どうも。お久しぶりです、cubicです。遂にくたばったと思っていましたか?残念、小説を書いていたらストーリーに行き詰まったり、なぜか下書きが保存されなくなったりと、トラブルに見舞われていたらここまで期間が空いてしまっただけです。実はまだまだ執筆途中でして、時間かかりすぎだろという声が聞こえてきそうですが、それはもう本当にごもっともです。完成まで、どうか今しばらくお待ちくださいませ⋯。
さて、こんな記事を書いていないで執筆作業を進めろと言われればその通りなのですが、どうしても言いたいことがあったので許してください。というのも、最近規模の大きい地震が多く発生しているじゃないですか。そして、地震が起きれば各局が某動画配信サイトでもニュースを流すわけです。無論、私も情報収集のために見ているのですが、コメント欄の方も流し見していると正気を疑うものを発見したのです。それが「これは中国が引き起こした人工地震である」というもの。普段は超が付くほど温厚な私ですが、これにはご立腹です。いや、マジで。ネタだとしても不謹慎すぎますし、本気にしているならそれは認識を改める必要があります。ということで、今回は人工地震は可能なのか、陰謀論の善悪の線引きについて語ろうと思います。
人工地震自体は可能
まずは人工地震は可能なのか?という話ですが、結論からいうと人工地震自体を引き起こすことは可能です。しかし、本当に人工地震を信じている人は「ほら見ろ、間違っていないじゃないか」と言いそうですが、まだブラウザバックしないでください。話は最後まで聞きましょう。
確かに、砕石発破や核実験など、人為的要因が原因で人工地震を引き起こすことはできます。事実、1950~1990年代までは、旧ソ連や中国、アメリカなどで多く発生していました。しかし、いずれも大規模な地震ではありませんでした。最近の例では2017年に某北の国で発生したM5前後のものがあります。この時は地下で核実験を行っていたために発生しましたが、ご存じの通り、マグニチュードは1上がると32倍、2上がると1000倍のエネルギーが必要になります。数字だけでは大したことはないと感じるかもしれませんが、12月8日に発生した青森県東方沖の地震はM7.5、深さ54キロでした。これだけの規模と深さで地震を起こすためには、広島県に落とされたリトルボーイ(TNT換算で約16㏏)や長崎のファットマン(約20㏏)、世界最大の水素爆弾であるツァーリ・ボンバ(TNT換算50Mtと言われているが、詳細は不明)が相当な数必要になり、震央から54キロもの深さで発生させることは物理的にも不可能なのです。また、これだけの本数を用意するのは現実的ではありませんし、それほどまでに自然の力は強大で、とても人間が知り尽くすことは難しく、ましてコントロール下に置くことはできないわけです。
陰謀論に騙される人間
いよいよ、ここからが本題です。先日の東北地方で発生した地震は中国の仕業、と騒いでいる人がいますが、一般的な教養がある人は「そんなわけがない」と切り捨てられるはずです。ただ、悪質な陰謀論者は地震に対する知識が乏しい人間に「国家間の対立」といういかにももっともらしい理由を作り、乏しい知識を上書きしているわけです。時には、一般的な教養がある人にも前提知識を覆すほどの情報を揃えることで崩そうとする者もいます。そもそも陰謀論にはまるのは、「自分はこの世界の真実を知っている」と思い込みたい人間なのです。一昔前に流行った反ワクチンもそうですね。コロナワクチンは製薬会社が儲けるためにつくった毒だ!打ったら死ぬぞ!国が裏で糸を引いているんだ!と騒いでいる人間がいましたし、本も出ていました。マジレスすると、いやいや、国民を毒で減らしたら国の衰退に繫がるやろ、となります。ただし、陰謀論者も馬鹿ではありません。著名な医師の名前を出して、「あの先生が言っていたんだから間違いない」と信じ込ませられるような、自分で調べようとしない人間を狙うのです。陰謀論を信じやすいのは、見聞きした情報を自分で調べようとしない、怠け者も含まれていますし。