては十分な糖質が摂取できる。
・むしろ料理を食べる以上、野菜や調味料などで糖質を避けることは難しい。
・緑黄色野菜も健康的な印象が有るが、カボチャやニンジンは糖質が多い。
・油、脂質、揚げ物はダイエットや糖尿病予防の味方。上手に適量を摂取しよう。
・お肉やマヨネーズが好きな人は血糖値が上がり難く痩せている人が多い。
・野菜ジュースやトマトジュースはジュース。健康目的で飲んだら逆効果になることも有る。
・ソースやケチャップは糖質が多い。マヨネーズやオリーブオイルやゴマ油を使おう。
・カロリーハーフのマヨネーズやノンオイルドレッシングは糖質が多い。油がメインのドレッシングを使おう。
・どうしても油が合わない食品にはキノコや海藻が良い。食前にメカブを食べると豊富な水溶性食物繊維により血糖値の上昇を抑えることが出来る。(但し、海藻はヨウ素が多いので最大でも一日一回が目安)
我慢や努力や頑張ったら、いずれ失敗する。正しい知識を身に付けて食事や健康と上手に向き合おう。

重要:注意事項

・重要なことなので、しつこく言うが「脂をいっぱい食べれば痩せる」と言う訳ではない。
高脂血症など様々な疾患も有る。
私は必要以上に脂を恐れず、バランスの良い食事を勧めている。
肥満や糖尿病の主な原因は糖質であり「脂に油をかけて食べましょう」と言ったようなことは話していない。
適度に上手に脂質と向き合いましょう。と言う話だ。
唐揚げを食べても良いが、唐揚げにマヨネーズをかけましょうと言う訳ではない。

・これだけしつこく言っても「頑張って脂を、たくさん食べました!」「マヨネーズ苦手なのに我慢してマヨネーズを、たっぷりかけて食べました!」みたいなことを言ってくる人が世の中には大勢居る。
ダイエットや糖尿病予防ではなく、頑張ったり我慢してる自分を褒めて欲しい人は、この記事を参考にしないで欲しい。
健康を害しても責任は取れない。

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