実際にワクチンは毒だと騒いでいる医師もいましたが、界隈では有名な人でしたし、その医師の子供は普通にワクチンを接種しています。陰謀論というのは、商業的にもかなり儲けられるために、医者という肩書を悪用していただけに過ぎないのです。ここまではよかった(よくない)のですが、医師の信憑性を上げるかのように報道されたのが「ワクチンの重篤な副反応」です。ワクチンを接種したことで亡くなった、ないし重篤な副反応により日常生活が送れなくなった、というもの。ぶっちゃけるとこれらの例も、ウイルスにかかって重症化して死ぬよりは確率的に低いですし、誇張していないか?と感じる部分もあります。人工地震の話に戻りますが、人間には信じたいものを信じるという心理がありまして。現在の中国に不満を持っている人間を狙えば、簡単に堕ちてくれます。脳死で信じると、その先に待っているのは不毛な搾取。見聞きした情報が科学的知見に基づくものなのかを考えなければ、大変危険です。
陰謀論の線引き
ここまで正論で殴り続けてきましたが、全てのオカルトが悪、というわけではありません。そもそも、オカルト的な概念には、陰謀論と都市伝説の2つがあります。前者は政治がらみ、後者は割と身近な超常現象、といった具合です。ネッシーやエリア51などの都市伝説は、私も大好きです。ただ、ネッシーがいたらそろそろ死骸が見つかってもいいとは思いますし、エリア51に至っては立ち入れない理由はUFOが着陸するためだと言われていますが、軍事秘密を漏らすほどセキュリティをガバガバにするはずがありません。この秘匿性から、様々な噂を流して「こんなことがあったら夢があるよね」と、あくまでネタとして楽しめ、他人の健康と財産を害さない範囲にとどめています。特にロストメディアはインターネット黎明期から存在する情報を探す行為自体、ニコニコ動画全盛期の空気感や実物のない宝探しのような高揚感を味わえるので、ネット民である私は大好物です。くわがたツマミの37話、見つからないかねえ。
とまあ、都市伝説というのは殆どが無害です。ただ、確率的に悪いことを考える者が現れても仕方がないのですが、たまにありえないような都市伝説を持ち出す人間がいます。それは大体、政府が隠している、といった文言とセットで言われています。政府という強大な権力が隠蔽していると言えば、相手の判断力は揺らぎます。これを狙う人間の都市伝説こそが陰謀論だと、私は勝手に思っています。ただし、陰謀論というのも、少し考えればそんなはずがないと言い切ってしまえるものが大半。実は中国では永久機関が発見されていて、今回の人工地震もそれを応用したんだ!と言っている人がいましたが、冷静に考えるとどうやって永久機関を制御しているのか、制御できているならそれは永久機関ではなく発電しているだけではないのか、それだけのエネルギーを持っているなら他国への攻撃ではなく自国の商業繫栄のために使うのではないか、そもそも永久機関は熱力学第一法則で否定されている等々、実に穴だらけです。そんな情報を本気にしているのですから、もはや陰謀論がどうこうというより、情報を受け取る側の問題かもしれませんね。変な情報を流す側にも問題があるというのは、言うまでもありませんが。
以上、人工地震の真実と陰謀論についてのお話でした。いくらなんでも今回の地震を人工地震だと騒ぎ立てる人を見ると、不謹慎という言葉すら知らないのかと、割と本気で怒ります。反ワクチンの時もそうですが、私たちの生活は長い歴史の間に積み重ねられてきた科学的知見のもとに成り立っています。それを平均値と言えるほどの証拠もなく一方的に批判するのは、中々やばい事です。陰謀論を本気にして周囲に吹き込もうとしている人を見ると、畑の肥やしにでもなってくれないかなあ、と思うわけですよ。残念ながら日本は法治国家ですから、せめて法律で取り締まってもいいんじゃないですかね。発災した人たちを惑わすような科学の科の字もないトンデモ誤情報は流さないでほしいものです。少なくとも、これを読んでいる皆さんは騙されないようにしましょう。それではまた。
